1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)
画像1: 【名車の記憶 ホンダスポーツクロニクル】歴史に残るスポーツカー『NSX』の特性に注目しました!

現在もホンダファンのみならず、モーターシーンで心を奪われる方も多い“NSX”。やっぱりカッコいいですね… ♥︎ 20年以上も前に登場した初代NSX。当時のスポーツカーといえば、フェラーリ、ポルシェ、フェアレディZなどが名前が挙がるなかに世界に通用するクルマを仕掛けたホンダ! 今回は、後世に残したものが大きい革新的な技術が詰まった1台といえるNSXの特性に注目しました。

世界最速のコーナリングを可能にした ふたつの要因

第一の要因は、とくにバンピーな路面でのコーナリングに威力を発揮する。足まわりをかためたスポーツカーは、路面の凹凸でタイヤが跳ね上がった瞬間に横流れし、そんな時にはアクセルコントロール、あるいはハンドルによる修正が必要となるケースが多い。ところがNSXではそんな条件下でも、タイヤが路面を流れるという感じがしない。第二の方向安定のよさは、第一要 因にサポートされている側面も見逃せないが、サスペンション・ジオメ トリーの設定がハイレベルであること、ホイールトラベル(ストロークを生じる動きのこと。いわゆるバンプ&リバウンド)に伴うアライメント・コントロールが方向安定に寄与していることが考えられる。

安定指向でも限界域はシャープ、 乗り心地も ベストに近い

大きくアクセルを開けた旋回でも、ハンドルを切った分だけ曲がってくれる。この安定指向の特性は面白くないという人も出てくるかもしれない。ところが限界域におけるNSXでは、ミッドシップ特有のシャープな挙動を味わうこともできるのだ。ATに標準装備のパワステは、大舵角の切り込みと切り返しを繰り返すと、慣性反力といった感じのもたつき感が存在するが、これは改善を要するレベルにはない。ハンドル操作力が低減した分、一般のドライバーにとって扱いやすいステアリング となっている。保舵力が常時適度に確保されているのも、このパワステの特徴である。この種のマシンとしての乗り心地はベストレベルにある。

栃木ホンダ・テストコースでNSX試乗。高速での 空力特性 は驚異的だった…

マニュアルミッション車はオーバルコースで5速7000rpmをマーク。実車速で260km/hになるが、直進性は高度に確保される。ボディリフトも抑えられており、この車速で操舵力がわずかに軽くなる程 度。フラットな路面なので外乱によるハンドルのとられ(ニブリング) もなく、矢のように直進する。ひろがりのある前方視界はこの領域でもよい方向に作用している。この車速では当然400〜500mに視力焦点を合わせているわけで、前方直前の風景はかなりボヤけた像として視角にとらえられている。この状況下でヒップポイントが低く、インパネレベルが高いマシンではドライバーは顎を上げやすいのだが、NSXではそのようなことはない。顔をピタリと正面に向け、両眼を見やすい最適の状態に置くことができるのだ。 5速5000rpmから7000rpmに到達する時間は短い。高速域での伸びは空気抵抗の存在を感じさせないほどである。(MM1990年10月号掲載 抜粋)

画像: V型6気筒DOHC・VTECのC30A。シリンダーブロックやヘッドはアルミ合金製で、ヘッドカバーにはアルミと同等の耐蝕性を持っているマグネシウム合金を採用している。 www.motormagazine.co.jp

V型6気筒DOHC・VTECのC30A。シリンダーブロックやヘッドはアルミ合金製で、ヘッドカバーにはアルミと同等の耐蝕性を持っているマグネシウム合金を採用している。

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画像: アルミのモノコックボディを実現したNSX。ボディだけにとどまらず、サスペンションやエンジンのパーツにまでアルミが採用されている。ボディ単体でも、重量はスチールと比べた場合約 60%も軽くなっている。  www.motormagazine.co.jp

アルミのモノコックボディを実現したNSX。ボディだけにとどまらず、サスペンションやエンジンのパーツにまでアルミが採用されている。ボディ単体でも、重量はスチールと比べた場合約 60%も軽くなっている。

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