2017年1月29日、テニス界の生ける伝説ロジャー・フェデラー(スイス)が 全豪オープンの決勝で、宿敵ラファエル・ナダル(スペイン)にフルセットで勝利し、35歳にして自らが持つ4大大会の歴代最多優勝記録を更新(18勝目)したことは記憶に新しい。
全豪での優勝は7年ぶり5度目。4大大会制覇は2012年のウィンブルドン優勝以来のことだ。
全豪での優勝は7年ぶり5度目。4大大会制覇は2012年のウィンブルドン優勝以来のことだ。
積み上げた実績と習得した技術に甘んじない謙虚さを持つフェデラー
加齢による体力や集中力の衰えを感じたとき、あるいはその結果若手の台頭を抑えられなくなったとき、多くのアスリートは引退を選ぶ。しかしフェデラーは磨き上げてきたそれまでのテクニックやスタイルを捨てて、自分たちを脅かす若手プレイヤーたちの新たな技術や戦法を取り入れる謙虚さを見せた。
今回の全豪の決勝では、自分と同じくすでにピークは過ぎたと言われてきたナダルとの、いわばレジェンド同士の名人戦になったわけだが、勝利を得た後で好敵手を讃え「テニスは引き分けのないスポーツだけど、分かち合えるものなら君(ナダル)と分け合いたいとさえ思った」と語るなど、ファンの心を痺れさせる紳士的な物腰は、そのプレイと同様に史上最高プレイヤーと呼ばれるにふさわしい。
時の流れに抗う天才を讃え、目標としよう
どんな名プレイヤーでもいつかはその輝きを失う。
しかし、その時を決めるのは他者ではなく自分自身だ。容赦なく過ぎていく時間と時代の流れに抗い、前線で戦い続けようとする意思を持ち続ける限り、我々は現役であり続けられる。
フェデラーの全豪優勝は、すべての闘う男たちにとって、まばゆいばかりの目標であり支えとなる偉業である。
リスクを恐れず、世間の風当たりにもひるまず、信念をもって前に進む男たち。同時に、ストイックなだけでなく、人生を楽しみ 快活に笑い、欲望や野心を隠さないが爽やかさを失わないイイ男たち。彼らをロレンスMENと呼び、不定期に紹介していく。
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