今回は、そんなSRを愛する男に現れた恋の機会の話。
オートバイ2018年11月号別冊付録(第84巻第17号)「Late Summer」(東本昌平先生作)より
©東本昌平先生・モーターマガジン社 / デジタル編集:楠雅彦@ロレンス編集部
![画像: 40年目のSR。Photo by Shinobu Matsukawa](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2018/10/04/037eec0087a4e5daf1f8d0cb4441d3c172a6a9d5_xlarge.jpg)
40年目のSR。Photo by Shinobu Matsukawa
夏も終わり、秋めいた風の中、SRにまたがった私は温泉地に向かった
その日私は、紅葉が始まった温泉地に向けて愛車のSRを走らせた。
猛暑が続いた2018年の夏がようやく去り、暑くもなく寒くもない、バイクには最高の季節。私もSRもご機嫌だった。
![画像: 色づき始めた木々の葉を眺めながらゆっくりSRを走らせる。それがこのバイクの良さだと感じながら。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2018/10/04/1ff0e7308566ec62b2d1ecf21f8fabd1ec4c2559_xlarge.jpg)
色づき始めた木々の葉を眺めながらゆっくりSRを走らせる。それがこのバイクの良さだと感じながら。
特に目的地を決めたわけでもない、旅ともツーリングとも言える、気楽な走りを楽しんだ私は、観光地に集まる家族づれやカップルの中で、1人の気儘さを享受しながら、ぼんやりと美しい風景を眺めていた。
![画像: 夏も終わり、秋めいた風の中、SRにまたがった私は温泉地に向かった](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2018/10/04/c54475074878a7f80f6be2a609cf5008021fa9a7_xlarge.jpg)
そのとき、彼女は言った。「SRって、バイクってかんじよね」
そのとき、私は後ろから声をかけられて振りかえった。
ぼうっと風景を楽しんでいると、後ろから「いいわねバイク!」と女性の声が・・
![画像1: 復活したSR。夏の終わりに遅れてきた恋のチャンスにキックは入るか?
〜RIDE「Late Summer」(東本昌平先生)より](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2018/10/04/53e0fda895cdb12f0fbe8d5cf6a8a8080f31f530_xlarge.jpg)
「ツーリングですか!?」
振り返ってみると、ボルドーカラーのジャケットを羽織ったショートカットの女性が微笑みながら、私のSRの横に立っていた。
![画像2: 復活したSR。夏の終わりに遅れてきた恋のチャンスにキックは入るか?
〜RIDE「Late Summer」(東本昌平先生)より](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2018/10/04/49b07032bd3a480b47eaec7bad83f324f6d5ee2d_xlarge.jpg)
ねえ・・・とその女性は私のSRを見ながら「このバイクかわいいよねぇ!」と言った。
「乗るんですか?」と私が訊くと、彼女はSRから目を離さないまま「いえ、これから免許取ろうと思って」と言う。
女性ライダーが増えるのは良いことだ。しかも(表情には努めて出さないように気をつけていたが)目の前の女性は、なかなかに私の好みだったのだ。
車で温泉めぐりに来たという彼女だったが、やがて意を決したような顔で言った。
「後ろに乗せてもらえません?」
チャンス・・・ではあった。しかし。
しかし、私は1人でここまできている。当然予備のヘルメットは持っていなかった。
![画像: そのとき、彼女は言った。「SRって、バイクってかんじよね」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16781465/rc/2018/10/04/d27316dd2b8ba440a2ee8c85c5dc8e90e31b92c6_xlarge.jpg)
さて、SRによって、降って湧いたような好みの女性との邂逅が!
あなたならこのチャンス、どうする??
さて、私は本当はどう答えたか、そしてそのあと彼女との関係は深まったのか、そのままお別れだったのか、夏の終わりの恋はどうなるのか、気になる方はぜひ、本誌で確認してくださいな笑。
大人のバイク乗り、SR乗りのファンタジー、ぜひ楽しんでください。