サテライトのヨハン・ザルコ(ヤマハ)が先頭を引っ張ります!
レースは序盤、レプソルホンダのマルケスとダニ・ペドロサが1-2を形成。そしてサテライトのテック3のザルコが3位。ドヴィツィオーゾは僚友で4位のホルヘ・ロレンソの後方で5位につけます。
その後、ザルコが首位に浮上! 続いてマルケス、ペドロサ、ロレンソ、ドヴィツィオーゾの順で終盤までこの並びが続きました。
レースが動いたのは残り10周を切ってからでした。まずマルケスが首位のザルコをストレートエンドでパスしようと仕掛けますが、オーバーランで順位を大幅に下げます。ここでマルケスがリタイアしたら、ドヴィツィオーゾが優勝すれば逆転チャンプ・・・だったのですが、そうは問屋がおろさない?でした。先頭集団の最後尾の4位でもマルケスは余裕でチャンプ獲得ですから、ここでマルケスが優勝を諦めることで安全運転に徹すれば、要するにドヴィツィオーゾは何をしても逆転不可ともいえる状態なのです・・・。
続いてのハプニングは、3位走行のロレンソの転倒リタイア。そして、なんとドヴィツィオーゾもこれに続いてのコースアウト→転倒でした・・・。これで実質今年のシーズンは決まり・・・となりました。しかしロレンソと異なり、ドヴィツィオーゾは再スタート。ただ、その後すんなりとピットインしてリタイア・・・最後まで走りきる気力は、すでにドヴィツィオーゾには残っていなかったのかもしれませんね。
ドゥカティチームの面々が、リタイアしたドヴィツィオーゾを慰める光景がピットで繰り広げられますが、コース上ではザルコとペドロサの激しい首位争いが続きました。そして最終周でついにペドロサがザルコをパス! そのままリードを守り、チャンピオンのつゆ払い役としては最高の仕事を成し遂げて優勝! プライベーターながらこのレースでも大奮闘したザルコは残念ながら2位。そして3位には悠々マルケスが入り、チャンピオンとしてのウィニングランを披露しました。
マルケスの黄金時代が到来か? 来期のMotoGPを楽しみにしましょう!
今年はヤマハに新規加入のマーベリック・ビニャーレスが打倒マルケス! の一番手になるのか・・・を予想させた序盤でしたが、ヤマハワークスは途中から失速し、すっかり蚊帳の外という雰囲気になってしまいました。そして、ドゥカティチームの大躍進で、昨年まで2勝しかしていないドヴィツィオーゾが大活躍し、最終戦までタイトル争いを盛り上げてくれました(パチパチ←拍手の音)。
今年、MotoGPルーキー年からの優勝記録が途絶えたロレンソも、初年度のドゥカティで予想外の速さを後半戦は魅せてくれました。ともあれ、ホンダ勢はマルケスの強さばかりが目立ったのが気になりますけど、マルケスが健在な限りはホンダのタイトル争いの上での優位は安泰と思えるほど、その強さに磨きがかかったような印象のシーズンでした。
来期のMotoGPもやはりマルケス中心になりそうですけど、ライバルたちの奮起を期待したいですね。オフシーズン合同テストが始まるまでは、しばし来期の戦力予想を妄想して楽しむことにしましょう!
MotoGP バレンシア 決勝
1 25 26 D.ペドロサ SPA Repsol Honda Team Honda 156.2 46'08.125
2 20 5 J.ザルコ FRA Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 156.2 +0.337
3 16 93 M.マルケス SPA Repsol Honda Team Honda 155.6 +10.861
4 13 42 A.リンス SPA Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 155.4 +13.567
5 11 46 V.ロッシ ITA Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 155.4 +13.817
6 10 29 A.イアンノーネ ITA Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 155.4 +14.516
MotoGP 2017 最終ランキング
1 M.マルケス Honda SPA 298
2 A.ドヴィツィオーゾ Ducati ITA 261
3 M.ビニャーレス Yamaha SPA 230
4 D.ペドロサ Honda SPA 210
5 V.ロッシ Yamaha ITA 208
6 J.ザルコ Yamaha FRA 174
7 J.ロレンソ Ducati SPA 137
8 D.ペトルッチ Ducati ITA 124
9 C.クラッチロー Honda GBR 112
10 J.フォルガー Yamaha GER 84