トーマスイチオシのお姉さん、鼓田ミナレさんに会えるってことですよ。
沙村広明先生の大傑作、「波よ聞いてくれ」の最新刊(第4巻)が、本屋さんでもAmazon(Kindle含む)でも発売中なんですよ。
超一流コミック雑誌「アフタヌーン」連載中の『波よ聞いてくれ』
黙ってれば超美人なのに、私生活はちょっとだらしないというか、遅刻はするし、大酔っ払いする、ちょっと危なっかしいお姉さん。26歳にして、中身はまるで桃井かおりさん(?)のような姉サンが主人公の鼓田ミナレさんなんです。超絶に滑舌がよくて、実にスラスラと三谷幸喜監督作品のヒロインみたいなキレキレの啖呵を決めてくれる彼女に、トーマス惚れきっちゃってるんです。
そのずば抜けたトーク能力を買われて北海道のローカルラジオ局のパーソナリティに抜擢され、深夜とはいえ冠番組を持たされたミナレさんの、抱腹絶倒悪戦苦闘のお話が、本作の基本ストーリーとなります。しかし、物語の流れとか筋なんかよりも、とにかくミナレさんのキャラが愉快。
いつもいつも、キレたトークが炸裂するのがほんとおもろいんです。
例えば、鈍感な男(ミナレさんの本業?であるカレー屋さんの同僚。ミナレさんに恋してる)が、明らかに彼に惚れているもう一人の女性がなんだか情緒不安定であることを、ミナレさんに相談するんですが、それに対して返すミナレさんの切口上が最強。
「アンタは基本的な部分で色々わたってなさそうだから先に言っておくけど」とまずミナレさん。 「女が情緒不安定になるのは自分が執着してる相手にだけ」
アンタの事どーでもいいと思ってる女はアンタがどんな無神経なことを言おうが、泣きも怒りもしないから。ただただ距離をおいて、後で友達にボロカスに脚色して話すだけ。これは「女の生態」一年生の授業内容です。ー最新刊(4巻)第31話「あなたを追って行きたい」P146より
沙村先生って、ほんとは女なんじゃないか?と勘ぐりたくなるくらい、真実をグリッとえぐったセリフでしょ??
こんな調子で、ミナレさんのトークにどっぷり身を浸していくのが、本作の正しい読み方なんです、誰がなんと言おうとも!
今すぐトーマスに追いついてください!ミナレさんを愛してください!
さあ、皆よ買ってくれ、読みなよ信じてくれ、波よ聞いてくれ、なんです。
というわけで最新刊の第4巻が発売されたわけなんですが、彼女がどういった経緯でラジオで冠番組を持つに至るかは、是非是非前の記事をお読みくださいませ。
ミナレさん以外にも、一癖も二癖もある男女がじゃんじゃん登場して、とにかく一シーンごとに絶対に飽きさせないので、ほんと何度でも読んじゃいますよ。
繰り返しますけど、ストーリーはある意味どうでもいいんです、ミナレさんの魅力、その他の登場人物との絶妙な絡みに、とにかく浸ってください。
大人の、大人のための、大人によるファンタジーなんです。
あ、立ち読みなんてダメですよ、必ず買って、じっくり何度も読みましょうね。