『ケンタウロスの伝説』(けんたうろすのでんせつ)は原作オサム(大竹オサム)、脚色・作画御厨さと美による日本の漫画作品である。- Wikipedia

『万歳ハイウェイ』の原作者 オサム先生が、実在のモーターサイクルクラブ「ケンタウロス」を取材して書き下ろした作品。

高校一年生のときに、友人の家に一泊した時に手に取ったバイク漫画。


ケンタウロスとはギリシア神話に登場する上半身が人間、下半身が馬という半神。バイクにまたがるライダーの姿に似ることから、比喩としてバイク乗りに対して用いることも多い。

画像: ©オサム・御厨さと美先生 x 集英社

©オサム・御厨さと美先生 x 集英社

この漫画のケンタウロスとは、実在する横浜の(もしかしたら最古かもしれない)バイクチームの名前だ。カリスマ的なリーダーのもと、暴走族とは少しちがう、それなりに成熟した年齢の男たちが集う、摩訶不思議な集団である。


正直言って、16歳の僕には、この漫画の良さがよくわかっていなかった気がする。いや、今の若い人にこの漫画を勧めてみても意味がわからないだろうと思う。
それでも、ザラザラして粗い画とまとまりのない物語の中に、十代の男が持つ苛立ちと激しくカタルシスを求める衝動を感じ取ることはできるのではないか?

ストーリーはシンプル

簡単にストーリーを説明する。

若くしてレースで事故死したレーサーの弟である主人公ケン坊が、波止場で出会ったバイク乗りの美女に惹かれて追いかける。実はその美女はケン坊の死んだ兄の元恋人であり、ケンタウロスのメンバーだった、というもの。
ケン坊は、そのメンバーの中の米軍脱走将校のアーサーとなにかとぶつかり合うが、やがて友情が芽生える。アーサーは米軍の憲兵に逮捕されるリスクを承知の上で、バイクの草レースに出場するが、ケン坊もまたアーサーとの友情と反発の思いから、死んだ兄貴への複雑な感傷を振り切ってレースに参加する。

600マイル走り抜くモチベーションはたった一杯のコーヒー

バイクに乗ることに、さまざまな意味を持たせることに、当時の僕はあまり共感を覚えることはなかったのだが、そもそも空手やキックボクシングなど危険なスポーツにしか興味を持てない性分であっただけに、無謀な運転をするバイク乗りたちの激しい姿には惹かれた。

特に、一杯のコーヒーを飲むだけのために横浜から神戸にバイクで向かい、飲み干したらすぐに帰ってくる「600マイルコーヒー」(往復で1000km程度=600マイル)に興じるケンタウロスの姿に痺れた。実際にはとてもついていけないし、行く気もおきないのだろうが(笑)

それでも、無茶をする、無謀なことをする、そういう馬鹿げた衝動を抑えきれないことこそ、十代の特徴だし、人に迷惑をかけることでもない限り、大人が大目にみることで、社会はバランスをとっていくのではないだろうか。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.