40歳にして最激戦区のウェルター級でトップランナーでありつづける奇跡の男、マニー・パッキャオ。10代で初めての世界タイトルを得て以来、20代、30代、40代でタイトルを獲得しているのは彼をおいて他にない。
すでに引退してはいるものの那須川天心とのエキシビジョンや総合格闘技UFCの一流選手コナー・マクレガーとボクシングマッチで、いまだに巨大マネーを稼ぎ続けるフロイド・メイウェザーJr.との再戦を狙っているとされるパッキャオだが、今回はその前哨戦?として、かつてメイウェザー二世と呼ばれた元4階級制覇王者エイドリアン・ブローナーとのタイトルマッチに挑んだ。

両者データ比較

体格では互角。
年齢的ではもちろんまだ29歳のブローナーが有利だ。下馬評ではパッキャオ優位だが、ブローナーもスーパー・フェザー級、ライト級、スーパー・ライト級、ウェルター級の4階級を制覇したほどの実力者。メイウェザー戦に向けての噛ませ犬というのはあまりに危険な相手だ。

優等生の印象が強いパッキャオに比べて、世界戦での体重超過や、飲酒運転や暴行事件などのリング内外での素行の悪さが祟ってヒールの印象が強いのがブローナー。ここでパッキャオを食って、自らの商品価値を上げたいところ。モチベーションは十分なはずだ。

M・パッキャオデータE・ブローナー
1978/12/17生年月日1989/7/28
フィリピン出身地アメリカ
69戦60勝(39KO)7敗2分戦績38戦33勝(24KO)3敗1分1無効試合
57%KO率63%
169cm身長169cm
170cmリーチ175cm
左ファイターファイトスタイル右ボクサーファイター

試合展開

序盤から攻勢を続けたのはパッキャオ。ブローナーはいつもの通り広いスタンスで、受け身ながらもカウンター狙い。基本的にはメイウェザーを彷彿させるL字型の構えだが、パッキャオの突進に合わせて両腕を上げてガードを固めるので、連打を浴びることはない。
序盤はパッキャオ有利にみえたが、中盤からはブローナーの鋭いカウンターがパッキャオの顔面を度々捉え、ポイントを奪い返す。

しかし、40歳とは思えないスタミナと闘志を見せるパッキャオは怯まず攻勢を続ける。7ラウンドにはブローナーをロープに詰め、激しくコンビネーションを打ち続け、ブローナーにダメージを与えることに成功する。

これはKOもあるかも、という期待に観客がどよめくなかで8ラウンドが始まるが、ブローナーは足をうまく使いつつシャープなジャブと左フックを巧みに使い、パッキャオの突進を阻み、むしろポイントでは優位にこのラウンドをこなす。

パッキャオは左右に動きながらも、基本的には鋭い踏み込みの速さが武器で、ジャブを突きながら瞬間的に相手の懐に飛び込み、連打を叩き込む。それがスタイルだ。
ブローナーは時折左ジャブを飛ばすものの、カウンター狙いに徹しており、パッキャオが踏み込んできたその時を狙って左フックや右ストレートを顔面に当てる作戦。カウンターを当てるのに失敗すれば、即座にガードを固めて連打を避ける。

パッキャオとしてはブローナーを綺麗に倒して次の(残り少ない)ビッグマッチに繋げたい。ブローナーも年齢と時代を飛び越えて眼前に存在するこのレジェンドを倒して、再び表舞台に返り咲きたい。

両者の戦略は最終ラウンドまで崩れることなく、同じような展開が続き、やがてゴングを聞いた。

試合結果

3対0の判定勝利でパッキャオが防衛成功。

KOは逃したものの、パッキャオの体力とパワーはいまだ健在。
果たしてメイウェザーとの世紀の再戦は実現するだろうか。

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