BMWクラブジャパン恒例イベントを取材した。今回は、55年以上も前の
BMW3200Sを運転するというとても貴重な経験もできた。

画像: ともにV8エンジンを搭載する現行BMW750iとBMW3200S。この2台で八ヶ岳周辺を30分ほどハンドルを握ってドライブした。

ともにV8エンジンを搭載する現行BMW750iとBMW3200S。この2台で八ヶ岳周辺を30分ほどハンドルを握ってドライブした。

恒例となったBMWクラブジャパンが主催する最大のイベント「BMW DAY 2016“Join us 17th”」が今年も八ヶ岳ロイヤルホテルで開催された。本誌は、一昨年、昨年に続き3年連続の取材だったが、今回は、BMW創立100周年を記念して「THE NEXT 100 YEARS」をテーマに、2輪のクラブ「BMWモトラッドクラブジャパン」とジョイントしたイベントとなっていた。

画像: 試乗できたBMW3200Sのインパネ。とても55年以上も前のクルマだとは思えない美しい状態に保たれていた。

試乗できたBMW3200Sのインパネ。とても55年以上も前のクルマだとは思えない美しい状態に保たれていた。

画像: 3200Sのリアシートにも座った。そこはまるで高級ホテルのソファーのような座り心地だった。

3200Sのリアシートにも座った。そこはまるで高級ホテルのソファーのような座り心地だった。

例年より少し早い開催の10月29-30日は、全国から集まるクラブ員同士の親交が深まった2日間になった。中には長い時間をかけて“BMW Mカラー(それも3D)”のネイルをしてきた女性会員も見られるなど、この日を楽しみにしていた人も多く、さらに夫婦、家族で来た人たちもさまざまなプログラムに笑顔で参加していたのが印象的だった。

画像: 毎回、BMWやMカラーのネイルで楽しませてくれる女性クラブ員。今年はなんと3Dという気合いの入りよう。

毎回、BMWやMカラーのネイルで楽しませてくれる女性クラブ員。今年はなんと3Dという気合いの入りよう。

人気だったのは、自動車ジャーナリスト菰田 潔氏の「プライベート ドライビング クリニック」である。ほかにも最新のBMW車を運転できる特別試乗会もイベントメニューに並んでいた。
またBMW Night(懇親会)では、チャリティオークションが開催された。中でもBMW M6 GTSでスーパーGTに参戦する「BMW Team Studie」の鈴木チーム代表兼監督から参戦ドライバーの荒聖治選手やヨルグ・ミューラー選手が実際に使ったドライビングシューズやグローブ(サイン入り)が出品されたときは大いに盛り上がった。そしてこの売上は「あしなが育英会」に寄付される。社会貢献活動をクラブイベントに取り入れているあたりもBMWクラブジャパンらしい。

画像: 菰田潔氏のプライベートドライビングクリニックは毎回人気のメニューだ。

菰田潔氏のプライベートドライビングクリニックは毎回人気のメニューだ。

画像: 55年以上前のBMWを走らせる(BMWクラブジャパン イベント
“BMW Day 2016 Join us 17th”)
画像: スーパーGTに参戦する「BMW Team Studie」の鈴木チーム代表兼監督から荒聖治選手やヨルグ・ミューラー選手のサイン入りドライビングシューズやグローブも出品。落札者は満面の笑顔だ。

スーパーGTに参戦する「BMW Team Studie」の鈴木チーム代表兼監督から荒聖治選手やヨルグ・ミューラー選手のサイン入りドライビングシューズやグローブも出品。落札者は満面の笑顔だ。

このイベントでは、プレス用に特別な企画も用意されていた。それが1960年製BMW 3200Sに試乗できるというもの。こんな機会は滅多にない。
ちなみに、敗戦後、クルマの開発を始めたBMWが世に送り出したのがBMW501で、その後、V8エンジンを積んだ502がデビュー、そのモデル名が変更されたのがBMW3200Sである。

画像: BMWの新旧V8モデルを乗り比べるというなんとも贅沢な企画も用意されていた。感謝感謝。

BMWの新旧V8モデルを乗り比べるというなんとも贅沢な企画も用意されていた。感謝感謝。

試乗できたのは、実に55年以上も前のクルマである。オーナーはBMWクラブジャパンの細淵会長で、この個体は、BMWが「100th アニバーサリーツアー」として全国7都市を回るイベントに同行しているクルマそのものであることもこの時に知った。

画像: BMWの100周年アニバーサリーツアーで全国を回っていたクルマそのものなので、見かけた人もいるかも。

BMWの100周年アニバーサリーツアーで全国を回っていたクルマそのものなので、見かけた人もいるかも。

少し遠目から眺めた3200Sの威風堂々とした姿は、まわりの耳目を集めていた。さらに近づくと、なんとも美しいディテールに、思わずため息が漏れてしまう。きれいにレストアされた個体はひと目で状態がいいとわかり、クラシカルなハンドルやメーターもいい雰囲気だ。それらを筆頭にインテリアもほぼ完璧な状態で維持されていて、オーナーのBMW愛が強く感じられる。

細淵会長に訊くと、この3200Sは、CG誌の当時の小林彰太郎編集長にオーナーの家族を紹介され購入に至ったのだという。いい人に譲り渡されたものだ。さすが慧眼である。

画像: BMW507ロードスターも展示され、クラブ員や会場の八ヶ岳ロイヤルホテルを訪れた人たちから大いに注目されていた。

BMW507ロードスターも展示され、クラブ員や会場の八ヶ岳ロイヤルホテルを訪れた人たちから大いに注目されていた。

いよいよ試乗だ。55年以上も前のクラシックカーを運転するのは初めての経験だったが、触れる場所、操作するものすべてに丁寧な扱いを心がけて走り出した。すると3200Sは、なんとも自然に、かつスムーズに走り出すではないか。これにはとても驚いた。もっと扱い難いクルマを覚悟していたのだが、それはいい意味で裏切られた。

画像: クラブ員同士の親睦を深める懇親会に、記念すべき今年はBMWモトラッドクラブジャパンも加わり盛大なものとなった。

クラブ員同士の親睦を深める懇親会に、記念すべき今年はBMWモトラッドクラブジャパンも加わり盛大なものとなった。

トランスミッションは、コラム式4速AT。ギアの入れ方を確認し、あとはポジションだけ注意すれば3200Sは快適なドライブを楽しませてくれた。V8エンジンは力強く、トルクも太いためほどんど2速と3速だけで八ヶ岳周辺を走ることができたのも好印象に繋がったのだろう。途中、3200Sを駐めると多くの観光客に写真を撮られる。このあたりの人気もさすがに高い。

画像: こちらも恒例の記念写真。今年はお揃いのトレーナー(BMWクラブジャパン)とTシャツ(BMWモトラッドクラブジャパン)を着用して撮影した。

こちらも恒例の記念写真。今年はお揃いのトレーナー(BMWクラブジャパン)とTシャツ(BMWモトラッドクラブジャパン)を着用して撮影した。

さて、クラブ員ばかりでなく、取材に訪れた私も楽しませてもらった今年の「BMW DAY 2016」。なんとも次回の開催が楽しみである。(文:千葉知充・本誌/写真BMW Club Japan、小池義弘)


コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.