興行成績は振るわなかったが、映画そのものの出来は悪くないです。
周到に練られたプロットと美しくもおどろおどろしい画面作りは流石はリドリー・スコット
人類初の宇宙移民計画に応募した2000人の入植者を乗せた宇宙船コヴェナント号(コヴェナントとは契約を意味する英語)。目的地は惑星オリガエ-6。
突然のアクシデントで船長が命を落とし、船体もダメージを負うが、残されたクルーは船を停め、冷静に修理を行う。
そのとき、コヴェナント号は不思議な電波を受信。その電波を解析すると、聞こえてきたのはなんとジョン・デンバーの名曲「カントリー・ロード」のメロディ・・・。ということは近くに人間が存在する??
発信源を調べてみると、地球の環境に酷似した惑星が近くにあることがわかる。目的地であるオリガエ-6よりも入植に適している可能性があると判断したクルーたちは、その謎の惑星の調査に向かうが・・・。
1979年初登場以来、世界中のモンスター、クリーチャーファンに衝撃を与え続けたリドリー・スコット監督のエイリアンシリーズの最新作。
ネタバレはしないが、バッドエンドです
本作を観た人は知っているはずだし、観ていないけれど興味のある人ならほぼ間違いなく、猛烈に後味の悪いバッドエンディングを想定していると思う。
過去全ての作品において、主人公たちは必死に生き残りを図って戦い抜くが、最後の最後で(本人たちがそれを理解しているかどうかは別として)最悪の災厄が待つ状況に追い込まれることは、観客に理解させるような終わり方をするのだから。そのことを理解しているなら、本シリーズを観続ける意味はある。
とはいえ、本作の興行成績は、前作「プロメテウス」と比べてもあまり振るわず、続編はもう作られない可能性が高いらしい。
本作はかなり「プロメテウス」との関係が深く、それがゆえに「プロメテウス」を観ていないとわからない部分が多いし、「プロメテウス」自体が2013年の作品なので観ていても思い出せないことが多い。となると本作を100%楽しめないということになる。
映画自体は悪くないできだが、「プロメテウス」との関係性や、続編への色気を持ちすぎることが敗因かもしれない・・・。それは(米ユニバーサル・ピクチャーズが企画した、クラシックなモンスター映画をリメイクする一大プロジェクト)「ダーク・ユニバース」における「ザ・マミー/呪われた砂漠の女王」の失敗に通じるところかもしれない・・・。