使い込まれた風合いを、積極的に楽しむべし
はっきり言ってこのボルボ…けっしてピカピカの極上車ではありません。そこかしこに20年越えのヤレ感がしっかり漂っています。でも、この世代のボルボをこよなく愛する人は、そういうものも含めて「味」わいを満喫しているのだそう。
「傷も味、だと喜んで乗る方も多いんです。お望みならいくらでもピカピカにしますが…」と、語ってくれたのは、プロショップ「ワンズ」の渡辺剛志社長。20年以上にわたって良質なボルボの中古車を取り扱ってきたこのお店は、とくに80年代までのFRモデルにも強いそうです。
まさに「カクカク」していた頃のボルボは、実用車としての圧倒的な潔さがたまらない魅力のひとつです。なにより安いし。「今なら車両価格にして40〜50万円から買えるし、荷物が積めて、意外と壊れず、しかもファッショナブルである」ゆえに、カメラマンやスタイリストといった、おサレな業界の方々も多いのだとか。
V40などは最たるものですが…最新のボルボはとても先鋭的でスタイリッシュです。そこから始めるのも、もちろんアリ。ですが、あえてこの世代のボルボを格安で買って、そのリアルな経年変化感を愛でてみるのが「ボルボライフのはじめの一歩」としては、おススメです。
なにしろ連綿と受け継がれてきたボルボの精神を、しっかり味わうことができます。で、たまにはなにくわぬ顔をして「新車の頃から乗りつぶしてきたんだ」みたいな、ボルボの達人を演じるのです。最新モデルを買うのは、2〜3年してからで十分です。
ただしひとつ、ご注意を。いざという時、頼りになるプロショップは欠かせません。できるだけ濃厚に、仲良くなっておきましょう。結果的には、最新のV40に買い換える気が起きなくなってしまうくらいのめりこんでしまうかもしれませんが、それもまた幸せな出会いのひとつ、ということで…。