「シルキー」を、マニュアルシフトでじっくり味わい尽くすべし
1950年代末、一度は倒産の危機にみまわれたBMWが、高級車ブランドとしての誇りを取り戻すきっかけになったのが、この6シリーズだったのだそうです。デビューは1976年の「40歳」ですが、「世界一美しいクーペ」としての魅惑感は未だ健在。ボリュームたっぷりのメリハリボディに、思わずドギマギしてしまうのは、ただ色っぽいだけではない、気高さや威厳を兼ね備えているからこそ。
実は今回ご紹介するこの美魔女、絶妙なコンディションをキープし続けているルックスとともに、中身もしっかり凄いんです。なんと、日本には上陸しなかったハズのMT仕様に換装。BMWを物語る不滅のアイコンのひとつ「シルキーシックス」の伸びやかな加速感を、ビュンビュン意のままに満喫することができるのです。
ミッションの換装作業を行ったのは、BMW専門店『ポールポジション』。これまで、「ユーザーの要望に応じて」MTへの積み替えを数多くこなしてきました。色気に釣られてついフラフラとついていったら、スポーツジムでハードなトレーニングに付き合わされてしまった…みたいな? 刺激たっぷりのデートシーンを演出してくれる、信頼感抜群のプロショップです。
6シリーズは、1989年に生産を終了しています。それから実に10年以上を経て、2ndジェネレーションとなる『E63/64型』から復活を果たしました。こちらも圧倒的なボリューム感と、先鋭的なスタイリングを誇る威風堂々感がケタ違いな1台ですが、微妙な抑揚や繊細さに欠けているのが残念。ちょっとセンシティブな感じはあるけれど、甘え上手…初代はいわゆる「ツンデレ系」美魔女の、先駆者的存在なのかもしれません。
最後に「6シリーズのスポーティ感」を象徴してくれる映像を、ご紹介しましょう。かのBMW M1の血統を継ぐ、当時最強のDOHCエンジン(286hp)を搭載した『M635CSi』が、ニュルブルクリンクを激走しています。「激」なのに、どこかゆったりしているふうにも見えるのは、さすがに年季を経た美魔女の余裕、といったところでしょうか。あ、この当時はまだピチピチ! でしたね。失礼!!