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「酒は百薬の長」適量の酒はどんな良薬よりも効果がある??

お酒好きの方は、一度は口にしたことのある言葉ですよね。お酒を飲むことに前向きになることができそうな、何ともありがたいことわざです。(適度な量ならば、という条件付きですが)

さて、奄美大島でも、もちろん古くから飲まれている、ある焼酎があるのです!
長寿の島 奄美大島で飲まれているのなら、なんだか健康になれそうな気がしてきませんか。今回はその 「〇〇焼酎」 についてご紹介しようと思います。

「〇〇焼酎」の正体は…?

〇〇の答えを思い付いたでしょうか? 

芋、米、麦、泡盛など、焼酎にも様々な種類があるのですが、今回の答えはこの中のどれでもありません。

奄美大島で愛飲されている焼酎とは、「黒糖」焼酎なのです。

画像: 奄美の黒糖焼酎 ja.wikipedia.org

奄美の黒糖焼酎

ja.wikipedia.org

焼酎好きの方ならご存じでしょうが、黒糖焼酎の特徴は、原料に 黒糖米麹 を使用していることです。同じサトウキビを原料にしているお酒に「ラム酒」がありますが、「ラム酒」はつんと突き刺すアルコールの力強さが特徴なのに比べて、「黒糖焼酎」はふんわりと優しい甘さで、深くなめらかで飲みやすいお酒です。

そして、沖縄県の「泡盛」と技術のベースは似ているのですが、「泡盛」は原料はお米のみです。また、「泡盛」は黒麹を主流としているのに対し、「黒糖焼酎」の主流は白麹なのです。

奄美黒糖焼酎(あまみこくとうしょうちゅう)は、鹿児島県の奄美群島で造られている、米麹とサトウキビからとれた純黒砂糖を原料に醸造し、単式蒸留した本格焼酎。奄美大島酒造協同組合の地域団体商標である。

もちろんご存じの方もいらしたことと思いますが、奄美の黒糖焼酎はまだまだ知名度は低いです。
最近でこそ、関東や関西でも少しずつ見られるようになってきましたが、焼酎全体の消費のわずか約2%しか占めていないので、初めて耳にした方も多いことでしょう。
というのも、この黒糖焼酎、実は奄美群島でしか製造が許可されていないのです。

黒糖焼酎の歴史

「なぜ奄美群島でしか作ることができないのか?」そこには深い歴史があるのです。

画像: 黒糖焼酎の原料 サトウキビ畑 woman.mynavi.jp

黒糖焼酎の原料 サトウキビ畑

woman.mynavi.jp

奄美の焼酎の原型は、 江戸時代にまで遡ると言われています。16世紀前半、奄美群島が当時の薩摩藩の支配下にあった頃、藩から焼酎の貢納を命じられたといいます。そこで、島民は沖縄県(当時の琉球王朝)から伝えられた蒸留の技術を用いて、焼酎の製造を行ったそうです。

ただこの頃はまだ黒糖焼酎ではありません。なぜなら、黒糖焼酎の原料である黒糖は薩摩藩の専売品であり、庶民が許可無く利用することはできなかったからです。このころでは、焼酎の原料としては椎の実や粟、ソテツなどが使われていたと考えられています。

明治時代になると、明治新政府により酒造の免許制が始まり、製造に届け出と免許料が義務付けられました。しかし奄美では、販売目的の製造ではなかったため、焼酎製造は各家庭の自家製酒として作り続けられることになりました。(味噌や醤油もすべて自家製だったのだとか)

その後、1945年(昭和20年)に 日本が太平洋戦争に敗れると、奄美群島はアメリカ軍政下に置かれ、日本本土とは切り離され流通も制限されました。
それにより米は不足し、また、江戸時代から本土に出荷していた黒糖が、大量に余ってしまうという事態が引き起こされました。

島民の生活は貧困化し、それを見兼ねたアメリカ軍が課税を条件に、自家用の焼酎製造の販売を特例で認めました。そこで島民は本土に出荷できずに余ってしまった黒糖を使って焼酎を作り出すことに乗り出します。ついに、奄美黒糖焼酎が登場するのです。

1953年(昭和28年)、奄美群島は晴れて日本の領土に復帰することが出来ました。しかし当時の日本の酒税法では、焼酎の原料として砂糖は認められておらず、黒糖を使った蒸留酒である黒糖焼酎は、ラム酒と同じスピリッツに分類されてしまいます。その結果、焼酎よりも三割高い酒税を課せられました。
この課税は販売に支障が出るほど、大きな負担となり、再び困った島民たちは国税庁に陳情します。長い話し合いを経て、本土復帰6周年の1959年12月25日に、奄美群島でのみ黒糖を使った焼酎製造が認められたのです。

今は、奄美の特産品として多くの人に親しまれている黒糖焼酎ですが、今に至るまでに、400年という長い歴史と、多くの島民の苦労と努力が隠されていたのです。

黒糖焼酎の美味しい飲み方ベスト4

黒糖焼酎の歴史を簡単に説明しましたが、ここまでくると、もうなんでもいいから飲ませてくれ!という方もいらっしゃいそうです(笑)

ワインと比べてもポリフェノールが1.5倍と、血液サラサラ効果が高そうな焼酎。蒸留酒であることから、実は糖質がほとんどなく、ヘルシーなお酒、焼酎。
しかも、蒸留によって、「香味成分」としてアルコールと共に抽出されることで生まれる風味が、なんともいえない「あまさ」を感じさせてくれるのは、サトウキビの黒糖を使う奄美の黒糖焼酎ならではの楽しみです。

本記事を作成するうえで参考にさせていただいた、鹿児島県酒造組合奄美支部・奄美大島酒造協同組合のサイトによると、美味しい飲み方は以下の4つです。
みなさんは、どんな飲み方がお好みですか??

★ストレートロック
 黒糖の甘い香りと米こうじ由来の風味が楽しめます。

★お湯割り
 奄美黒糖焼酎の良さを一層引き立てる飲み方です。香りやコクが楽しめます。お湯で割ることでアルコール度数を調整でき、強いお酒が苦手な方でも美味しく飲めます。

★水割り
 味や香りもすっきり爽やか。黒糖焼酎を楽しむにはやや濃いめがお勧めです。お気に入りのグラスに氷を浮かべ奄美黒糖焼酎を注ぎ、お好みでレモン果汁などを加えても美味しいです。

★カクテル
 奄美黒糖焼酎をベースにすることで、いろんなバリエーションが楽しめます。例えば奄美の果物を使ったプラム割り・ パッション割り・タンカン割り等がありますが、奄美黒糖焼酎をベースにして自分流の飲み方を探してみるのも面白いの では?

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