年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、ナタリー・ポートマン主演の本格的西部劇『ジェーン』。
愛する者を守るため銃を手に取ることを決意した女性の戦いを描く
婚約者が南北戦争で行方不明になり、途方に暮れていた女性ジェーン(ナタリー・ポートマン)は、地元の有力者ビショップ(ユアン・マクレガー)を頼ったが、その美貌を逆に見込まれて売春婦にさせられてしまう。
彼女を救ったのはビショップ一家の一人、ビル・ハモンドだった。ジェーンに恋をした彼は仲間を数人射殺してジェーンを助け出す。
その後夫婦となり子宝にも恵まれた二人の前に、かつてのジェーンの婚約者ダン・フロスト(ジョエル・エドガートン)が姿を表すが、二人の様子を見て黙って立ち去る。ジェーンらの穏やかな生活はそのまま続くかと思われたが、やがてハモンドがビショップの手下に見つかり重傷を追ってしまう。動けないハモンドを抱えたまま逃げることはできないと判断したジェーンは、ダンに助けを求め、ビショップの追っ手を迎え撃つ決意をするのだが・・・。
ナタリー・ポートマンが主演・制作を務めた、古き良き時代のスタイルを踏襲した正統派西部劇。
芸達者が集まった正統派西部劇
女性を主人公にしているという点以外は、ほぼ昔ながらの西部劇を再現した作品。
とはいえジェーン自身がガンマンであるという設定ではなく、あくまで母として娘を守り、妻として夫を守ろうと奮闘する、一人の普通の女性である。
ジェーンを追い詰めるビショップ役にはユアン・マクレガー。不敵に笑い、悪事を働く悪党役を嬉々として演じているが、いつものあのバカっぽい笑みは抑え、あくまでも人を人と思わぬ傲慢な男の姿を描きだすことに専念している。
ジェーンの元婚約者で、他の男との生活を選んだ彼女を憎みながらも手を貸さざるえず死地に挑む男を演じるのはジョエル・エドタートン。無骨で一途な男を淡々と演じており好感持てる。