第2次世界大戦後にイタリアで生まれたベスパスクーターは、長年チューニング趣味の素材としても多くの人に愛されました。ここにご紹介するのはそんな趣味人の作例のひとつ・・・強制空冷2ストローク2気筒488cc!! というオバケエンジンを搭載したベスパPXカスタムです!
244ccエンジンを、車体左右に配置!!
じつはYouTubeなどを検索してみればわかるとおり、ベスパの多気筒化カスタムってのは、そんなに珍しい存在ではありません。ユニットスイング方式を廃して他機種のエンジンを摘んだり・・・という荒技? 風のほか、ユニットスイング右側の単気筒エンジンを並列2気筒やVツインにしたり、その手法は様々です。
ベスパらしさをユニットスイングに求めるなら、やはり後者の多気筒化手法のほうが好ましいですが、エンジンを車体右寄りに積んだアンバランスな乗り物であるベスパを、多気筒化はさらにアンバランスにするのは言うまでもないでしょう・・・。
その点、ドイツのモトリーノ・ディアボロが製作したベスパPX改は244cc単気筒ユニットを車体の左右に積んでいるのが特徴です。重たいエンジンが左右に分かれて配置されているので、バランス的にも好ましい構造と言えるでしょう。
パワーチェックで58馬力を記録!!
モトリーノ・ディアボロのクリスチャン・ミュールバウワーとフランツ・ミュールバウワーは、2018年12月からこのベスパPX改を作り始め、2019年のSIPオープンデイというイベントまでの完成をプロジェクトのターゲットとしました。
このベスパPX改、ベスパファンであれば・・・そしてビッグ2ストロークファンであれば、誰もが一度乗ってみたい・・・と思うのではないでしょうか? まぁ実際乗るとしたら、ベスパの小径タイヤとブレーキで50馬力以上の大パワーをコントロールするための、自制心が求められますけどね・・・。
ともあれモトリーノ・ディアボロの力作であるベスパPX改のサウンドを、ぜひ動画にてご確認ください。