シリーズ全8戦で争われる2016スーパーGT選手権は、4月の岡山、5月の富士と第2戦までが終了。(第3戦オートポリスは震災によりキャンセル)
トヨタ、ホンダ、日産の3大メーカーが威信を賭けて参戦するGT500クラスは、目下のところニッサンGT-Rが開幕2連勝中。
果たしてGT-Rに死角は無いのか?今回は富士スピードウェイでの第2戦を写真と共に振り返ってみましょう。
5/3に行われた公式予選、開幕戦では下位に沈んだホンダNSX勢に復調の兆しが。
15号車「ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT」100号車「RAYBRIG NSX CONCEPT-GT」の2台が予選Q1を突破し、Q2でそれぞれ6番、8番グリッドを手にしました。
乙女の祈りが届くまであと少しです!
前戦の岡山に続き、今回もQ1のトップは46号車「S Road CRAFTSPORTS GT-R」千代勝正選手。
GT500までの道のりは決して順風満帆とは言えませんでした。不遇の時代を我々も知っているだけに、嬉しく感じてしまいます。
先輩格の本山哲選手もQ2で2番手タイムをマーク。昨年に続き富士のフロントロウを獲得しました。
そしてポールポジションは、こちらも昨年と同じく12号車「カルソニック IMPUL GT-R」が、コースレコードで獲得。誰が付けたかその名も「青い新幹線」
Q2アタックを決めたJ・P・オリベイラ選手に星野一義総監督から祝福のキス!後ろ向きでもインパクト大です。
翌5/4、明方に激しく降った雨がウソの様に乾き、路面温度はグングン上昇していきます。
フロントロウはポール12号車、2番手46号車のGT-R勢。
3番グリッドに38号車「ZENT CERUMO RC F」をはさんで4番手が1号車「MOTUL AUTECH GT-R」、5番手に39号車「DENSO KOBELCO SARD RC F」
日産の牙城にレクサス勢が虎視眈々と喰い込む構え。
14時03分、110周のレースがスタート。各車グリッド順をキープしながら1コーナーへ。キレイなスタートです。ゴールまでの距離は500km、全車2回のピットストップが義務付けられています。
レース序盤、トップ12号車GT-Rのオリベイラ選手は後続とのギャップを広げ独走状態ですが、3番手の38号車レクサスが2番手46号車を逃がさずピタリとマーク。46号車本山哲選手と38号車立川祐路選手のベテラン同士の駆け引きが始まります。
46号車が踏ん張り、何とかリードを広げはじめると、同じくミシュランタイヤを装着した1号車GT-Rロニー・クインタレッリ選手のペースが徐々に上がってきます。そして15周目には38号車を抜いて3番手に。
しかし17周目に今度は38号車が1号車をパス。再び3番手に上がると、その勢いで46号車を追撃。
そして27周目、ついに46号車を抜き2番手に上がります。トップの12号車GT-Rとレクサス勢はブリヂストンタイヤ。ここまでのところタイヤ戦争は互角です。
トップ争いこそ加われませんが、この富士でNSX勢は健闘しています。
15号車が5番手、100号車が6番手を走行し、中団グループのレクサス勢に引けを取りません。着実に走ってポイントを獲得し、シーズン中盤からの巻き返しに賭けたいところです。
3番手46号車は32周目にピットイン、本山選手から千代選手に交代。2番手38号車は翌33周目に石浦宏明選手に。そしてイキのいい走りを見せる46号車の千代選手は、43周目に38号車をパスし2番手に返り咲きます。トップの12号車は38周でピットイン、安田裕信選手へ。
レース中盤は膠着状態となり大きな順位変動はありませんでしたが、2回目のピットストップが見えてきた72周目、100号車NSXの左リヤタイヤがバースト。カウルを大きく破損し、パーツ回収のためセーフティーカーが導入されます。46号車は燃料がギリギリなのでピットインせざるを得ません。ですが、SC導入中のピット作業はペナルティとなるのが今年の新ルール。76周目にピットインした46号車は順位を大きく落としてしまいます。38号車は何とかSC解除までピットインを延ばすべく我慢の走行を続けますが、SC解除となった78周目、まさかのガス欠でリタイアしてしまします。
2回目のピット作業を難なくこなしトップでコースに戻った12号車に、最大のライバルが立ちはだかります。1号車NISMOが驚異的な早さのピット作業で、何と12号車の前に出たのです。
10周以上に及ぶ1号車クインタレッリ選手とのテール・トゥ・ノーズの末の96周目、ついに12号車オリベイラ選手がバトルを制します。このままトップチェッカーに向けてラストスパート!
と、誰もが思っていました。
ポールでほっぺにチューなら、優勝したら一体どうなってしまうのか?!と変な期待もしていました。
しかし107周目、タイヤのバーストで12号車はレースを終えることとなります。100号車と同じく左リヤタイヤでした。
レースは予定通り110周でチェッカー。1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の開幕2連勝にグランドスタンドは盛り上がります。ファンの声援に応えるクインタレッリ選手。一方、オリベイラ選手はコースサイドにしゃがみこんだまま動けません。97パーセント、勝利は12号車「カルソニック IMPUL GT-R」のものでした。でもこれがレースです。この後ル・マン24時間もありましたね。
終わってみれば、2位、3位にはレクサス勢が入賞。39号車ヘイキ・コバライネン選手は初表彰台、そして37号車も2戦連続の表彰台で着実にポイントを積み重ねています。NSXの最上位は8号車ARTAの6位でした。序盤にコースサイドを沸かせた46号車は7位でフィニッシュしています。
ファステストラップは4台目のGT-R、24号車佐々木大樹選手が記録しました。
今回のレースも、主役はGT-Rだったと言えるでしょう。同じメーカーでありながら激しくやりあうNISMO vs IMPUL 今後の対決が楽しみですね。
次戦は、7/23-24 スポーツランド菅生での開催です。先日行われた鈴鹿でのテストではNSXがトップタイムを出しており果たしてどんなレースを見せるのか。もちろんレクサス勢も黙ってはいないでしょうし、タイヤメーカーも激しく凌ぎを削っています。
スーパーGTのライブ観戦、ぜひ夏休みの予定に加えてみてはいかがでしょうか。