勿体ぶっていた訳ではありませんが、そろそろ恐竜学の歴史の基礎中の基礎、
「コープとマーシュの化石戦争」は、何故起こったのか書きましょう。
絵本を読む感じで読んでくださいね!
メインの登場人物紹介
・コープ(Edward Drinker Cope)
聡明で厳格な天才タイプ。財力あり。
プライドは高い。
・マーシュ(Othniel Charles Marsh)
落ち着きがあり堅実タイプ。
富豪の叔父から金銭的援助を受ける。
プライドは高い。コープより9歳年上。
物語
19世紀の終わり頃の事。
コープとマーシュは元々は仲が良く、性格は正反対でしたが化石を発見すると即論文にするというところは同じでした。
良いライバル関係の二人はどんどん論文を発表していき、新しい恐竜がどんどん増えました。
しかしマーシュが、コープの元で働いていた化石コレクターの引き抜きをしました。
引き抜かれた化石コレクターは、当然マーシュに化石を送るようになり、その頃から二人の仲は険悪になりだしました。
ある日、コープはマーシュに、海生爬虫類のプレシオサウリア類(海にいる首長竜の仲間で、恐竜ではない。)の復元画を見せました。
マーシュは、その復元画がなんとなくおかしいとは思っていましたが、その時は何も言いませんでした。
やがて 、それをコープは、
Transactions of the American Philosophical Society誌に発表しました。
その掲載誌をみて、マーシュはやっと 気付きました、
なぜそのプレシオサウリア類がおかしいと思ったのか!
プレシオサウリア類の復元を良く見てみると、、、頭骨がしっぽの先に付いていたのです!!
つまり、脊柱が前後逆に復元されていたわけです。
マーシュはそれを指摘しました。
「ププッー!おいおい、頭がしっぽについてるよ。」(セリフはイメージ)
コープはイラッとし、論文の過ちを認めたくないが為に、発行された掲載誌全てを回収しようとしました。
ですが、マーシュは自分が持っている掲載誌は手放しませんでした。
腹を立てたコープは今度は マーシュのあら探しを始め 、マーシュもまたコープのあら探しを、、、
というふうに二人の仲は どんどん 悪くなりました。
スパイ活動したり、襲撃したり、相手の発見を自分のものにしようとしたり、堀残しを相手に化石を奪われないよう爆破したり、、、
化石収集部隊も身を守るために武装までしたりと、これではもう戦争です。
これが、Bone Wars。
「化石戦争」の物語です。
化石戦争は起きましたが、
二人がこれほどまでに競っていたおかげで、大量の化石が発掘され、たくさんの恐竜、古生物が 世に知られることになったわけです 。
そんな二人に拍手!!