男はいつまでオートバイ乗りの精神を持ち続けていられるのか。男はなぜオートバイに惹きつけられていくのか。そして男はなぜ速いものに憧れ、速いものを憎むのか。「バイク乗りのバイブル」としてバイクを愛する男たちに愛され続ける『キリン』の物語を紐解いていきたいと思います。

SUZUKI GSX1100S KATANA

画像1: (キリンファンブック©東本昌平©モーターマガジン社) www.motormagazine.co.jp

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「キリン」という作品の代名詞とも言えるモデル。強烈な個性派は二輪史上の中において、今なお燦然と輝く放っている。キリンの心の炎を、再び燃え上がらせた1台。

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誕生のきっかけは、スズキのオートバイのデザイン革命のスタートだった。時は1980年、スズキ4ストロークエンジンの第2世代である4バルブユニットを搭載したGSX110が、動力性能、ハンドリングとも、世界的に高評価を得はじめていた頃だ。
「ジャーナリストとかヨーロッパの代理店が、スズキのオートバイは、性能はいいけどダサイって言うんだ。性能はいいけど、華がない、カッコよくないと。スズキがもう一歩前進するために、これをなんとかしなきゃならん、と思ったね」と述懐するのは、当時スズキの二輪設計部次長の要職にあった横内悦夫さん。日本の鈴木自動車が世界のSUZUKIへとステップアップするための、飛躍の時期だったのだ。
 同じ頃、ヨーロッパ市場開拓を進めていたスズキは、ドイツスズキを設立するタイミングで、あるデザイナー集団と出会う。それが、ハンス・ムート率いるターゲットデザイン社だった。ターゲット社は、ドイツの二輪誌「モトラッド」主催のデザインコンペに、MVアグスタをベースとしたデザインモデルを出展。これに目をつけたスズキが、ムートにコンタクトを取ったのがスタートだった。

ターゲット社は、すぐにED(ヨーロッパデザイン)1号車である、シャフトドライブの650cc モデルを完成させました。これが、後のGS650Gとなるのです。その出来栄えから、GSX1100ベースのED2の作成を依頼したSUZUKI。『デザインの基本は絶対にジャマしない。そのかわりデザインがオートバイの機能をジャマしてはならない』この約束を厳守した上でオートバイに、デザインという概念を持ち込んだ異端児となるKATANAが完成したのです。

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