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エキパイ

「エキパイ」!響きだけ聞くとなんか可愛い!このワード、バイク乗りの方からしたら常識ですよね?

というわけで「エキパイ」について詳しく編集長に聞いちゃいましょう!教えてロレンス編集長〜!?

正しいお答え: from ロレンス編集長

はい、お答えします。

「エキパイ」とはエキゾーストパイプの略で、マフラーの後方についているサイレンサーと、エンジンを繋いでいるパイプのことです。ここでは4ストロークエンジンのエキパイについて解説します。

画像: Honda CB400 Fourの美しいエキパイ www.classic-japanese-bikes.com

Honda CB400 Fourの美しいエキパイ

www.classic-japanese-bikes.com

バイクはガソリンなどの燃料(混合気)を、エンジンのシリンダー内で爆発させて、そのエネルギーを回転運動に変換して走っています。その際に燃焼した混合気は、排気ガスとなりシリンダーから排出されるですが、爆発直後の排気ガスはまさに爆風のような高温の高圧ガスで、その噴出速度は音速にも達するそうです。マフラーはそもそも、その高温のガスを車体の後方に逃がすために装着された部品でした。

エキパイとサイレンサーからなるマフラーは、高温・高圧の排気ガスの温度を下げて、爆圧で発生する音を低くしています。その中でもサイレンサーはその名の通り、音を小さくする役割があるということは、アキちゃんにも想像がつくと思います。では、エキパイはエンジンとサイレンサーを繋ぐただのパイプなのでしょうか。実はエキパイにはエンジンの性能を左右する、重要な役割があるのです。

これはちょっと難しいかもしれないので、なるべく分かりやすく説明します。一般的にエンジンは、ピストンの上下動で発生する負圧によって、キャブレターから混合気をシリンダーに吸引して、圧縮・爆発したあとエキパイから排出しています。これを空気の流れとして[エアクリーナー]→[キャブレター]→[シリンダー]→[エキパイ]→[サイレンサー]→[排出]と考えてみて下さい。

この空気(混合気〜排気ガス)の流れを作っているのは前述のように、ピストンが上下することで生まれる圧力です。エンジンが回っている間は、入口から出口まで常にここでいう空気が流れ続けています。ところがエンジンは[吸気]→[爆発]→[排気]というサイクルの中で、[爆発]の行程ではバルブを使ってそのつどシリンダーを密閉しています。

一方でエキパイの内部では、常に排気ガスが出口に向かって流れようとします。排気側のバルブが閉鎖された一瞬も、長いパイプの中にある排気ガスは出口に向かおうとしますから、その瞬間はエキパイがエンジンに接続されている周辺は、真空に近い状態になります。再びバルブが開くと、そこで発生している負圧によって、シリンダー内の排気ガスが自然とエキパイに吸い出され、排気の効率を高めているのです。

さらにエキパイは、エンジンのパワーを上げるためにも重要な働きをしています。シリンダーで燃焼させる混合気は、燃焼済みの排気ガスがエキパイから排出された直後に取り込まれますが、この時、吸気バルブと排気バルブが同時に開く瞬間があります。これをバルブオーバーラップといいます。これによってピストンの負圧だけではなく、エキパイ内で排気ガスが出口に向かって流れようとする力も利用して、より多くの混合気をシリンダーに導いているのです。

かのPOPヨシムラさんが考案したといわれる集合マフラーも、エキパイの排気効果を高めるための工夫でした。また、エンジンの回転数に合わせて、エキパイの内径を変化させる「排気デバイス」や、エキパイの途中にチャンバー(膨張室)を設けるなど、パワーアップのための様々な技術が開発されています。一見するとただのパイプのように見えるエキパイですが、エンジンの下にあって、まさに縁の下の力持ちのような存在なのですね。

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