画像: 2ℓの4気筒エンジンに可変圧縮比

2ℓの4気筒エンジンに可変圧縮比

まいどっ、たびたびお邪魔します、グリコです。実は先日スクープ情報として紹介した日産の可変圧縮比ターボエンジン=VC-TURBOが、8月15日(北米時間)ついに公開されました。

可変圧縮比というのは、簡単に言えば、エンジンの圧縮比を走行状態に応じて変えてしまう機構を採用したエンジンです。なにが凄いのかと言えば、たとえばターボエンジンにこの機構を使うと、燃費もパワーも10%以上アップしてしまうんです。

そもそもエンジンというのは、圧縮比が高い方が燃費はいいんですね。ところが、あんまり圧縮比を上げすぎるとノッキングが起きてしまいます。とくに負荷が高い高回転領域ではこの現象が顕著に出てしまいます。だから、ふつうのクルマ(ガソリン車)の圧縮比は10:1とかに抑える(固定する)ことが多いんですね。本来、一般的な走行では負荷が軽くなるので、燃費を良くするために圧縮比を14:1くらいまで上げたいところですが,今までの技術では圧縮比は固定ですからそんなことはできませんでした。

そこで日産が考えたのが、ピストンとクランクをマルチリンク機構で連結してしまう方法です。これをモーターと接続することで、クランクの稼働を連続可変として、走行状態に合わせて圧縮比を自在(8:1〜14:1)に変えることが出来るようになりました。つまり、市街地走行や高速巡航などの低負荷域では圧縮比を上げ、急加速時などの高負荷域では圧縮比を下げ、ノッキングを回避するとともに出力をアップさせるという仕組みです。

画像: 市街地や定速走行時には圧縮比を14:1にして燃費を稼ぎ、加速時など高負荷時には圧縮比を8:1まで連続的に変化させて高出力を可能にする。

市街地や定速走行時には圧縮比を14:1にして燃費を稼ぎ、加速時など高負荷時には圧縮比を8:1まで連続的に変化させて高出力を可能にする。

この機構は特に圧縮比を上げられない(=ノッキングが起こりやすい)ターボエンジンで効果絶大。過給域では圧縮比を下げて高出力を、常用域では高圧縮に切り替えて同クラスのノンターボエンジンを超える燃費を両立することが可能になるんです。しかも振動特性も改善されて、2ℓの4気筒エンジンながら静粛性はV6エンジンに匹敵するとのこと。細かいスペックは9月29日に始まるパリモーターショーでアナウンスされる予定ですが、最高出力は265馬力以上、燃費は同クラスのディーゼルと同等以上を実現するとみられています。かなり魅力的な内容ですね。

その搭載第一号車が、同じくパリモーターショーで発表される新型インフィニティQX50。スカイラインクロスオーバーとして日本でも人気のあったクルマの後継車です。このクルマを皮切りに、今後はインフィニティ・ブランド車を中心に日産ブランドのクルマにも続々と採用されるでしょう。

画像: 同じくパリモーターショーで市販車が公開されるインフィニティQX50(写真はコンセプトカー)。現行モデルは後輪駆動ベースの4駆だったけれど、次期型は前輪駆動ベースとなる可能性も…。

同じくパリモーターショーで市販車が公開されるインフィニティQX50(写真はコンセプトカー)。現行モデルは後輪駆動ベースの4駆だったけれど、次期型は前輪駆動ベースとなる可能性も…。

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