大人気の大河ドラマ真田丸

NHK大河ドラマ真田丸が好調だ。三谷幸喜も最近はつまらなくなったと言う人達もいたので,名誉挽回の素晴らしい脚本でネット上ではあまちゃんフィーバー並みに放送の度に熱い書き込みで溢れている。

そんな真田丸で評価が分かれているのが恋愛模様の描き方だ。中でも長澤まさみが演じている真田家家臣髙梨内記の娘役「きり」が時代考証がおかしいということでネット上でも大避難の嵐だ。

確かに彼女だけセリフは完全に現代語で,ストレートに恋愛感情だけで動くそのわがままぶりに見ていて冷めるという意見も多い。

大河ドラマの中に月9をしのばせた三谷幸喜

しかし,退廃主義的には違う見方をしてみたいと思う。これまで戦国時代の女の生き方の描き方と言えば,戦乱の世に振り回され耐えしのぶ設定。今回も母親から娘まで人質の駒として使われる様が描かれている。そして,権力を持った男達のいいなりにとして結婚させられたり,側室になったりというあくまで昔話だよねというような描き方だ。

しかし,今回の脚本は恋愛模様になった途端に現代の物語へとタイムスリップするのだ。堺雅人演じる真田幸村をめぐる三角関係の描き方はまるで現代男女の恋愛模様のよう。焼き餅を焼く長澤まさみはもはや月9の主演女優のようだ。

つまり恋愛だけは感情移入をしやすい脚本だと言えよう。もはやそんなことに興味無い男性大河ドラマファンからしたら突然の月9にとまどうのも無理は無い。やめてくれという感じだろう。同じく恋愛ドラマに興味の無い女性陣もそうだ。むしろ自分は無縁だった恋愛を敵視しているような女性達からしたらイライラがつのるばかりだろう。

一夫一婦制のしばられた現代の恋愛の呪縛をとけるか

そしてこの先どのように描くかは読めないのだが史実からするときりは真田幸村の側室になる。黒木華演じる梅が死んだ後なので現代的な後妻として描かれるかも知れないがどちらも側室なのだ。史実では本妻は大谷吉継の娘竹林院になる。つまりどちらも側室として同時並行な恋愛が可能であったのだ。一夫一婦制の現代の恋愛感情移入の中に側室含め5人の妻と一夫多妻をしていた戦国時代の状況をどのように描くか。ここが三谷幸喜に期待したい最大のポイントだ。そもそも一夫一婦制を前提とした恋愛模様に我々は捕らわれすぎていないだろうか,事実婚やポリアモリーのように自由な恋愛の中で同時に複数の人々を愛するという自然な感情を是非真田幸村という人物をとうして描いて欲しい。それが退廃主義的大河ドラマの見方である。

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