マシンの進化とともに飛び方も変化!
ひと昔前は、モトクロスのジャンプといえば後輪、もしくは前後輪同時に着地がセオリー・・・と言われた時代がありました。しかし、アメリカのスーパークロスなどで大ジャンプの後の加速が重視されるようになり、前輪から降りて即スロットル全開! みたいな走り方が流行するようになりました。
この辺は、フロントフォークを含むフロントまわりの車体剛性が1970〜1980年代より飛躍的にアップしたことも影響しているのでしょうね・・・。私が普段趣味で乗っているような、1950〜1970年代半ばに生産されたビンテージ・モトクロスの車両ですと、前から落ちるとかなりヒサンなことになりますから(苦笑)。
そして、縮んだサスペンションの力を横に逃がし、無駄なジャンプの飛距離を抑制しつつ、着地後のコーナーへの向き変えを意識した"ウィップ"の流行を経て、ジェームズ・スチュワートが編み出したのが"ババ・スクラブ"というテクニックです。
モトクロスのテクニックにおいて、ババ・スクラブほど革命的なものは存在しない。2002年にジェームズ・スチュワートはわずか16歳で完成させたこのテクニックで、ジャスティン・ビーバーのコンサートを上回るほどの瑞々しさをシーンに持ち込んだ。スチュワートはこのスクラブを含め、常にレーストラック上で派手にアクションを決めていたライダーとして知られている。
環境ビデオのような、静かな美しさを感じさせる映像です
百聞は一見に如かず・・・と書くと、物書きとしての矜持を放棄するみたいですけど(苦笑)、ババ・スクラブのスゴさは、映像を見ていただくのが理解の最短コースであることは否めません。
この、レッドブルの公式YouTubeチャンネルで紹介されている、"ババ・スクラブ"のスローモーション動画ですが、本人による解説と静かなBGMだけの音響なので、まるで環境映像みたいな仕上がりです。その美しいテクニックと、美しい映像を、ぜひお楽しみください。
なお、先日ご紹介したジェームズ・スチュワートのドトウの追い上げ動画も、よろしければ一緒にお楽しみいただければ幸いです。