大盛況に終わったBIKE BUILD OFF 2015
2015年5月3日。
ゴールデンウィークのど真ん中のこの日。七里ガ浜に機械仕掛けの神が降臨した。
オートバイが大好きな老若男女が、思い思いのファッションに身を包み、神の呼びかけに応じて七里ガ浜の会場に集結した。彼らは、会場に早朝から並べられた、驚くほど精緻に組み立てられたカスタムバイクたちを眺め、ビールやコーラを飲み、ハンバーガーで腹を満たしながら、思うがままに自由な時間を過ごしたのだ。
Deus Ex Machinaが仕掛けたこのイベントは3日の10:00 - 16:00の6時間にわたって行われ、オートバイに興味がある多くの人たちを集め、大成功に終わった。(その模様はここにレポートがまとめられているので、ご覧ください)
もう一組の神の召集
しかし、僕がイベント会場に着いた時、すでに16:00を回っており、イベントは閉会し、スタッフは片付けに追われている状態だった。
僕が都内を出たのは14:00を過ぎていた。
第三京浜まではスムーズだったが、下道に入ると凄まじい渋滞で、結局16:00に間にあわせることができなかったのだ。
なぜこんな重要なイベントに遅れたのか。
それは、この日、僕は別の神々の召集に応じてテレビ画面の前から離れることができなかったためだ。
機械仕掛けの神に対して、鍛えられた鋼の肉体を持つ神々。21世紀のボクシングシーンをリードしてきた二人の天才、フロイド・メイウェザーとマニー・パッキャオの世紀の対決が、日本時間5月3日10:00から始まるとアナウンスされていたのだ。
バイクも愛しているが、ボクシングもまた僕の精神的な支柱の一つである。世界中のボクシングファンがここ数年待ち望んだ最高のマッチメイクがようやく実現したのだ。これを見逃すことはできない。もちろん、僕としては、この一戦を誰よりも早く記事としてネットに配信したいという思いがあった。
だから僕はヘルメットとグローブを傍におき、終り次第1分後には愛車にまたがって出発するような心持ちで、テレビの前に鎮座していたのである。
10:00から生中継、ではあったが、実際には前座とセミファイナルもまた世界タイトルやそれに準じる重要な一戦であり、結局メイウェザーとパッキャオがリング上にたち、ゴングが鳴ったのは12時58分だった・・・。
なんだかんだ愉快な一日だった。
試合が終り、神々の競演に酔いしれた余韻を楽しむことは諦め、僕は駐輪場に急ぎ、七里ガ浜へと向かった。ただ、結果は冒頭に述べたとおりだ。
ボクシングの試合の余韻は味わえなかったが、会場での熱気の余韻はなんとなく感じられた、というのが感想である・・。(負け惜しみともいう)
正直、編集長や宮崎記者の記事を読みながら、今回のイベントに参加できなかったことが残念でならないが、それでもタイムスリップして同じ選択を迫られても、結局同じことをするだろう。だから、しょうがない、と思うほかない。
ただ、間に合いはしなかったものの、会場に行くだけは行ったことは、やはりよかった。道程は混雑していたものの、気分良く楽しく走れたからだ。その意味では会場には時間内にたどりつけなかったが、この日確かに僕はイベントと同じ空の下にいたと思う。機械仕掛けの神の呼びかけに応じたことはまちがいないのだ。
会場では編集長も宮崎記者も僕を待ってくれていた。
コーヒーを飲み、談笑した。帰りには二台の空冷Zのランデブーを楽しめたし、ステーキを平らげた。
カスタムされた素晴らしいバイクたちは、編集長の愛情こもった写真で楽しむことができたし、結果オーライ、やはり2015年5月3日は、神に愛された愉しい最高の一日になった、そう思う。