2019年2月23日から24日にオーストラリアのフィリップアイランドでWSS(スーパースポーツ世界選手権)が開幕されました。昨年は最終戦までチャンピオン争いが行われましたが、今年はトップライダーの移籍が多いことや違うカテゴリーの有能なライダーが参戦することから、さらに激しい戦いが繰り広げられそうな予感がします。今年は一体どのような結末を迎えるのでしょうか?

ディフェンディングチャンピオン不在の今シーズン

最終戦まで続いたチャンピオン争いを見事制した2018年チャンピオンのサンドロ・コルテセは、今年スーパーバイク世界選手権にステップアップするため、今シーズンのWSSにはディフェンディングチャンピオンが不在という事になります。王者不在の今シーズンは一体誰が主役に躍り出るのでしょうか?

昨年シーズンの途中からカワサキで参戦していたエクトル・バルベラ(TEAM TOTH BY WILLIRACE)は今年からヤマハにスイッチ、さらに昨年GRTでシーズンを盛り上げてくれたルーカス・マヒアス(KAWASAKI PUCCETTI RACING)がカワサキに電撃移籍し、大久保光(KAWASAKI PUCCETTI RACING)のチームメイトになるなど今シーズンは見所が満載です!

画像: ヤマハからカワサキに移籍したL.マヒアス。短い期間でマシンに適応するのはさすがトップライダー。 www.worldsbk.com

ヤマハからカワサキに移籍したL.マヒアス。短い期間でマシンに適応するのはさすがトップライダー。

www.worldsbk.com

レギュレーションの主な変更点はECUがワンメイクになる事です。今回用いられる共通ECUは去年GRTヤマハが使用していたメクトロニックというイタリアのメーカーのものを使用するため、データのあるヤマハは今年も有利かもしれません。

Moto2で走っていたフェデリコ・フリーニ(MV AGUSTA REPARTO CORSE)、アイザック・ビニャーレス(KALLIO RACING)、ジュール・ダニーロ(CIA LANDLORD INSURANCE HONDA)が今年からWSSに参戦し、ライダーの顔ぶれも変わりました。今年は誰がイニシアチブを取るのかにも注目です!

F.カリカスロがチームメイトのタイムを更新しスーパーポール獲得!

2月23日に行われた予選ではヤマハ勢が去年に引き続き速さをみせます。中でもBARDAHL EVAN BROS. WORLDSSP TEAMのふたりが好調で、ランディー・クルメナッハ(BARDAHL EVAN BROS. WORLDSSP TEAM)がトップタイムを記録。

セッション最終盤でチームメイトのタイムをフェデリコ・カリカスロ(BARDAHL EVAN BROS. WORLDSSP TEAM)が上回り、見事開幕戦のポールポジションを獲得しました。BARDAHL EVAN BROS. WORLDSSP TEAMはプライベーターにも関わらず高いポテンシャルを発揮し、予選でワンツーを飾る力強いパフォーマンスをみせました。

画像: 予選Top3をヤマハが独占。今年もヤマハがシーズンを席巻してしまうのか? www.worldsbk.com

予選Top3をヤマハが独占。今年もヤマハがシーズンを席巻してしまうのか?

www.worldsbk.com

唯一人の日本人ライダー、大久保は予選を8位で終え、カワサキ勢最上位からのスタートとなりました。参戦4年目で勝負の年となる大久保。初表彰台と初優勝を狙う上で良いポジションからのスタートとなりました。

画像: WSS4年目の大久保。今年の目標は初表彰台と初優勝、そしてWSSチャンピオンだ! www.worldsbk.com

WSS4年目の大久保。今年の目標は初表彰台と初優勝、そしてWSSチャンピオンだ!

www.worldsbk.com

予選結果

画像1: www.worldsbk.com
www.worldsbk.com

イレギュラーなピットイン義務化が波乱を呼んだ!開幕戦を制したのは?

2月24日に行われた決勝ですが、決勝前に開幕戦だけのルールが設けられました。それはタイヤの安全性に問題があることから、周回数を16周に減算し、連続での10周以上の周回を認めず、10周以内のピットイン、タイヤ交換を義務化するというもの。600ccでのスプリントレースでは普段タイヤ交換は行われません。しかも市販車バイクを用いてのレースなので、タイヤ交換には時間がかかります。このレースはピットでの作業が勝負の鍵になりました。

スタートでは予選3位のジュール・クルーゼル(GMT94 YAMAHA)が好スタートを決め、一気にトップに浮上します。しかし2周目の1コーナーでクルメナッハとカリカスロがクルーゼルを抜き返し、再びBARDAHL EVAN BROS. WORLDSSP TEAMの2台がトップに返り咲きます。

2周目にファステストラップを叩き出し、前を追う4位のラファエル・デローサ(MV AGUSTA REPARTO CORSE)でしたが、全体ベストを出した直後の2コーナーでハイサイドし転倒。デローサを避けようとしたビニャーレスが緑地帯に出て順位を下げてしまいます。

トップのカリカスロとクルメナッハのバトルが続く中、6周目のストレートでクルメナッハにBOXのサインが出ます。この周の終わりにクルメナッハとクルーゼルが真っ先にピットイン。無事にタイヤ交換を終え、順位はそのままの状態でコースに復帰します。

翌周トップのカリカスロがピットイン。順調にタイヤ交換を済ませるも、発車時にリアタイヤのスタンドを引きずってしまうミスを犯しタイムロス!これでクルメナッハとのタイム差が開いてしまいました。

画像: J.クルーゼルに対し差を広げていくトップのR.クルメナッハ www.worldsbk.com

J.クルーゼルに対し差を広げていくトップのR.クルメナッハ

www.worldsbk.com

トップに立ったクルメナッハは残り7周でファステストラップを叩き出し後続との差を開いていきます。そんな中、接近戦が繰り広げられたのがコランタン・ペロラーリ(GMT94 YAMAHA)、トーマス・グランディンガー(KALLIO RACING)、大久保の6位争い。大久保は残り2周でペロラーリをパスしグランディンガーを追います。

終わってみればクルメナッハが後続に6秒差をつけての優勝!2016年以来の優勝で、なんとこの日はクルメナッハの誕生日!自身で最高の誕生日を演出しました。2位には今年もチャンピオン候補のクルーゼルが入り、ピットでのミスに泣いたカリカスロがなんとか3位に入りました。

画像: バースデーウィンを達成したR.クルメナッハ。個人的にはヒゲがない方がかっこいいと思う。 www.worldsbk.com

バースデーウィンを達成したR.クルメナッハ。個人的にはヒゲがない方がかっこいいと思う。

www.worldsbk.com
画像: 今年もヤマハが表彰台を独占!大久保、カワサキが割って入ることを期待したい。 www.worldsbk.com

今年もヤマハが表彰台を独占!大久保、カワサキが割って入ることを期待したい。

www.worldsbk.com

4位につけていたマヒアスがピットストップ時のペナルティーを受けたことにより、大久保が自己ベストタイの6位入賞。開幕戦で自己ベスト順位でのフィニッシュに今シーズンの手応えを感じる結果となりました。

決勝結果

画像2: www.worldsbk.com
www.worldsbk.com

次戦は3月15日から17日に行われる第2戦タイGP。バイク熱が凄まじいタイで今年も熱いバトルが見られるのでしょうか。クルメナッハの連勝か、カリカスロの逆襲が見られるのか、それとも日本人ライダー大久保の表彰台、優勝が見られるのか。1戦も見逃せないシーズンが今年もスタートしました!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.

No Notification