男はいつまでオートバイ乗りの精神を持ち続けていられるのか。男はなぜオートバイに惹きつけられていくのか。そして男はなぜ速いものに憧れ、速いものを憎むのか。「バイク乗りのバイブル」としてバイクを愛する男たちに愛され続ける『キリン』の物語を紐解いていきたいと思います。

POINT OF NO RETURN(1巻~4巻)

小さな広告代理店に勤める38歳の男「キリン」は、業務で知り合った不動産会社の営業「橋本」に、自分のオートバイと橋本のポルシェでのバトルを持ちかける。
キリンにとってポルシェは、いつか絶対打ちのめさなければならない存在だった。若い頃、北海道の砂利道でバトルして負け、転倒してケガを負って以来、その思いは燃え尽きない残り火のように、彼の心に燻っている。
そしてクリスマスの夜、行きつけのバーで知り合った女を抱いたことから、その思いが再び燃え盛るようになる。その若い女にどうしようもなく心を寄せていく自分。だが、ポルシェとの関係に決着をつけなければ、自分はここからどこにも行けない。自分が自分であるために。そして新しい一歩を踏み出すために。キリンは無謀なバトルに突き進んでいく。

バイクを愛するロレンス読者の皆さんも無謀なバトルに突き進むしかない!そんな時代もあったはず。

向こう側とこっち側。今のあなたはどっち側に居ますか?