年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、サイコキラーの殺人現場を目撃してしまった女性タクシードライバーを襲う恐怖?を描いたドイツ映画『コールド・キラー』。
やっぱり腕力って大事
猟奇的殺人の犯人を見てしまった女性。当然犯人に狙われる羽目になるわけだが、タクシードライバーをして生計を立てるこの女性、実はムエタイの達人だった。
華奢な体型の女性ながら、膝や肘を多用するムエタイの特徴を十分に活かして、舐めてかかる男たちをあっさり撃退する。普通なら殺人犯につけ狙われる恐怖感を執拗に描くホラーチックなサスペンスになるところだが、本作では彼女がどう犯人を返り討ちにするかが見ものなのだ。序盤こそ不安と恐怖に慄く女性ぽさがあるものの、迎え撃つ決意をしてからの彼女はほんと強い。
やはり武力というか腕力というか、腕っぷしに自信があるほうが何かと安心、そんな結論に簡単にたどり着ける映画だ。
ムエタイ≠キックボクシング
日本ではムエタイとキックボクシングを同一視することが多いけれど、ムエタイには肘打ちや(顔面への)膝蹴りがあり、接近戦に妙がある。
肘打ちは鋭利な刃物のように皮膚を斬り裂けるし、膝蹴りはハンマーのような鈍器の重さと威力がある。
サイコキラー対ムエタイ。ドイツ映画で実現した不思議な対決だが(ヒロインがトルコ人女性であることは、らしいと言えばらしいが)、見応えは十分。先入観を持たず楽しんでほしい一本だ。
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