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ホンダ シビックはグローバルで販売されるホンダの世界戦略車。初代モデルは1972年(昭和47年)にデビューしている歴史と伝統あるコンパクトカーだ。販売台数も多いので取材に行った世界各地で元気に走っているシビックの姿を頻繁に見かけるのである。
さて、ドイツ・オーストリアを訪れたのは7月。1年の中で最高の季節である。取材にはMotor Magazine誌のカメラマンも同行していたので、事前に、ホンダ車を見かけたら撮影してとお願いしていた。そう、移動中の車内からの写真があるのはそういうわけだ。
というわけで、せっかく横に“プロ”が乗っていたので、いつもようなiPhoneやコンデジで撮影した写真ではなく、ドイツ、オーストリアの街並み、アルプスの美しい景色と現地での美味しい食事合わせてプロの写真をお楽しみいただきたい。
ツーリングカーレースでの好成績が人気に火が付いた
いくら走っているシビックが多いとはいえ、さすがに見かけるのは2000年以降に発売されている8世代目、9世代目、そして現行の10世代目が多い。
欧州でシビックに人気があるのは日本に比べハッチバックが好まれるということと、スポーティな雰囲気が好評だからだろう。なにせシビックのスポーツモデル「タイプR」は、2017年4月に行われたドイツ ニュルブルクリンク 北コースでの走行テストでは、FFモデルとして最速となる7分43秒80のラップタイムを記録し、先代タイプRのタイムを7秒近く更新するなど運動性能の高さが証明されているのだ。
また世界一のケンカレースと言われていたWTCC(現在はホンダはWTCRに参戦)といったツーリングカーレースでの活躍などスポーツイメージがとても強い。さらにホンダといえばF1。シビックタイプRの白いボディカラーはなんと「チャンピオンシップホワイト」と名付けられている。ちなみにこれはホンダが1964年にF1グランプリに参戦したときにレーシングマシンに使われていた色と言われている。
だからといってではシビックタイプR人気が突出しているのかといえば、そうではない。さずがにニュルブルクリンクなどのサーキット走行ではシビックタイプRが多いのだが街中は圧倒的にタイプRではない普通のシビックが元気に走り回っているのだ。
ヨーロッパの街並みに違和感なく溶け込む
ところでシビックの9世代目は日本では販売されていない。8世代目の生産終了とともに販売が終了されていたのだ。だからヨーロッパで見かける9世代目シビックはとても新鮮に感じられた。さらに現行型の10世代目からは、販売される地域によって違っていたセダン/ハッチバックのデザインが統一されるようになった。つまり現行型は世界中どこで見ても同じ顔つきとなったということだ。
それにしてもシビック、とくにハッチバックは自然とヨーロッパの街並みに溶け込んでいるように見えた。それが赤いボディカラーであってもである。現行シビックハッチバックにもフレームレッドと呼ばれる赤いボディカラーもラインナップしているが、日本での販売はホワイトとブラックのボディカラーを選ぶ人が圧倒的に多く、この赤を選ぶ人は少ないという。でも、シビックの赤は、ヨーロッパで見ると違和感がまったくないから不思議だ。自然と街に溶け込んでいる。
コンパクトなボディサイズにかっこいいスポーティなデザイン、そしてニュルブルクリンクでの最速実績などヨーロッパでシビックの人気が高い理由は、このあたりにあるのだろう。さて次はどこでどんなホンダ車に会えるのか、楽しみである。