特別企画「ボルボのクリーンディーゼルに乗るメリット」

燃費が良く、経済性に優れ、力強い走りを味わえるクリーンディーゼルエンジンはここ数年人気を集めている。今回は、Cセグメントのディーゼル車「ボルボV40」に注目した。
(Motor Magazine2016年7月号)

画像: ボルボV40 D4 SE:全長4370mm×全幅1800mm×全高1440mm、ホイールベース2645mm、車両重量1540mm、最小回転半径5.2m、ラゲッジルーム容量335~1032リッター、エンジン 直列4気筒ディーゼルターボ、エンジン型式 D4204T、ボア×ストローク82.0×93.2mm、圧縮比15.8、最高出力140kW(190ps)/4250rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1750-4250rpm、JC08モード燃費 20.0km/リッター、トランスミッション 8速AT、タイヤサイズ205/50R17、車両価格399.0万円

ボルボV40 D4 SE:全長4370mm×全幅1800mm×全高1440mm、ホイールベース2645mm、車両重量1540mm、最小回転半径5.2m、ラゲッジルーム容量335~1032リッター、エンジン 直列4気筒ディーゼルターボ、エンジン型式 D4204T、ボア×ストローク82.0×93.2mm、圧縮比15.8、最高出力140kW(190ps)/4250rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1750-4250rpm、JC08モード燃費 20.0km/リッター、トランスミッション 8速AT、タイヤサイズ205/50R17、車両価格399.0万円

画像: ボルボのプレミアムコンパクト「V40」。

ボルボのプレミアムコンパクト「V40」。

画像: ディーゼルエンジン搭載車は「D4」グレード。

ディーゼルエンジン搭載車は「D4」グレード。

ヨーロッパでは根強い人気があるディーゼルエンジン車

「うるさい、臭い、力がない」と、そんなダーティイメージばかりが世に広まって、一時期はすっかり人気をなくしていたディーゼル乗用車。
いや、実はそうした状況は、世界中で起こっていたわけではない。そもそもヨーロッパの市場では、燃費効率の良さや日常シーンでの走りの力強さなどから、日本がそうした〝停滞期〞にあった際にもディーゼルモデルは根強い人気を保ち続けていたのである。

さらに、そんな人気の高さに後押しされるようにテクノロジーは進化を続け、ガソリンモデルより高価ではあっても堅調な売れ行きをキープし続けた……という彼の地での状況を、「日本のユーザーは知らなかっただけ」というのが真実。
かくして、そんな日本でもディーゼルモデルに対する〝不当な誤解〞はわずかずつ氷解が進み、このところは街中でもその姿を見掛ける機会が増えつつある。

画像: ヨーロッパでは根強い人気があるディーゼルエンジン車

数ある輸入車の中でも逸品である

一方で、それを横目に「どうしてわざわざ割高なディーゼルモデルなどを選ぶのか!?」と不思議に思う人も、まだ少なくないかも知れない。が、そうした中の恐らく過半の人は、「実はディーゼルの乗用車には乗ったことがない」という〝食わず嫌い〞というパターンではないだろうか。
そんなことを改めて言いたくなるのは、久々にテストドライブをした最新のディーゼルモデルが、「やっぱりこれならでは!」という走りを味わわせてくれたから。
ボルボを代表するヒット作であるV40+ディーゼルエンジンという組み合わせは、そのラインナップの中にあっても、まさに積極的に〝この1台〞を選ぼうという気にさせてくれる、数ある輸入車の中でもそんな逸品であったということだ。

画像: ガソリンエンジンとの共用&類似部品を使い“ディーゼルの重さ”というネガを最小限にしたD4エンジン。

ガソリンエンジンとの共用&類似部品を使い“ディーゼルの重さ”というネガを最小限にしたD4エンジン。

乗った瞬間からディーゼルの虜になってしまう可能性あり

『D4』のグレード名が与えられたV40に搭載されるのは、最新世代の2リッターディーゼルユニット。
同じく最新世代のガソリンユニットとの間でモジュラー開発が行われ、「25%はガソリンユニットと共通で、50%は類似のパーツを採用」というこのエンジンは、それゆえにかつてはディーゼルユニットのウイークポイントと言われた重量増を最小限に抑えるなど、徹底した合理設計が採用されていることが大きな特徴なのである。

画像: 日本市場に合わせて開発されたナビをはじめ、さまざまな機能はハンドルから手を離さずに操作できる。音声認識機能も優秀だ。

日本市場に合わせて開発されたナビをはじめ、さまざまな機能はハンドルから手を離さずに操作できる。音声認識機能も優秀だ。

さっそくエンジンを始動すると、率直なところ車外はもとより、車内であっても「ディーゼルであること」は明白だ。決して「喧しい!」と文句を言いたくなるレベルではないものの、長年慣れ親しんできたガソリンエンジンとは異質の心臓を積んでいる、と感じる人は、きっと少なくないだろう。
かくして、いざ購入を検討という段階では、やはり一度はディーラーのショールームへと出向いて自身でそれを確認すべきとアドバイスをしたくなる一方で、さらに試乗まで行ってしまえば、この時点でたちまち〝ディーゼルの虜〞になってしまう可能性も少なくない。

画像: 取材車はオプションのレザーパッケージ装着車なのでシートヒーターや助手席パワーシートが装備される。

取材車はオプションのレザーパッケージ装着車なのでシートヒーターや助手席パワーシートが装備される。

画像: インテリアカラー/シートカラー&素材は、明るくボルボらしい雰囲気を持つチャコール/ブロンド&本革。

インテリアカラー/シートカラー&素材は、明るくボルボらしい雰囲気を持つチャコール/ブロンド&本革。

長い時間乗れば乗るほどそのメリットが実感できる

何しろ、スタートの瞬間から力強さはガソリンモデルを圧倒し、中でも2000rpm付近でのアクセルペダル操作に対するトルクの盛り上がり感は、初体験の人にとっては「驚き」以外の何ものでもないはず。日常シーンで思いもかけずにスポーティな走りのテイストが味わえることに、「今のディーゼルは、こんな事になっていたのか!」と、感嘆の声を上げること請け合いだ。
そんなディーゼルエンジンとコンビを組むのは、こちらも最新鋭のアイシンAW社製の8速ATである。
隣合うギア同士のギア比の差の小ささと、1速から8速間の変速幅の大きさを両立させたこのトランスミッションが巧みなシフトを繰り返すことで、ことさらに強力な加速が必要とはならない街乗りシーンでは、「2000rpmも回せばすべてが事足りてしまう」と、そんな印象であるのも、またガソリンモデルにはない特徴なのだ。

画像: 視認製の高いデジタル液晶メーターの表示は3種類から選択できる。写真はスポーティな「Performance」モード。

視認製の高いデジタル液晶メーターの表示は3種類から選択できる。写真はスポーティな「Performance」モード。

一方、高速道路へと上がればさらなる強みが味わえる。昨今、90km/h前後でスピードリミッターが作動中の貨物車を、ホンの数km/hの差でやはりリミッターが作動中の貨物車が、延々と時間を掛けて追い抜く、という光景はもはや日常。そんな追い越し終了後の貨物車が走行車線へと戻った後の再加速時に、圧倒的な力強さを味わわせてくれることになるからだ。
アクセルペダルを踏む右足にわずかな力を加えるだけで、ダウンシフトも伴わず低回転状態のまま強力加速が得られるため、こうした場面での静粛性はむしろガソリンモデル以上。ちなみにこのV40 D4 SEの場合、100km/hクルージング時のエンジン回転数は、わずかに1500rpmに過ぎない。

画像: 給油口にはキャップのないイージーフューエルシステムを採用。燃料タンク容量は62リットルでJC08モード燃費はリッター20.0kmとなる。

給油口にはキャップのないイージーフューエルシステムを採用。燃料タンク容量は62リットルでJC08モード燃費はリッター20.0kmとなる。

V40 D4 SEの魅力は「ディーゼルだから」だけではない

加えれば、そんな高速クルージング中心の走りでは、今回のテストドライブ中もリッター18〜19km程度の燃費をコンスタントに記録した。このモデルの場合、カタログ上のJC08モード燃費はリッター20kmという値。が、それは決して〝絵空事〞などではないわけだ。
かくして、久々に長時間のテストドライブを行ったV40 D4 SEに、改めてディーゼルモデルならではの特長をまざまざと実感させられた一方、そんなこのモデルの魅力が、決して「ディーゼルだから」という点のみには依存していないことも再確認した。

画像: ラゲッジルーム容量は標準時335リットル。40:60分割可倒式リアシートを倒せば最大1032リットルにまで拡大できる。

ラゲッジルーム容量は標準時335リットル。40:60分割可倒式リアシートを倒せば最大1032リットルにまで拡大できる。

画像: ラゲッジルームのフロア下にもスペースがある。またフロアボードは折り畳むことで、パーテーションボードとしても使うことができる。

ラゲッジルームのフロア下にもスペースがある。またフロアボードは折り畳むことで、パーテーションボードとしても使うことができる。

自動ブレーキなど10種類の安全デバイスが“インテリセーフ”として標準装備

たとえば、その全長4370mm、全幅1800mm、全高1440mmというサイズは、日本のどこに乗りつけてもまず過大さを意識せずに済むものだし、5.2mという最小回転半径もまた同様。歩行者や自転車にも対応する自動ブレーキを筆頭としたボルボが得意とする安全システムの数々を〝インテリセーフ〞としてパケージングした充実ぶりももちろん見逃せない。とくに全車速対応の追従機能付きクルーズコントールは、とくに混雑した区間で感じるストレスを大きく低減してくれることが改めて実感できた、という具合だ。

画像: ボルボは、「2020年までに新しいボルボ車での死亡者や重傷者をゼロにする」という安全目標「VISION020」を掲げている。その実現のためにオートブレーキやACC、BLISなどの安全デバイスを標準装備にしている。

ボルボは、「2020年までに新しいボルボ車での死亡者や重傷者をゼロにする」という安全目標「VISION020」を掲げている。その実現のためにオートブレーキやACC、BLISなどの安全デバイスを標準装備にしている。

ハンドリングの自在度は高い一方、ちょっとかためテイストのフットワークなどに、前述エンジンの力強さも含めて「ここまでスポーティな仕上がりのモデルは必要ない」と、そんな感想を抱く人ももちろん存在はすることだろう。
が、それは承知の上で、最新ディーゼルモデルの実力をまだ知らないという人に対しては、「ぜひとも一度は体験をしておくべき」と、そうオススメしたくなる「V40 D4 SE」なのである。(文;河村康彦/写真:永元秀和) 

画像: V40 D4 SE 取材車両データ:ボディカラー:マジックブルーメタリック/シートカラー:チャコール・ブロンド/シートマテリアル:レザー ●試乗車装着オプション メタリックカラー(マジックブルーメタリック)83,000円、プレミアムサウンドオーディオシステム/マルチメディア 120,000円、パノラマガラスルーフ 190,000円、PCC(パーソナルカーコミューター)/キーレスドライブ 31,000円、パークアシストパイロット、パークアシストフロント 52,000円、レザーパッケージ(本革シート/助手席8ウェイパワーシート/フロントシートヒーター) 210,000円 車両価格 3,990,000円 + 装着オプション 686,000円=トータル 4,676,000円

V40 D4 SE 取材車両データ:ボディカラー:マジックブルーメタリック/シートカラー:チャコール・ブロンド/シートマテリアル:レザー
●試乗車装着オプション
メタリックカラー(マジックブルーメタリック)83,000円、プレミアムサウンドオーディオシステム/マルチメディア 120,000円、パノラマガラスルーフ 190,000円、PCC(パーソナルカーコミューター)/キーレスドライブ 31,000円、パークアシストパイロット、パークアシストフロント 52,000円、レザーパッケージ(本革シート/助手席8ウェイパワーシート/フロントシートヒーター) 210,000円
車両価格 3,990,000円 + 装着オプション 686,000円=トータル 4,676,000円

燃費、走り、安全&運転支援システムなど魅力がたくさん詰まっている

画像: ヘッドライトはアクティブベンディング機能付きデュアルキセノン。LEDドライビングライトはヘッドライトに連動して点灯する。

ヘッドライトはアクティブベンディング機能付きデュアルキセノン。LEDドライビングライトはヘッドライトに連動して点灯する。

画像: クロームトリムが特徴的なサイドからのフォルム。躍動感あるスタイルでありながらドイツ車とは違うデザイン的な魅力を持つ。

クロームトリムが特徴的なサイドからのフォルム。躍動感あるスタイルでありながらドイツ車とは違うデザイン的な魅力を持つ。

画像: ミリ波レーダー、赤外線センサー、デジタルカメラを装備する。ちなみにガソリンT5とディーゼルD4の車重差は30kg程度だ。

ミリ波レーダー、赤外線センサー、デジタルカメラを装備する。ちなみにガソリンT5とディーゼルD4の車重差は30kg程度だ。

画像: リアドアのプレスラインやテールゲートのブラックガラスは1960年に登場したボルボP1800からインスパイアされている。

リアドアのプレスラインやテールゲートのブラックガラスは1960年に登場したボルボP1800からインスパイアされている。

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