1969年から続く白バイ隊員がライディングテクニックを競う全国白バイ安全運転競技大会。「いかなる状況にも的確に対応する」そして、瞬時にベストな判断を下し、事故を避け、市民と自らを守る事を最重要事項とし、。自分の限界を高め、自らを越える〝技〞を習得するために日々訓練と実務を重ねてきた白バイ隊員達の華麗で凄まじいテクニックを目の前で見ることが出来るこの大会。実は観戦できるのです。
自分の好みや体系に合ったマシンを選んだり造ったりする事はできず、競技車両は警視庁が用意した競技車両をランダムに選手に手配されます。そして4種目ある競技に選手は一発勝負で挑むのです。
開催されるのはこの4種目
バランス走行操縦競技~装備重量約300㎏の巨漢を低速で操る技を競う~
競技車両のCB1300Pの装備重量は約300㎏。無線やパトライトスピーカーなどが外されているとはいうものの…相当重たいコトは想像できる。初日の最初に行われるバランス競技は、速さではなく低速でのバランス走行を中心とした競技内容だ。幅4m強の道幅を想定したUターンやへの字に曲がった一本橋や狭路など、白バイ大会ならでは高難易度のセクションが続く。コース途中では車体が接地していないか確認するポイントも設定されている徹底検査態勢も白バイ大会ならでは。
トライアル走行操縦競~技丘の斜面に作られた人口セクションを攻略せよ自らを越える技~
市販車はディスコンになってしまったが、白バイ大会のオフ系競技では、ホンダXR230が競技車両として使われている。これもCB1300P同様に、警察庁が用意した競技車両がランダムに配車される。それも、ライトやウインカーなどの保安部品を外しただけのストック状態。タイヤの空気圧さえも標準セティング。だから、この競技を見ると、ノーマルでも腕次第でこんなコトが出来るのか…と感動してしまう。斜面に設定されたコンクリートの壁を越えるセクションは圧巻。
不整地走行操縦競技~パイロンスラロームもある大会ならではのモトクロス競技~
大会2日目の朝から行われる、走行タイムの速さを競う、モトクロス競技。今年は夜から降り続く雨の中で行われた。競技開始時は小雨だったが、後半になると雨足が強まり、コースの一部はマディー状態。タイヤもノーマルなので、滑る路面と選手の格闘には、思わずガンバ…と心の中で叫んでしまう程だった。雨天時には官給の白いカッパの着用が許される。いかなる条件にも的確に対応しなければならない…そんな使命を帯びた白バイ乗務員の厳しさを見た。
傾斜走行操縦競~技寝かしても接地しない、独特の白バイライディングが炸裂‼~
午前中の雨が残り、時折小雨がそぼ降る状況で行われたスラローム競技。2日目の競技はいずれもタイム競技で、接地やパイロン、マーカータッチが減点対象。それに乗車姿勢も採点基準となっており、ニーグリップはいつでも必須な要件。だから、旋回時でもヒザでマシンをホールドして、上体だけをインに入れて遠心力への反力を作り出す。いわゆる白バイ大会ならではのライディングが堪能できる。
この大会は毎年、自動車安全運転センター「安全運転中央研修所」(茨城県ひたちなか市)で開催されており、一般観戦も可能!!普段高速道路や一般公道で停車して取り締まりをしている場面など、普通に走行している場面しか見る機会はあまりない白バイ隊員の超絶神業テクニック、来年は是非会場まで足を運んでみてはいかがでしょうか。気になった方は是非警視庁のHPをチェックしてみてくださいね。