連載『ホンダ偏愛主義』。自他共に認めるホンダマニア・元Motor Magazine誌編集部員でフリーランスライターの河原良雄氏が、ホンダを愛するようになった理由を、自身の経験を元に紐解きます。第23回ホンダ偏愛主義は、その後のホンダ流クルマ造りの原点「ライフ」です!(デジタル編集:A Little Honda編集部)

スポーツモデルの設定だ。ライバル勢が最高出力38psだ、40psだとかを出されれば、ホンダとしては黙ってはいられない。1972年4月には2ドアでツインキャブ仕様36ps搭載のツーリングを追加。ホンダZに準じた5速MTを備えていた。1973年8月にマイナーチェンジで当時人気だったシビック風にイメージチェンジ。

4ドアにはスポーツ版ツインまでも用意していた。当然、価格はアップしてシビックと大差なくなり、軽自動車のメリットは薄まる。追い打ちを掛けたのが1973年秋のオイルショックだった。そんなこんなでホンダは1974年秋をもって軽自動車から全面撤退。N360のデビューからわずか7年半、ホンダは引き際も潔かったのである。

かく言う私は80年代前半にライフを2台所有する。共に知り合いからタダ同然で手に入れたのだが、近所まわりの足代わりとしてすこぶる重宝した。もしもに備えて近所の解体屋から中古エンジンを購入、ひとりでトランクに入れて帰って来たことを憶えている。それだけエンジンが軽量だったのだ。今のN-ONEはこのライフの再来と言っていいだろう。

連載「ホンダ偏愛主義」を1から読むならこちらから。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.