とにかく「250ccも顔負け」と噂のジクサーですが、本当に150ccの1台だけでバイクライフは満喫できるのでしょうか? 特にツーリングだと、さすがに150ccはキツいんじゃ…と思いますが、実際やってみたら快適さがヤバかったんです。しかも、燃費がスゴすぎて唖然です……

150ccで全部満足……なんて、簡単には信じられないですからね!

画像: ジクサーで「東京ライフ」なイメージ図(笑) ベタすぎですみません……

ジクサーで「東京ライフ」なイメージ図(笑) ベタすぎですみません……

さぁさぁ皆さん、徐々にあたたかくなってきましたよ! 春も目前。こうなるとオートバイ乗りとしては俄然ウキウキしますよネ。今回はそんなウキウキ気分の勢いで、スズキのジクサーを乗り倒してみました。はじめて乗った時は「150ccなのに、スゴい!」って思いましたけど、半日乗っただけじゃ本当のところはわからないっていうもの。バリバリ乗って、ホントのところをぶっちゃけます!

街乗りはさすがの強さ! ストリートはジクサーの独壇場です。

ボディは250cc並みに大きいジクサーですが、車両重量は燃料満タンでもたったの135kg。女性でもラクラクです。それで154ccですからね。わかっていたことですが、街乗りは最高です。しかも、街中ではよくある「エンジンを切って押して歩く」のが恐ろしく軽い……重たい大排気量バイクに慣れたライダーには、この気軽さは脅威です(笑)はっきり申し上げますが、休日のチョイ乗りなどは無敵ですね。

画像: 「天気が良いから、軽く走ってこようかな」って思える気軽さは、ジクサーの最大の魅力のひとつだと思います。カジュアルに街でバイクが楽しめます!

「天気が良いから、軽く走ってこようかな」って思える気軽さは、ジクサーの最大の魅力のひとつだと思います。カジュアルに街でバイクが楽しめます!

毎日の通勤に使うとしたら……?

ところでわたくし、東京都の郊外在住ですがサラリーマンの聖地・新橋に勤務しており、通勤の片道は約35kmあります。雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、だいたいバイク通勤です。往復70kmは既に「毎日が軽いツーリング」状態ですが、150ccだから高速道路にも乗れるジクサーはイイですね。速いし便利。通勤ラッシュも狭い路地もクルクルと縦横無尽です。普段は250ccオフロード車で通勤してますけれど、ジクサーのほうが足着きが良いし、充分に速いし、疲れません。う、ボクの愛車……負けたかも。

『見せてもらおうか、スズキのジクサーの「性能」とやらを……』

街乗りはそりゃまぁ、便利だろうし楽しいと思ってましたよ。でもここからが今回の「ジクサー1台で何でもできるか?」テストの本番です。フッ……最高出力14馬力程度で、このオレ様を満足させることができるかな?

「見せてもらおうか、スズキのジクサーの性能とやらを……」

画像: ハンドリングが鋭い! こういうバイクを自在に活かせるようになったら「上手いライダー」に成長できると思います。

ハンドリングが鋭い! こういうバイクを自在に活かせるようになったら「上手いライダー」に成長できると思います。

うわあ……コーナーが超オモシロい!?

大人気ない話ですが、スミマセン全力でした。全力でも大排気量車のように、とんでもないスピードにならないので安心ですが……それにしても14馬力を使い切るって、奥が深いですね。パワーでごまかしが効かないから扱いは繊細に、でも加速は大胆に。ハンドリングはクイックさもあり、何回かに1回、うまくキマると車体がパタッと寝て、キレッキレに鋭く曲がっていくんです。

その瞬間が、 すんごい気持ちいい!

ビッグバイクとは違う種類の快感です。ジクサーは「ライダーを育てるバイク」だなと感じました。20年近くバイクに乗っていますけれど、150ccの走りって新鮮ですね。ビギナーにも玄人にも、これは自信を持っておすすめしたいと思います。

最終試験はツーリング。行けるとこまで行ってみよう!

150ccという排気量がいちばん苦しいと思われるシーンはツーリングでしょう。ちなみにわたくし、自称・ロレンス編集部イチのツーリング・クレイジーですので、ツーリングが快適でないバイクにはハートが燃えません。大排気量バイクって、長距離のラクさではやっぱり有利じゃないですか。個人的にはビッグバイクは速さのためじゃなく、ツーリングの快適さのために乗るものだとすら思っています。

じゃあ、ジクサーはどうだ? とりあえず目的地は決めずに、東名高速に乗ってひたすら西へGO!

画像: 東京・新橋から東名高速に乗ってひたすら西へ。御殿場の上り坂でも巡航100km/hをキープできました。

東京・新橋から東名高速に乗ってひたすら西へ。御殿場の上り坂でも巡航100km/hをキープできました。

巡航速度はトップギア5速で100km/hくらい。エンジン回転数は7250回転です。レッドゾーンが9500回転ですから、けっこう回ってますね。でも苦しい感じは特にありません。そこからスロットルを開け足せば、メーター読みで110km/hは普通に超え、120km/hも余裕で出そうな勢いです。遅いクルマの追い越しも余裕でした。速いな、このエンジン!?

でも150ccだし、高速道路は1時間くらい飽きるかもな……と思っていましたが……

画像: 東京を出て、はじめて休憩した由比のパーキングエリア。ここは海際なので気持ちよくてお気に入り。ライダーはこういうとき、缶コーヒーに温もりを求める人種だと思っています。

東京を出て、はじめて休憩した由比のパーキングエリア。ここは海際なので気持ちよくてお気に入り。ライダーはこういうとき、缶コーヒーに温もりを求める人種だと思っています。

ぶっ続けで150km以上走っても、特に疲れません(笑)

あれぇ……150ccって、こんなにラクなもんだっけ? 普通に巡航100km/hで走るのが実にイイ感じ。ブレずに真っ直ぐ、安定して走ります。別にまだまだ走れたんですが、個人的に由比PAが好きなので、ひと休み。東京からノンストップで150km以上、普通に走ってしまいました。高速道路が予想以上に疲れません。走らせることに飽きないバイクです。

でも、そろそろ目的地を決めないと! ヤバい……このままでは名古屋を越えてしまう(笑)

画像: ぶっ続けで150km以上走っても、特に疲れません(笑)

ということで、相良牧之原インターで高速を降りました。目的地は御前崎に決定です。ボクにはツーリングに出ると、どうしても半島の先端とかを目指す癖があります。

それにしても……ちょっと走りすぎたかも……(汗)

150ccでいきなり片道200kmコースのツーリングとか、普通しないですよネェ……やりすぎたか。まぁ『ジクサーはここまでできる!』っていう、目安のひとつとして、笑って見守ってやってください。でも本当に、250ccクラスと同じレベルで高速道路が快適だったんです。そうじゃなきゃ、こんなに遠くまで走れませんから!

画像: ジクサーの燃料タンク容量は12L。右側の燃料計と距離に注目してください。この2倍は走るってことになると、一体どこまで行けるんだ?

ジクサーの燃料タンク容量は12L。右側の燃料計と距離に注目してください。この2倍は走るってことになると、一体どこまで行けるんだ?

しかしジクサーは燃料が減りませんね。走り始めて106kmで、ようやくひと目盛り減って逆に安心しました。燃料計が壊れているのか?と疑いたくなるほどです(笑)ちなみに燃料計のふた目盛りめが減ったのは220kmを超えてからでした。ほとんど高速道路で7000回転以上、エンジンを回し続けていたから燃費にはむしろ悪影響だったはずなのに……本気かよっ!?

150ccでこんなに遠くへきたのは、人生初です。

画像1: 150ccでこんなに遠くへきたのは、人生初です。

高速道路を降りちゃえば、排気量なんてあんまり関係ありませんからね。むしろ軽いほうがありがたい。爽快にワインディングを抜けて、御前崎の海岸線へ至ります。この時の気分をひと事でいうと「ヒャッハー!」です。まさか150ccで東京から御前崎まで来るとは思っていませんでした。なんか嬉しくなっちゃいました!

寄り道を含めて、片道約250km。ボクはツーリングが大好きですけれど、150ccでこんなに遠くまで走ったことは過去にありません。自己ベスト更新! しかも、まだけっこう体力に余裕があるんです。

画像2: 150ccでこんなに遠くへきたのは、人生初です。

そして、御前崎灯台に到着して驚いた「想像の3倍くらい快適だった」ということ。

ボクは脳内で旅スイッチがONになると、どこまでも走れる気がするタイプなのですが、そういう変わった人種でなくても、これくらいの距離は「余裕の日帰りコース」で楽しめると思います。つまりジクサーは、旅バイクとしても、あなどれない領域にあるってことですね。

画像3: 150ccでこんなに遠くへきたのは、人生初です。

夕日を背負って海岸線を北上。御前崎を後にします。ツーリングは片道じゃ終わりません。自宅に帰るまでがツーリングです。帰り道の余力を残すことも旅ライダーにとっては大事なこと。そして、疲れている帰り道にこそ、バイクの快適さの真価が問われます。

超酷使したにも関わらず、リッターあたり約40km以上の好燃費って!?

画像1: 超酷使したにも関わらず、リッターあたり約40km以上の好燃費って!?

360kmを超えたあたりで、燃料計が(やっと)残りひと目盛りになり、点滅をはじめました。ちょっとガス欠の不安を感じつつ、45km先の次のサービスエリアまでがんばります。なんとか無事に富士川SAに到着してガソリンスタンドへ。レギュラー10.2Lでした。ええっ!? また2リッター弱も残ってたってこと?

画像2: 超酷使したにも関わらず、リッターあたり約40km以上の好燃費って!?

この時の走行距離は404km。ざっとリッターあたり40kmは走ってます。ちなみに今日は行程の8割が高速道路で100km/h巡航。前述したとおり7000回転以上でエンジンを回しっぱなしだったので、燃費にはむしろ悪い走りかただったはずです。それなのに、この燃費の良さは驚異的。これなら走り方によっては、航続距離500kmオーバーも余裕でクリアできるでしょうね。

ジクサーはパワフルなのに、ものすごい燃費性能なのでした。スゲェな、このエンジン。

信じられないかもしれないですが、事実として。

画像: 信じられないかもしれないですが、事実として。

ジクサーはツーリングもできます。できるどころか、ロングツーリングも楽しめますね。ツーリングにあまり出かけない人でも、日帰りで高速道路メインなら往復400km以内、一般道メインなら300km以内なら安全に、余裕で楽しめると思います。ちなみにボクは、トータル540kmほど走りましたが、これは日帰りとしては走りすぎかもしれません(笑)

そして、先に言ったとおり街乗りは無敵。ワインディングだってエキサイティングな走りが楽しめました。

『150ccのジクサー1台で、バイクライフを満喫できるか?』

ちょっと信じられないかもしれませんが、こうなるとボクは、実体験として“YES”と答えるしかありません。

ジクサーは新車32万円(税込)前後と破格に身近な存在ですが、その先には、決してお金では買えない経験が待っています。ひとりでも多くの人に、バイクの楽しさを知ってほしい。こういうバイクを生み出してくれたスズキさんに、ありがとう!

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