公開が11月にリスケされたことでさらに期待が高まる007新作。アストンマーティンの名車たちも見どころの一つだが、今回はそこに登場するの1台の足もと=アルミホイールにスポットを当ててみたい。そこにはなんと「BBS」のロゴが刻まれていたのだ。◎文:神原 久(本誌)◎写真:アストンマーティン ジャパン

「リビング デイライツ」では、レーザー光線を発射

画像: くっきり浮かぶ「BBS」のロゴ。鋳造1ピースで、アストンマーティンV8への採用は1983年からだった。

くっきり浮かぶ「BBS」のロゴ。鋳造1ピースで、アストンマーティンV8への採用は1983年からだった。

画像: 劇中に登場するV8は、1983年~85年にかけて製造された「シリーズ4」。「580型」の5340cc V8DOHCは385psを発揮した。

劇中に登場するV8は、1983年~85年にかけて製造された「シリーズ4」。「580型」の5340cc V8DOHCは385psを発揮した。

映画007最新作「ノー タイム トゥ ダイ」に登場する4台の新旧アストンマーティンの中でも、「DB5」とともに「V8サルーン」がとても気になっている。

映画デビューは、87年公開のシリーズ第15作「リビング デイライツ」だった。最大の見せ場は、ティモシー・ダールトン扮するジェームズ・ボンドが美人チェリストとともにチェコスロバキアからオーストリアへと脱出を図るシーン。警察や軍隊の追跡を逃れるべくボンドは、V8に隠された秘密兵器を次々に繰り出す。

 中でもとくに印象的な高性能ぶりを見せつけているのが、V8に装備されているホイールだ。センターキャップからレーザー光線を打ち出してパトカーを上下に分割してしまったかと思えば、雪上では内蔵する鋭いスパイクを張り出させて、ボンドの激しいドライビングを見事にサポートする。

 撃たれたタイヤがパンクしても大丈夫。強靭なリムで凍結した湖面をノコギリのように円形に切り裂いて、追いすがるパトカーを沈没させる離れ業まで見せるのだ。

画像: クロススポークが複雑に入り組む個性的なデザインは、V8の力強い佇まいに似合う。

クロススポークが複雑に入り組む個性的なデザインは、V8の力強い佇まいに似合う。

 なんともスーパーなホイールだ(あくまで劇中の話とはいえ)が実はこれ、当時のドイツBBS社がアストンマーティンに供給していたもの。純正の15インチアロイ(アルミ合金)ホイール(鋳造)だ。

 もちろんレーザー光線は出せないにしても、極めて先進的なホイールとして当時、注目されていた。とくに貢献したのは、タイヤのサイズアップによるハンドリングと乗り心地の向上だという。

ホイールの軽量化&タイヤのワイド化によってハンドリング性能が向上

 V8では83年型のシリーズ4から、8インチ幅のBBS製アロイ(アルミ合金)ホイールを採用。従来のGKN製7インチアロイホイールでは対応できなかったタイヤ(ピレリP7)の幅広化を、可能にした。レースからのフィードバックとして当時は、ホイールの軽量化がダイナミック性能を高めることも知られていたようだ。

画像: 5340ccのV8DOHCは軽合金製のブロックに、4基のツインチョークウェーバーキャブを装備。

5340ccのV8DOHCは軽合金製のブロックに、4基のツインチョークウェーバーキャブを装備。

画像: レザーやウッドといった素材を活用して、クオリティの高い室内空間を演出。洗練された雰囲気だ。

レザーやウッドといった素材を活用して、クオリティの高い室内空間を演出。洗練された雰囲気だ。

 シリーズ4ではホイールの変更に加え、よりハイパワーなエンジンや質感を高めたインテリアなどが採用された。78年に始まった「オスカー インディア」の歴史の中でも、もっとも大きく進化を遂げた世代と言えるだろう。

画像: こちらは、日本BBSが1983年に発売したRS。鍛造技術を駆使し複雑なデザインを再現した。30数年を経た今、そのコンセプトは鍛造2ピースの名作「スーパーRS」に受け継がれている。

こちらは、日本BBSが1983年に発売したRS。鍛造技術を駆使し複雑なデザインを再現した。30数年を経た今、そのコンセプトは鍛造2ピースの名作「スーパーRS」に受け継がれている。

 ちなみに83年は、ドイツBBS社とワシマイヤー社が共同で、日本BBS株式会社を設立した年でもある。この時、市販が始まったのが「RS」。そのデザインはまさに、V8用のそれに通じる。

 奇しくもこのBBS、ブランドが誕生して2020年で50周年を迎えるという。そんなアニバーサリーイヤーに新作007では、どんな特殊機能を見せてくれるのか。V8の「足もと」にも注目しながら、作品を楽しんで欲しい。

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