フルフェイスヘルメットで乗りたくなるハーレー

革ジャンでバリッとキメて、ジーンズ&ブーツ。そうなるとヘルメットはオープンフェイスのクラシックにサングラスで……ハーレーダビッドソンはやっぱりクラシックなスタイルが良く似合いますよね。ボクの中ではこれは「ハーレーの様式美」のひとつです。
もちろん高速道路のロングツーリングではシールド付きのヘルメットが快適なのですが、街をフラっと流す時なんかはクラシック&ワイルドに装いたい。そう思っているんですけれど、唯一、その様式美に当てはまらないのがこのローライダーSでした。これだけは本当に、常にフルフェイスで乗りたくなるんです!

その理由はズバリ、走りがヤバすぎ!? だからなんです。ツインカムエンジンは高回転まで回しても楽しめるキャラクターなんですが、そのエンジンのキャラに最もジャストフィットしているのがローライダーSだと思っています。まず、1801ccの空冷Vツインエンジンの加速が超過激! 低速トルクとか高回転のパワーが、なんて言ってる余裕はありません。スロットルオープンでワイルドすぎる加速をします。路面を蹴飛ばす……なんて表現じゃ全然追いつかないんです。もっとこう…カタパルトで打ち出されるようなフィーリングなんですよ!

ツインカムシリーズでは最強の110キュービックインチ。1801ccの空冷Vツインを搭載しています。剥き出しのエアクリーナーが奏でる「ガララララッ」っていう吸気サウンドは、ハッキリ言って快感です。
パワーを受け止めるサスペンションやブレーキも最高!
そして、加速力を支える前後のサスペンションとブレーキが素晴らしいんですよ。ハーレーって基本的にリアタイヤに体重を乗せてコーナリングすることが多いんですけれど、ローライダーSは一般的なロードスポーツみたいに、フロントブレーキをコーナー進入まで残して、ブレーキリリースをきっかけにグルッ!と曲がる、っていう走りかたができるんです。フロントフォークが優秀で、前輪の接地感が確かだから、フロントタイヤを頼ってのコーナリングが楽しめるんですね。 そりゃもう、グイグイとコーナーに飛び込んでいけます。
ゆっくり走るだけじゃ物足りない、ホットに走りたいっていうライダーには最高の1台ですよ? 「どうせ直線番長だろ?」なんて、ナメてるライダーをビックリさせてやれますからね!

確かな安心感を伝えてくれるフロントフォークと強力なブレーキの組み合わせです。鬼のような加速を見せるローライダーSの走りを受け止めます。新型ツーリングファミリーの基礎になったのは、このバイクでは?と思うほどに優秀!

超絶パワーを路面に叩きつけても、ガッと路面を掴んでくれるリアサスペンションです。コーナーでもストレートでも「スロットルを開ける」っていう楽しみを支えてくれるのはこのリヤサスのおかげ!

男らしくソロシートでスタイル優先かと思いきや、実はかなりホールド感が高いシートでした。フルスロットルでシート後部にグッと腰が沈みこんで、加速の時にライダーを受け止めてくれるんです。
ハーレーらしい「鼓動感」もローライダーSは別格でした。
大きすぎるエンジンの振動はライダーを疲れさせます。でも、その鼓動感もハーレーの魅力のひとつ。このサジ加減って難しいところなんでしょうね。でも、ぶっちゃけますがボクの感想としては「鼓動感」は新型ミルウォーキーエイトシリーズよりもローライダーSのほうがワイルド! 荒々しさっていう面なら、ボクはこっちのほうが好みです。信号待ちだけじゃありません。高速道路で6速/2300回転、時速100kmでのクルージング中だって、エンジンがビンビン存在感を伝えてくるんですよ。振動が強すぎるんじゃない? なんて向きもいらっしゃるとは思いますけれど、 全国のVツイン愛好家の皆さんに伝えておきたい! このエンジンは本当にヤバいですよ!? クラシックハーレーも真っ青のテイスティさですから!!

ホットなコーナリングだけじゃなく、ゆったりクルージングも味わいが深いのに驚きます。前後サスペンションがしなやかなので、ツーリングペースも快適でした。ローライダーS、万能かっ!?
日本人デザイナー/ダイス・ナガオのハートを感じてください!
ちなみに、このローライダーSはハーレーダビッドソン本社、デザインルーム唯一の日本人デザイナー「ダイス・ナガオ」が手掛けています。以前、ボクは彼と話をしたことがあるんですけれど、彼は本当にバイクが大好き! ハーレーも大好きだけど、ロードスポーツも含めてバイク全部が超大好き(ラーメンも大好き)なんですね。そんな彼はスタイルのデザインだけじゃなく、車体や足周りもエンジニアと一緒に「デザイン」するそうです。その想いがカタチになったのがこの1台。他のハーレーとはちょっと違う匂いがするのは、きっと彼の情熱が秘められているからなんでしょうね!

特徴的なのがこのスピードスクリーン。いまどき本場の「ワル」はこういうスタイルが最先端です。実は防風性能も優れていて、旅での快適さアップにも役だっています。

シート高は685mmなので身長176cmのライダーの場合、足着きはベッタベタ。身長160cmでも、恐らく大丈夫だと思います。ちなみに重量は305kgですけど重さは不思議なほどに感じません。跨ったままのバックも余裕です!
走って良し、旅して良し。本当に貴重な「S」を選ぶことに誇りが持てる。
空冷独特の味わい。ツインカム110エンジンの大パワーによるワイルド加速。ロードスポーツのように楽しめるコーナリング。それらが完璧なうえで鼓動感、サウンドも非の打ちどころナシ! 本当にローライダーSだけは、他とはちょっと違うんです。これだけは乗らないとチョット損かもしれません。ハーレー好きも、そうでない人も体験してみる価値があると思うんです。
いや本当に、乗ったらけっこう真剣に惚れちゃうかもしれませんよ? しかもですね、ローライダーSはツインカムシリーズ最高峰エンジンを搭載しているのにも関わらず約234万円なんです。その価格が安いとは言いませんけれど、乗った後は不思議と「これはお買い得だな……」と思えちゃうんです(笑)
そのうえでツインカム110エンジンを搭載する現行のSシリーズは、なんと年内生産分で生産終了となるのです。もちろん、このローライダーSも然り。ああ、こんなに良い走りなのにもったいない……。つまり、今が最後のチャンスって訳です。気になる人は、もはや一刻の猶予もありませんよ!?

HARLEY-DAVIDSON
LOW RIDER S
234万3000円(ビビッドブラックのみ)

HARLEY-DAVIDSON
LOW RIDER S
234万3000円(ビビッドブラックのみ)
ところでみなさん、ハーレーに憧れた理由ってなんですか?
その理由は人それぞれで千差万別だと思いますけれど、ボクの場合は、はじめにカッコ良さとサウンドに惚れたのがはじまり。そしてハーレーを手に入れた後に、その走りの面白さに感動して惚れ込みました。もうバイクに乗り始めて20年以上ですけれど、ローライダーSに乗った時は、はじめてハーレーに乗った時のワクワクを思い出したんです。
やっぱりバイクは走ってナンボ。それはハーレーだって変わりませんよね。
その走りに感動が溢れているのがローライダーS。ツインカムシリーズの最高傑作と呼ぶべき特別なハーレーダビッドソンなんです!



