おそるべきは、無の境地
先に言った通りエンジンも、車体も良くなっています。
でもW800に乗って、いちばん伝えておきたいと思ったのは『別のこと』でした。
なんというかですね……W800って
ただ走っているだけで幸せ
なんですよ。
その気持ちが最上級。
伝えたいのは、ただひたすらに、その幸福感なんです。
ライダーの皆様であれば、わかりますでしょうか。
例えば海沿いを何も考えずに流すとき、旅で広大な景色の中を時速50kmで走るとき。
あの感覚です。
限りなく『無』に近い状態。
あれってバイクに乗っていて、最高の時間じゃないですか?
パワーでもスペックでもない、性能を超えたところにある快感。そこにこそW800の真髄があるように感じるんです。
Wならではのバーチカルツインの鼓動や重厚なマフラーサウンドに包まれながら、空気に溶けこんでいくように走る。
良い意味で、何もかもを忘れているひととき。
でもバイクの世界って、そういうのあるでしょう?
W800は、そんな『無になれる快感』の連続なんです。
W800はジャンルを超える
W800を強いてジャンル分けするならネオクラシックになると思います。
最近はバイクもジャンルがたくさんあって困りますよね(笑)
でも走っている感じとしては、ボクとしてのW800はもっと純粋に『オートバイ』というジャンルでした。
いや全部そうだろ!という意見もあると思いますけど、でもそう思う(笑)
W800 STREETとかCAFEにも同じ味わいがありますけれど、W800はもうひとつ踏み込んで、強く原点の楽しさを感じさせてくれる。
オートバイらしさ。
それがW800の個性なんだろうと思っています。
変わらず、いつも美しい
もちろん見た目でいうなら、W800はネオクラシックでしょう。
このシンプルなスタイルを現代に残すために、タンクの裏側にキャニスターを隠したり、たくさんの苦労があることも承知しています。
エンジニアやデザイナーさんたちの苦労は計り知れないものでしょうね。
けれど、それを受け取るボクたちの目に映るのは『変わらないまま』のカワサキW。
伝統とオートバイとしての美しさを今に受け継ぐスタイルです。
半世紀以上も前の、1966年に生まれた原点が650-W1。
その後のW3から時間が大きく空いて、そこからWに再会できたのは1999年のW650でした。
そして、最新のW800は今も走り続けています。
そういうカワサキのWを見ていると思うのは
時代が変わっても、いつ見ても『綺麗だなぁ』っていうこと。
ちょっと違うかもしれませんけど初恋の人に久しぶりに出会って、やっぱり変わらず綺麗で、ドキッとしちゃう感じでしょうか?
『昔も今も、貴女はずっと綺麗ですね』みたいな。
最初のW1から、最新のW800まで。
それぞれのWに、それぞれの魅力があって、その全部を美しいと感じるんです。
ちなみに……
もし本当に初恋の女性に久しぶりに会ったとしたら、みなさんはその時、どう思います?
いちばんだと感じるのは、はじめて出会った頃の昔の想い出?
それともこのW800のように、変わらず綺麗なままでいてくれた今の彼女でしょうか。
ボクはたぶん『綺麗なままでいてくれた彼女』に惹かれると思う。
想い出はとても大事だけど、それよりも『今』はもっと大事ですから。
そんなシチュエーションに遭遇したら「昔よりも、今の君がいちばん綺麗だね」って、真剣に口説きたくなっちゃうかも。
久しぶりだし、ちょっと飲みにでもいかない? なんてね。
いやぁ、これは流石に妄想が過ぎるか。
でもさぁ……
男なんて、大体そんなもんだと思いません?(笑)
再会を祝して、変わらぬ君に乾杯を!
KAWASAKI W800
変わらないでいてくれて、ありがとう。
現代の『W』が時代を超えて、綺麗なことに感謝です!
さすがカワサキ、センスが違う
もう応募した?
今回はKawa靴ですよ(笑)
笑いがわかる人なら、これは絶対に応募しかないでしょう!