バレンタイン
今年恋人達の守護聖人として信仰されてきたキリスト教の聖職者ウァレンティヌスの記念日バレンタインデーがやってきた。海外では恋人達が花やカードを贈る習慣となっているところもある。ところが日本ではお菓子会社の陰謀で何故かチョコレートをあげる日になった。そのため長年クリスマスと並び世の男性達にとっては悲喜こもごもな日として記録されてきた。
しかし,昨今恋愛そのものが下火であり,恋人どころか好きな異性がいないという男女が増えている。そのため女子にとっては女子同士や自分への贈り物として高単価なチョコレートを買う女性が増えている。いずれにしてもチョコレートメーカーとしては大事な日である。
だが何故女子はここまでチョコレートが好きなのかと考えた時,実はチョコレートは中世から「媚薬」とされてきた歴史をひもとく必要がある。そう考えると退廃主義的には俄然楽しい習慣とも思えてくるのだ。
アステカの宝
古代マヤやアステカ文明の時代はカカオ豆は金持ちのシンボルでもあり,知恵とパワーのために金持ちがチョコレートドリンクを飲んでいたと言われている。今で言えば貴重な健康食品だったということになる。やがて征服者であるスペイン人達がこのことを知ると秘密として隠し守っていたようだがやがて秘密はばれ,ヨーロッパの上流階級の間に広まったようだ。アステカの皇帝モンテスマがハーレムに行く前に必ず飲んでいたということから当時の貴族の間でも媚薬としての効果がすでに広まっていたようだ。
恋愛ホルモン「フェニルエチルアミン」
現代科学はこの媚薬の成分をすでに特定している。PEA(フェニルエチルアミン)というドーパミンなどと同じ脳下垂体から分泌され,脳内で性的興奮と快感に直接関係する神経伝達物質として機能するのだ。こんな効果があるならむしろ男性から女性に積極的にチョコレートをプレゼントするべきなのかも知れない。そしてこのフェニルエチルアミン実はチーズやワインにも含まれているようだ。イタリアンやフレンチでメインを食べた後に,「チーズはいかがですか?」と言われた時についついそれまでに食べ過ぎてお腹いっぱいだったり,「チーズはコース料金とは別だし高いかもな」などの邪念が渦巻くかも知れないが,実はメインの後にワインとチーズを食べ,デザートでチョコレートを食べることこそが退廃主義的なデートしては重要だったのだ!
さあ明日から退廃主義紳士諸君はカバンにチョコレートを忍ばせようではないか。