バラードスポーツCR-Xとホンダをこよなく愛するカメラマン伊藤嘉啓氏の愛車CR-Xのオドメーターはなんと70万kmを越えている。これまで一体どこへ向かったのか、なぜそこまでCR-Xを愛するのか、そして今後の走行距離は何万kmに到達するのか…この連載を通してCR-Xの魅力とともに徐々に紐解いていく。今回は、懐かしさ満載な80年代のホンダ車が集うイベントについてのお話。(文:伊藤嘉啓/デジタル編集:A Little Honda編集部)
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懐かしいホンダ車たちが勢揃い!あなたは何台知ってる?
1月の最終日曜日、埼玉の越谷にある『しらこばと公園』で、旧いホンダのクルマが集まるって情報を聞きつけたので、取材に行って来た。
とても寒い日曜の朝、会場に到着すると、そこにはチョット懐かしいホンダ車たちが並んでいる。その中でも最初に目についたのは、白とシルバーのシティターボⅡ。シティはいまだに多くの人に愛されてて、皆それぞれに何らかのモデファイされていたりする。
だけど、この2台はそうした様子もなく、真っ先に換えられることも多いホイールも、純正のスチールを履いているところがポイントだ。2019年、シティのイベントに行って来たって話を『その30』で書いてるけど、こんなフルノーマルのブルドッグには出会えなかったから、とっても新鮮。さらにブルドッグの隣には、カブリオレや標準車のシティも並んでいた。やっぱり旧型ホンダのイベントにシティは欠かせない存在だね。
次は、会場の角にひっそりと佇んでたCR-Xの1.5i。初期型のルーフベンチレーション仕様、オプションのリアガーニッシュがいい感じだ。チョットばかり疲れた外観が、独特のオーラを放ってるようにボクには感じられた。大抵CR-Xは、ボディパネルが新車時のままだとクラックが入っちゃって、交換を余儀なくさてしまうけど、この個体はそのままだ。だけど、ボディ全体がシャキッと見えるんだなぁ、これが。ドアやボンネットのチリが合ってるから、手荒に乗られてなかったんじゃないかなっと想像できる。
大事に乗る=ピカピカに仕上げる、ってだけじゃないいい見本かも。適度に疲れた感じがあっても、そのクルマの歴史が感じられて、それはひとつの味として魅力的に感じてしまうんだ。ボクが乗ってるCR-Xは、塗り直したり補修したりしてるからキレイに見えるけど、実はいろいろな場所のチリが合ってないし、キズもたくさんあって、結構ポンコツだからなぁ。それなりに過酷な使い方をしてるからしょうがないんだけどさ。
CR-Xの隣に並んでるのは、レジェンド2ドアハードトップ。当時、提携関係にあったイギリスのオースチンローバーグループと共同で開発されたクルマだ。87年に追加された2ドアハードトップは、それまでの国産車にはないエレガントなスタイルが特徴。ボクの中では1300クーペかレジェンド2ドアハードトップがカッコいいホンダ車のツートップ! 低いノーズに細いピラー、伸びやかなプロポーション、ホント魅力的。こんな素敵なデザインのクルマがあったのに、今はないのがとても残念だ。
お次は、レジェンドの雰囲気を持った、コンパクトなセダン、コンチェルト。このコンチェルトも、レジェンド同様、オースチンローバーグループとの共同開発車。6ライトウインドウや、木目パネル、本革シートの設定があったり、何となく英国車っぽい雰囲気なんだよね。ベースは4代目のEFシビックで、エンジンもボクが乗ってるCR-Xと同じZC型エンジンを積んでいる。
ただ、マイナーチェンジ前はDOHCじゃなくってSOHCだったりするけど。写真のコンチェルトは、マイナーチェンジ前の4WD JX-iで、LSD機能を持った左右トルクスプリット型4WDに、ABSとの両立を図ったホンダ独自のシステムを持ったグレード。こんなキレイな状態なのは珍しいんじゃないかな。
最後に紹介したいのは、プレリュード。シティ同様、2代目と3代目は人気があってホンダ車のイベントには欠かせない存在なんだけど、ほぼオリジナルに近いコンディションのクルマが並ぶのは、意外と珍しいかも。2代目のAB型は、白いのが前期型で赤いのが後期型。同じように見えるんだけど、実は細部が結構違っている。とくに、リアはテールランプの間にあるガーニッシュが黒から赤になって、PRELUDEのロゴが控え目だったのが、目立つような黒字になっているので印象が変わるよね。
まだ紹介しきれないホンダ車があるので、それは次回に。