当時は学生だったからお金なんて持ってなくて(今でも大して変わらない)、バイト代からガソリン代を捻出するのが精一杯。だから高速道路なんて殆ど走ったことなかったなぁ。お金がないから、メンテナンスとか修理の真似事をしたりしたおかげで、クルマの基本的な構造なんかは勉強できたっけ。今じゃ手に入りにくい5段のトランスミッションに積み換えたり、キャブレターをバラしてみたり、色々いじっては壊して……当時は今と違って純正パーツに困ることはなかったし、安かったからね。
さらには冬休みに、実家のある札幌まで高校時代の友人2人とその荷物、そしてスパイクタイヤ4本積んで、国道4号線をひたすら青森まで走ってったなんてコトもあったなぁ。そんなZには都合4台ほど乗り継いだんだけど、学校も卒業して徐々に撮影の仕事が増え始めると、移動の距離も伸びるし短時間で移動の必要性もあったりして、360ccの排気量では結構キツくなってきたんだよね。
そんなときにタイミングよく「オレの乗ってるCR-Xを譲ってやるよ」って有り難いコトバを掛けてくれたのが、当時ホリデーオート編集部(モーターマガジン社)に在籍していた田村さん。しかも、金を持ってないボクに「オマエから金を取るワケには行かないから、オレのレースの写真を撮ってくれよ」って。当時、田村サンはS13シルビアで富士フレッシュマンレースに参戦してたから、その写真と引き換えにCR-Xを手に入れたんだ。
あれから27年、こんなに長い付き合いになるとは思いもしなかったなぁ。しかも、こんな距離まで走るなんて、まった想像もしなかったよ。もちろん、ここまで来るには様々なトラブルやらがてんこ盛りなワケで……。そのあたりの話も次回以降に。