僕は月に1-2度は週末のランチを築地でとることを習慣にしている。
近い、ということもあるし、毎週必ずZIIに乗るようにしていて、都内をぐるりと回るそのルーティンの前後にランチをとるのに都合がいい、ということもある。そして、築地に来ると決まってZIIを見た誰かに声をかけられる。

これぞカワサキだな。

今日はランチを終えて1時間ほど首都高を走ろうかと(期限切れが近かったETCカードも変えたし)、ZIIを前に身支度をしていると、半袖にバミューダショーツ、首からカメラを提げて、それに野球帽を被ったオーストラリア人らしき初老の白人(喋ってみるとオーストラリア訛りはなく、恐らくはアメリカ人なのだろうと思えた)が、それは君のバイクかい?と話しかけてきた。

そうだと答えると、近寄ってきて、ZIIの周りをぐるりと回ってから嬉しそうに「いいバイクだ」と笑った。

40年前のオールドバイクですよと答えると、彼は「古いカワサキはいいよな」と言った。タンクを指差すと、こういう丸みのあるタンクが好きなんだ、と続ける。「これぞカワサキだよな」と彼は言った。今のバイクはみんな角ばっているけど、私は丸いのが好きなんだよ、と彼は続け、にっこりとした。

画像: これぞカワサキだな。

オートバイに乗る理由を再確認

首からカメラをぶら下げているわけだし、スナップでも撮らせてくれというかなと、思っていたが、彼はそのまま「じゃあ、気をつけてな」と笑顔で手を振ると、そのまま立ち去った。ちょっと拍子抜けしながら僕は、彼の後ろ姿を見送った。

心中期待したような結果にはならなかったが、何気無い人とのふれあいのきっかけができるということは、古いバイクに乗るということの大きな楽しみの一つである。

「このクルマ、君の?」とはなかなか声をかけられない(かけづらい)気がするが、それはオートバイとクルマとは道ゆく人との距離感が違うからだろう。

車は快適面でも性能面でもバイクを凌ぐ。しかしこうしたエモーショナルな領域においては、やはりその距離感がモノを言う。そして乗る者もその姿を眺める者にも、心奮わせる魅力があるからこそ、快適でもなく便利でもないこの不完全な乗り物に強く惹かれるのである。

This article is a sponsored article by
''.