食べ走り?と洒落込んだオレたちだったが、くねくね曲がる山道メインのコースじゃさすがのV-MaxもMT-09にゃ分が悪くて???
オートバイ2019年8月号別冊付録(第85巻第12号)「Tarzan Game」(東本昌平先生作)より
©東本昌平先生・モーターマガジン社 / デジタル編集:楠雅彦@ロレンス編集部
MT-09 2台とツーリングにでかけたV-Max乗り
年下2人(偶然なんだろうけど同じMT-09乗り)とツーリングに出かけたはいいが、コースが悪かったわ。オレのめちゃ重なV-Maxはそのパワーを持て余すワインディングロードで、2人のMT-09は悔しいほどにバカッ速。猛烈な加速力を持った3気筒エンジンをスリムで軽い車体に載せた万能スポーツモデルだけはある。
特に目的があるツーリングでもないが、オレたちは所々のちょっとしたグルメポイントで休憩を挟みながら走りを楽しんでいた。とはいえ、オレとしちゃあ、同じヤマハとはいえ、MT-09にコケにされっぱなしが業腹ってわけ。
次の目的地がウナギと聞いて、オレは次こそはトップを切ると決意した。二軒目の休憩地点でトコロ天をそそくさと片付けると、オレはフライング上等で立ち上がった。
「はははっドベのオゴリな!」
「ずるーい!」と2人は立ち上がって抗議したが、オレはそんなこたあ聞いてもいない。
お先ぃっとばかりにV-Maxを走らせ始めた。卑怯??なんとでもいえ!勝ちゃあいいんだよ、ウナギウナギ!!
あっというまに追いついてきたMT-09。クソはええ・・・
ところがそこまでして作ったアドバンテージは長く保たなかった・・・。2人のMT-09にあっという間に追いつかれてしまったのだ・・・。とほほ。
結局、オレは2人に追いつかれ、簡単に抜かれちまった。
腕の差?ちげえよ、マシンの違いってことさ!
もともとくねくね曲がってばかりの山道にゃあ、オレのV-Maxは重すぎるってことだよ。高速なら絶対負けねえのに・・・くそう・・・。
て、ことで、オレは2人に鰻重をおごるはめになっちまった。自業自得?
まあそうだけどさ、あんなバイクを作るなんてさ、恨むぜヤマハさん。