2011年から米国を主戦場として孤独な戦いを続けてきた、亀海喜寛選手が、2017年8月27日(日本時間)、33戦目にして(米国では9戦目)ようやく世界タイトルマッチにこぎつけた。場所は米国カリフォルニア。
相手は、正真正銘の世界のビッグネームの一人、ミゲール・コット。4階級制覇を果たし、パッキャオ、カルロ・アルバレス、メイウェザーなど超一流のスーパースターたちと戦ってきた古参の強豪だ。

タイトルマッチの背景

レジェンド中のレジェンドとの大試合のチャンスを得た亀海。
海外でのタイトルマッチで、日本人がこれだけのビッグネームの相手に選ばれるのは初めてのことだ。

ミゲール・コット(プエルトリコ)は36歳、亀海(帝拳ジム)は34歳。最近のボクサーは選手寿命が伸びていて、世界王者クラスでも30歳を超える選手が非常に多くなっている。
とはいえ、コットは2015年11月以来の試合であり、年内に引退する方向で、年末に最後のビッグマッチを計画をしているという。逆に言えば、コット陣営からすると亀海戦は、そのビッグマッチへの消化試合と考えている、ということだろう。
しかし、亀海は175cm、コットは公称170cm(実際にはもう少し小さいと思われる・・・)と体格面では亀海が上回っており、コットがこれまで体力的に勝る相手に苦戦する傾向があることから、亀海の勝利を期待する声も少なくなかった。

試合の展開・・

第1Rこそ優勢に進めた亀海だったが、2R以降は攻勢を見せて追い回すもののコットの巧さに幻惑されて、体格差をうまく使えない。コットも亀海のプレッシャーに疲れは見せるが、的確にパンチを当て、ポイントを稼ぐ。

テクニシャンとも称される亀海だが、技術的にはやはりコットが上。体力を生かして追いまくり、パワーで相手を消耗させてから終盤に勝負をかける他ないという下馬評だったが、そのままの展開が進む。ただ、中盤まで進んでも、コットの細かい手数に削られていくのは亀海のほうだ。

ただ、それ自体計算には織り込み済みであり、とにかく自分の体力が続く限り距離を潰して、体格差を利しての相手を疲れさせていく作戦には変わりなく、亀海はひたすら攻め続ける。ハートのタフさと意志の強さだけが亀海の武器であり、次の興行を計算して戦うコットを上回る唯一の可能性だからだ。不細工でもいいから、しつこく粘っこく攻めて疲れさせるしかない。

とは言え、コットはうまく足を使い、速い連打を的確に当てながら亀海の圧力を空回りさせる。同じ展開が続き、デジャブを見ているかのようなラウンドが続いていく。

試合結果:3対0の判定でミゲール・コットの勝利

亀海の闘志は途切れなかったものの、残念ながらコットの牙城は崩せず、老練なテクニックと試合運びに亀海の圧力は完封され、最後まで良いところを見せることができずに終わった。

終わってみれば、華麗な闘牛士のようなミゲール・コットの完全勝利。
WBO世界S・ウェルター級タイトルのベルトはコットの腰に巻かれた。

コットの戦績は、これで46戦41勝(33KO)5敗。
亀海は33戦27勝(24KO)4敗2分。

画像: ミゲール・コット(Miguel Angel Cotto Vázquez、1980年10月29日 - )はプエルトリコのプロボクサー。プロビデンス出身。元WBO世界スーパーライト級王者。元WBA世界ウェルター級王者。 ja.wikipedia.org

ミゲール・コット(Miguel Angel Cotto Vázquez、1980年10月29日 - )はプエルトリコのプロボクサー。プロビデンス出身。元WBO世界スーパーライト級王者。元WBA世界ウェルター級王者。

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