ライダースジャケットは、いまやオートバイ乗りの御用達というよりも、老若男女を問わないファッションアイテムになりつつある。タウンユースに使えるデザイン性はもちろん、どうせならバイクに乗った時の安心・安全を担保する機能性も欲しい。
ならば、世界で一着の、自分専用にカスタムしたオリジナルレザージャケットが欲しい!
・・・というわけで、シンイチロウアラカワにお願いして、レザーカスタムをオーダーすることになったのです。

ロレンス編集部 Saori記者。彼女をサンプルに シンイチロウアラカワのご協力のもと、今流行りのライダースのカスタムオーダーをレポートしてきた。

実は、ここでもう一人、この企画に便乗してライダースを注文した人物がいたのだw
彼の名前は敢えて伏せて、ここではK氏、と呼ぼう。

オートバイ乗りではないK氏も、ライダースを同時に発注していた。

K氏はオートバイ乗りではない。
ただ、前述したようにいまやライダースを着るのはバイク乗りとは限らない。タウンユースとしての地位を完全に確立したのがライダースなのだ。

ただ、ダブルのライダースは、シングルに比べると若干ハードさが勝り、やはりバイクのイメージが強くなるのも事実だ。もちろんそれを承知でダブルを選ぶ人も多いし、あるいは牛革ではなく羊革を選ぶことで、より薄く軽く柔らかくして、街着らしくするという手段もある。

しかし、K氏の場合は、ダブルではなく、シングルを選ぶことにした。
革は ラム革 特に柔らかい部位の牛革をセレクト。
そして、なんとカラーはオフホワイト!かなりレアな選択と思ったが、K氏が言うには、既製品で白い革ジャンはなかなかないし、あっても気に入るデザインがあるとは限らない。そして、既製品で比べてしまえば無難な黒を買ってしまいがちだ。だからこそ、オーダーするならいつかは欲しいと思っていた白を選びたいのだ、と彼は考えたのだった。

画像: 白いシングルライダースはなかなかない。

白いシングルライダースはなかなかない。

さらにK氏は言う。普通のブランドで、誰もが手にとって確かめられる既製品であれば、レザーを買うという選択はなかったと。
安心できるデザイナーの手によるオーダーメードで、自分の体型にきっちり合わせた、自分だけの一着。生涯の一着が欲しくなったのだと。

バイク乗りではないからこその美意識で作った一着

K氏のデザインの希望には、僕たちのようなバイク乗りにあるような縛りはない。
ライダースジャケットには、シングルとダブルという大別の他にも、ShottやVansonに代表されるような

USモデル
特徴としては腰のフロントにくるベルトや、着丈の短さ。これはハーレーなどのアメリカンバイクの乗り方であるゆったりとしたライディングポジションに最適化してある
UKモデル
前傾姿勢のカフェレーサーに合わせて、サイドにアジャストベルトがついていて、タンクに傷をつけないようにフロントに金具がない。また着丈も前傾の際に背中が出ないようにやや長めだし、スタイルは非常にタイトである、

がある。

画像: VansonのトラディショナルなUSモデル www.vansonleathers.com

VansonのトラディショナルなUSモデル

www.vansonleathers.com
画像: Addict ClotesのUKヴィンテージスタイルのダブルライダース。ラペルも小ぶりで、Vansonと比べてみればわかるように 胴囲に余裕を持たせないのでポケットに手を突っ込むことができない、横型のジップになっている。 addict-clothes.com

Addict ClotesのUKヴィンテージスタイルのダブルライダース。ラペルも小ぶりで、Vansonと比べてみればわかるように 胴囲に余裕を持たせないのでポケットに手を突っ込むことができない、横型のジップになっている。

addict-clothes.com

バイク乗りだと、そうした歴史的背景などのウンチクをもとにデザインを考えそうなものだが、K氏にはその縛りがない。自由な発想で、荒川さん(荒川眞一郎氏:シンイチロウアラカワのオーナーでありデザイナー)にいろいろな注文をしたのである。

その結果できたのがこの一着だ。

画像: 表は純白、というよりはややベージュに近いオフホワイト。ラム革と見紛う柔らかさの特別な牛革を採用。

表は純白、というよりはややベージュに近いオフホワイト。ラム革と見紛う柔らかさの特別な牛革を採用。

画像: 裏地のキルティングは黒。背筋に沿って赤いライナーを入れた。ブランドタグとクロスして、ちょうど赤い十字架のようなデザインになる。

裏地のキルティングは黒。背筋に沿って赤いライナーを入れた。ブランドタグとクロスして、ちょうど赤い十字架のようなデザインになる。

画像: 白いだけに袖口が煤けるのを怖れたK氏は、黒革を袖口に充てることを提案し、荒川さんが絶妙なサイズで処理した。

白いだけに袖口が煤けるのを怖れたK氏は、黒革を袖口に充てることを提案し、荒川さんが絶妙なサイズで処理した。

画像: 裏の返しにも黒革を使う。ジッパーは黒だが布地にシンイチロウアラカワのイメージカラーである赤を入れた。 サイドのポケットにも同じように赤を差して、白・黒・赤の鮮やかなコントラストをさりげなく見せる。

裏の返しにも黒革を使う。ジッパーは黒だが布地にシンイチロウアラカワのイメージカラーである赤を入れた。
サイドのポケットにも同じように赤を差して、白・黒・赤の鮮やかなコントラストをさりげなく見せる。

画像: 後ろから見ると、着丈はやや長めである。

後ろから見ると、着丈はやや長めである。

体型を維持することを自らに強いる、珠玉の一着が出来上がった

画像: 顔は映さないが見事にドヤ顔のK氏。出来上がりに非常に満足したようだ。

顔は映さないが見事にドヤ顔のK氏。出来上がりに非常に満足したようだ。

K氏いわく、レザージャケットをフルオーダーで作ったのは初めてのことで、出来上がりを楽しみに待っていたとはいえ、若干注文時の自分のイメージとは異なる出来であってもやむをえない、受け入れようという、ちょっとした”覚悟”をしていたとのことだ。

ところが実際に袖を通してみると、まさしく自分の体型にぴったりで、想像していた以上の一着が出来上がってきたことに良い意味での衝撃を受けたという。しかも新品と思えないくらい着心地がよい。

すごく体にフィットしていて驚いた、とK氏は言ったが、同時に「これは太れないな・・・」とポソッとやや不安げにつぶやいていたのが印象深かった(笑)。

いろいろ頭をひねってアイデアを出し、その通りに(いや、それ以上に)作っていただいた一生ものの一着。そんな特別なレザージャケットのために今後の半生、体型を維持することを誓えるなら、それはこうしてフルオーダーの”革ジャン”を購入した甲斐があった、そう言えるのではないだろうか。

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