少し久しぶりの記事になる。
本業が妙に忙しかったせいなのだが、言い訳はしない。言い訳はしないが、読者の皆さんにとって、ほどほどに役立つとっておきのセリフを幾つか紹介することで、お許しいただこうと思っている。(F香のダイエット話も、まだまだ続くので、不定期にはなると思うが)

詳しくは言えないが、私は”言葉”というものを商売のネタにしている。
自分自身で言葉を作るし、過去の名言や名セリフを使いまわせるように多くのストックをしている。私自身のセリフを皆さんに伝えたところで、私を知らなければ説得力もないので、ここではなるべくそうしたストックの中でも、有名なものをご紹介していくつもりだ。

さて、第一回目としては、いささか切ない、悲痛なシチュエーションに至った時に、あなたがどう振る舞うかについての名言を紹介しよう。

それは、今夜あなたが恋にピリオドを打たねばならないときの、とっておきの言葉、である。

もし今夜、別れを告げなければならないとしたら

もしもあなたが、今夜最愛の異性と別れなければならないとしたら。
そして、それが互いに冷めたあとの味気ない別れではなく、どんな理由にせよ、お互いの胸のうちにまた情熱や、未練にも似た気分が残っているとしたら。あなたは別れゆく相手にどんな言葉をかけるべきだろうか。

思うに。古い、いや古すぎる映画で恐縮なれど、やはり名画『カサブランカ』で主人公を演じたハンフリー・ボガードの一言に尽きる気がする。

ハンフリー・ボガード(ボギー)とイングリッド・バーグマン@「カサブランカ」

ja.wikipedia.org

ハンフリー・ボガード(ボギー)とイングリッド・バーグマン@「カサブランカ」
ja.wikipedia.org
この映画で描かれる恋は、パリで出会った男女の大人の物語だ。第二次世界大戦の最中、フランスのレジスタンス運動に身を投じていた男と女が出会うことから運命の糸が絡まり始める。
女(イングリッド・バーグマン)には実は夫がいるのだが、事情があってそのことを誰にも言えない。そして男(ハンフリー・ボガード)はその事実を知らずに愛してしまうのだ。
当初は男の愛を受け入れ難く感じていた女も、やがて夫を忘れて男を愛してしまうのだが、運命は二人を引き離す。
それでも二人の運命は交錯し、二人はカサブランカ(モロッコ)で再び出会うのだ。

偶然にもまた出会ってしまった二人の間では、激しい恋情が再燃するが、男は自分のために夫を捨て、レジスタンスとしての任務も捨てようとすることに感謝しながらも、自分から身を引く。
「彼(夫)には君が必要だよ。そして君達には任務がある」
「私たちはどうするの?」と女。

「僕たちには一緒に過ごしたパリの思い出があるさ」

映画「カサブランカ」では実はもっと有名なセリフ「君の瞳に乾杯(Here's looking your eyes)」があるが、こちらはさすがに21世紀に真顔で言っても、うっとりしてくれる女性は少ない。爆笑されてしまいかねないw。

それにくらべれば、この「僕たちには一緒に過ごした◯◯の思い出があるさ」は、実に使い勝手が良いと思う。

ぜひ、いつか悲しくも切ない恋の終わりを迎えるようなことがあったら、未練がましいことは言わず、せめて最後だけでも思い切ってカッコつけて、このセリフ(◯◯を自分で置き換えてください)を彼女に言ってあげたらどうだろう。
楽しかった時間と、彼女と過ごせた幸運に感謝して、その気持ちを相手に伝えてあげてこそ、恋愛の正しい終わり方と思うのである。

英語ではシンプル。We'll always have Paris.

ja.wikipedia.org