【すべてはロードレースの為に！】第１回 ダートトレーニング編

「いつもライディングを教えてもらってる青木宣篤さんが『冬の間のトレーニングをしとかないと勘が鈍っちゃうよ』ってオフロードでのトレーニングをいろいろ設定してくれて。だから今回はまた、去年も行ったオフロードビレッジで練習したいです」と福ちゃん。
しかも最近は、オフロードとはいえ、オンロードでの走りを念頭に置いてのトレーニングに集中している福ちゃん。つまり、ダードで走ることを上手くなるのはもちろん、ダートに慣れすぎずに、きちんとサーキット走行に役に立つ練習をしようってテーマになったのだ。

「オンのことを念頭に置いてなら、 足出しナシでコーナリング練習をし た方がいいですね。あんまりオフ練習しちゃうと、ダートの走りばっかりうまくなって、かえってロードでタイムが出なくなっちゃうこともあるんです。そこに気をつけていきま しょう」（ソードー選手）
　
ちょっとおさらいしておくと、オフでの走行は、上体をリーンアウトさせて、イン側の足を出してコーナ リングしていくのがセオリー。ただし、あくまでオンロードの練習のつもりで走るなら、ダートでもオンロードのつもりで走るのがいい。

「そうなんです、最近はノブ先生のところでも足出しとリアブレーキ禁止で、何ならイン側の足はヒザ出しのつもりで走ろう、って方向でやってます。やっとイン側の足出してス ライドさせて曲がれるようになったのに、足出し禁止って、すんごい難しいんですよ」と福ちゃん。

「オフのトレーニングは、突き詰めて言えばバイクのコントロール能力を上げるためですからね。本当はフロントブレーキだけで減速して、フ ロントタイヤに荷重かけながら、上体をイン側に入れてヒザ出して曲がる、っていうロードと同じ動きに近づけるのが理想なんです」とソード ー選手。事実ソードー選手のマシンコントロールはズバ抜けていて、練習用の450㏄マシンで、リアスリ ックタイヤでの走行も見せてくれる。

ダート練習ではつきものの転倒も数え切れず（笑）。それでも、ダート走行にありがちな、立ち上がりでリアを滑らせ過ぎてのロー／ハイサイドの転倒ではなく、進入でフロントを切れ込ませて転んだり、マシンをバンクさせるタイミングで転んだり。実はこれが、ロード練習が進んでいる証拠なのだ。

コーチ役のソードー選手も福ちゃんの上達に舌を巻く。「ダートで足を出さずに曲がるなんて、そんな簡単にはできないんですけど、福田さん、普通に上手いです（笑）。ダートだと、ついつい派手なアクションができるようになって、そっちを練習しちゃうんですけど、福田さんは出来るのにあえてやらない。それがスゴい」