2017年度のSBK=スーパーバイク世界選手権シーズンの幕開けを告げる第1戦オーストラリアラウンドは、2月25日〜26日にフィリップ・アイランド・サーキットで開催されました。開幕戦で表彰台獲得するなど活躍した、Aruba.it Racing・・・ドゥカティのファクトリーチームのチャズ・デイビスとマルコ・メランドリのコメントが届いたので、ご紹介いたします。

レース1はデイビスが2位。メランドリは残念ながらリタイア・・・

土曜日のレース1では、3、4番グリッドについたメランドリとデイビス。二人とも絶好のスタートを切り、先頭グループでバトルを展開。フィリップ・アイランドは、名勝負を演出するサーキットとして知られており、この日は7名のライダーが接戦を繰り広げました。ライバルと激しくラインを争ったメランドリは、ターン2でコースアウト。一方、デイビスは、終盤まで我慢の走りに終始しながらも果敢にアタック。しかし0.042秒届かず、2位でフィニッシュラインを通過しています。

画像: #7とチャズ・デイビスと#33のマルコ・メランドリ。メランドリはヤマハのアレックス・ローズのアタックが原因でコースアウトしてしまった・・・とレース1後に語っています。

#7とチャズ・デイビスと#33のマルコ・メランドリ。メランドリはヤマハのアレックス・ローズのアタックが原因でコースアウトしてしまった・・・とレース1後に語っています。

チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – 2位
「今日のロングディスタンス走行で一歩前進することができた。レースは待ちのゲームとなったが、フィリップ・アイランドではよくある展開だ。タイヤをいたわりつつ、逸る気持ちを抑えて走行した。しかしファンには、エキサイティングなショーを見せられたと思う。あまりバトルに囚われないようにしながら、周囲の出方に合わせて反応する戦術を採った。あと少しで勝てるところだったが、ストレートではまだ何かが足りない。オーバーテイクはできたものの、それはフィニッシュラインを通過してからだった。何か別のことをする必要がある。今日は失うポイントを最小限に抑えるレースをしたが、こういう展開に持ち込むのは今回が初めてだった。いずれにせろ、今シーズンはポイントのロスを最小限にしようと思っている。その上で得意のサーキットに臨みたい。今は明日のレース2が待ち遠しい」

マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) – リタイア
「レースはスローペースだったので、トップグループにも大勢のライダーがいた。終盤までタイヤをセーブして、タイミングを見てJ.レイ(カワサキ)やC.デイビスを引き離そうと思っていた。ターン1でA.ローズ(ヤマハ)をオーバーテイクしたのは良かったが、その後ではらんでしまった。ローズがいつもより早めに方向を変えてきて、不意に僕の前に出てきた。一瞬、フロントグリップを失って立て直そうとしたが、コースアウトしてしまった。実戦から遠ざかっていたので、このような集団バトルが自分の弱みになることは予想していた。今日は途中までうまく行っていたが、この様な出張終わり方をする時もある。ガッカリしたが、僕らのポテンシャルを考えればやり返す自信はある。今日1日で多くを学ぶことが出来た。明日は4列目からのスタートとなるが、今日と違うレースを見せたい」

アーネスト・マリネッリ(スーパーバイク・プロジェクト・ディレクター)
「どこか奇妙なレースだった。トップライダー全員がタイヤ摩耗を心配して、揃って守りの走りをしていた。ほとんど差がない状態だった。こういう展開では、最後の最後まで目が離せない。チャズが優勝まであと一歩に迫ったことは嬉しいが、同じチャンスがあったはずのマルコが接触してその機会を失ったことが残念だ。ふたりとも勝てるポテンシャルを示してくれた。レース2に向けてマシンを進歩させられるようハードワークを続けたい」

レース2では二人揃って表彰台獲得!

今季からグリッド・レギュレーションが変わったため、日曜日のレース2のスタート位置はレース1の結果を受けて、デイビスが8番手、メランドリが10番手。ともに戦略的な走りを展開し、徐々に、しかし確実にポジションをアップ。デイビスはレイにプレッシャーをかけ続けたものの、メランドリは序盤のクラッシュで一時的にトップ10圏外まで順位を落とす場面も・・・。しかし、その後のメランドリはスーパーラップを連発して一気に挽回。その間にレース2のファステスト・ラップとなる1分31秒178をマーク。終盤、5名からなるトップグループで走行したデイビスとメランドリは、ともにレースリーダーとなることもあったが、最終的に2位と3位でチェッカー。Aruba.it Racing - Ducatiチームにダブル表彰台をもたらしました。

画像: レース2の表彰台。チームのエースとして活躍するC.デイビス(左)ですが、新加入のM.メランドリもデイビスに引けを取らない速さを示しています。ダブル・エース体制・・・と今年のAruba.it Racingは言えるのかもしれませんね。ともあれ、昨年度よりチーム力は大幅にアップしている印象です。

レース2の表彰台。チームのエースとして活躍するC.デイビス(左)ですが、新加入のM.メランドリもデイビスに引けを取らない速さを示しています。ダブル・エース体制・・・と今年のAruba.it Racingは言えるのかもしれませんね。ともあれ、昨年度よりチーム力は大幅にアップしている印象です。

チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – 2位
「昨日より気温が高く、レース・マネージメントがちょっと難しかった。現時点では、まだグラスは半分しか満たされていない、というべきだろう。昨日とは違うアプローチを採用したものの、フィリップ・アイランドではライバルに数台分の遅れを取り、フィニッシュラインを通過する前にレイをオーバーテイクできなかった。ただ、大局を見れば非常にポジティブな結果だった。勝てるレースをふたつ落としたのだから意気消沈してしまっても不思議ではないが、これまでの結果を振り返ってみてもこのサーキットはドゥカティ向きではない。過去、僕自身も貴重なポイントを取り損ねた記憶ばかりが残っている。しかし、今年は2レースとも2位でフィニッシュできた。今後に向けて基礎固めができた」

マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) – 3位
「かなり忙しいレースだった。スタートは良かったが、トラフィックのせいでポジションを落とした。それからは自分自身にもタイヤにも厳しい走りをせざるを得なくなった。とにかく全体のリズムをコントロールしようと考えて首位に立ったが、あの作戦は正しくなかった。残り3周時点でレイとデイビスがプッシュした。僕はすでにタイヤのグリップを失っていて、反応できなかった。マシンの改良ポイントを理解するにはしっかりとレースを完走するしかない。いずれにしても、チーム全体が正しい方向に向かっているからこそ、表彰台に立てたのだと思う」

ステファノ・チェッコーニ(Aruba S.p.A.最高経営責任者兼チーム代表)
「2レースともに非常に戦術的な展開だった。勝敗を分けたのは、わずか1,000分の数秒に過ぎなかった。チャズもマルコも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。チームが非常に高いレベルにあることも確認できた。ポテンシャルがわかって嬉しいが、余計に勝利したいところだった。第2戦の舞台となるタイ・ブリーラムは、これまでドゥカティとは相性が良くなかったが、その分、我々の今後を占う良い機会になるだろう」

開幕戦の2レース両方を2位でフィニッシュしたデイビスは、連勝のJ.レイに続くライダー部門2位(40ポイント)。一方メランドリは7位につけています(16ポイント)。SBKの第2戦タイ・ラウンドは、3月10日〜12日にブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されます。チーム代表のS.チェッコーニのコメントどおり、タイはドゥカティ勢にはあまり相性の良くないコースですが、カワサキやヤマハファクトリー相手に彼らがどのような戦いをみせるか、注目しましょう!

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