57年間に100万人以上の命を救った

ボルボは、1959年、当時まだそれほど安全装備が重要視されていなかった時代に3点式シートベルトアマゾンに標準装備した。これは世界初の快挙である。

この3点式シートベルトはボルボが発明して特許を取得したものだが、なんとボルボはこの特許を無償で他の自動車メーカーに提供したのである。

画像: ボルボXC90のシートベルトに刻まれる「1959」の文字。これはボルボが3点式シートベルトを発明した年だ。

ボルボXC90のシートベルトに刻まれる「1959」の文字。これはボルボが3点式シートベルトを発明した年だ。

ギリシャ神話の女性戦士に由来

その3点式シートベルトを世界で初めて標準採用したボルボ アマゾン(Amazon)は今から60年前の1956年にデビューしている。

このアマゾンは、ギリシャ神話に登場する女性戦士「Amazon」に由来しているのだが、ボルボはこのアマゾンのデビュー時には、モデル名の綴りに「s」を使った「Amason」と命名していたのだ。

AmasonからAmazonにモデル名を変更

しかしながらアマゾンのグローバルな展開を視野に入れたボルボは、生産が開始される前の1957年にモデル名を「z」が付く「Amazon」に変更した。

だが、あいにく原動機付自転車やオートバイのメーカーであるドイツのクライドラーも同時期に「Amazon」という名の原動機付自転車を発売していた。そうした理由もあり、ボルボは主要な市場で「Amazon」の名前を使用することができなかったというわけだ。

北欧市場では「Amazon」呼ぶことに合意が成立したが、世界のその他の地域では、標準モデルが「121」、スポーツモデルが「122」、エステートモデルが「221」、スポーツエンジンを搭載したエステートモデルが「222」と呼ばれている。

画像: 1956年から1970年の間にアマゾンは667,791台が生産された。

1956年から1970年の間にアマゾンは667,791台が生産された。

今も24,282台が登録されている

ボルボ車のなかでもっとも生産台数の多いのはこのアマゾンである。全世界では1956年から1970年の間に667,791台が生産されている。その60%がスウェーデン以外で販売された。

スウェーデンで販売されたアマゾンは約297,000台である。しかしながら驚くのはその約8%がまだ現役だということだ。もっとも多いのは1966年モデルで、今でも4,804台が登録されている。また現在、スウェーデンでは合計24,282台のボルボ アマゾンが登録されている。

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