最近色々あって落ち込み気味の私に、友人からの優しいお誘い。
「ginger、最近落ちてるらしいじゃん?俺とちょっと楽しいことしようよ」
相手がもうちょっと若いイケメンだったら、違う意味に聞こえる内容だけど、彼とは長い友人なので、本当に楽しいことのお誘いであることは間違いない。だいたい彼の口癖は「gingerはほーんと俺のタイプの真逆!だから一緒にいてもなーんの心配もなくて俺が楽!」だからね。失礼しちゃうけど、そういう友人がいるのってこういう時救われるかも。
友人のお誘いは、SMバー
最初にSMバーに行くと聞いた時、迷わず帰ると告げた私。SMには苦い思い出があって、昔のカレが普段はオラオラ系のくせにプレイは超ドMで‥なんていうよくある話ではなくて、以前付き合いで行ったSMクラブのせい。新宿二丁目にあるそのクラブは、かなり本気な男性専門SMクラブ。腹の出た中年男性がネクタイとブリーフ一丁で亀甲縛りされていく様を見て、美しいものが好きな私はゲンナリ。SMというとその映像が浮かんでしまうので、避けていたわけ。だけども、友人が「俺が行くとこはそんなんじゃないから!美人しかいないし、ショーのレベルはかなり高いよ。」というので、芸術と美女とカワイコちゃんが大好きな私はしぶしぶ付き合うことにしたのだ。
西麻布の老舗SMバー、BLACK ROSE。
ということで、連れていかれたのは西麻布の老舗SMバー、BLACK ROSE。
かなりの有名店なので、その名前は聞いた事があったけれど、初めての訪問。西麻布交差点からすぐのビルのお店に足を踏み入れると、黒と赤の空間に横たわる美しい御御足と白いヒップ‥。
「あ、いらっしゃいませ〜!すいませんすぐ用意します〜!」
ボンテージの上からTシャツを着たセクシーな美女が慌ててソファから飛び起きて、駆け寄ってきた。まだ早い時間だったから、お休みしてたのね。起こしちゃってごめんね。なんだかボンテージにTシャツって、日常と非日常の掛け合わせですごい良いかも。
と、カウンターに席を用意され、マネージャーらしき男性が挨拶に現れ、とりあえずショーやりますね!と。客は私達しかいないのに良いのかなと思いつつ、本日1回目のショー開始。
エロティックで芸術的。目の前で繰り広げられる魅惑のステージ。
ステージもないし、いったいどこでショーをやるのかと思っていると、ライトアップと同時に目の前に大量のボンテージ美女が登場。カウンター席の前に、二段ステージのような、広い棚のような、人間が踊れるスペースがあり、音楽に合わせてボンテージ美女達が悩ましげに腰をくねらせたり、ムチで叩かれたり、首輪でつながれて鎖で引っ張られたり‥。SMの世界をアーティスティックにエロティックに表現していて、予想していたよりもレベルが高い。苦悶かつ恍惚とした表情、セクシーな動き、黒いボンテージの中に閉じ込められた白い肌と、照明に照らされる美しい腕や足。ほどよくいやらしくて、芸術的で、私はすぐににBLACK ROSEの世界に魅せられてしまった。
ムチで打たれ鎖につながれていた女性と乾杯
ショーが終わると、ボンテージの女性達が目の前で一緒に飲んでくれる。さながらガールズバーのようなスタイル。先ほどのショーで女王様にいじめられていた、ショートカットのキュートな女の子が私たちの目の前に。ちょっとハーフっぽい感じで、目が大きくて色が白くてすごく可愛い。「話があまりうまくないって言われるんです‥」と可愛らしく話す彼女をみると、先ほどのショーで苦悶しながら浮かべていた恍惚の表情と重なって、なんともいえない気分。まだ首輪から鎖が垂れ下がってるしね。奥の席では、男性達が普通に会話しながらも腕にロウソクを垂らされていたり、女性客がムチを体験したり、ボンテージを着させてもらったりと不思議な世界。ムチやってみますか?という誘いを丁重に断り、せっかくなのにごめんねと謝ると「全然!どう楽しんでもらっても大丈夫です。女性のお客様に来てもらえると、すごく嬉しいです」とニッコリする彼女。絶対にまた来ようと思って、また乾杯。
帰り道、心が軽くなっている自分に気が付いた。非日常の赤と黒の空間で、美しい女性や可愛い女の子のいやらしい姿と無邪気な笑顔を見ていたら、男性じゃなくても元気になってしまうみたい。友人はそんな私の様子にご満悦で、「今度は六本木の老舗に行こう!」と。もちろん快く承諾し、明日から頑張ろうと思って帰路についたのであった。
BLACK ROSE
東京都港区西麻布3-24-19 山中霞町ビル 6F
03-3404-5556
夜10時以降入店可