連載『ホンダ偏愛主義』。自他共に認めるホンダマニア・元Motor Magazine誌編集部員でフリーランスライターの河原良雄氏が、ホンダを愛するようになった理由を、自身の経験を元に紐解きます。当時の風景が目の前に浮かんでくるような文章に、いつの間にかあなたも引き込まれることでしょう。今回はホンダマニアも唸るN-ONEの魅力をご紹介。(文:河原良雄/デジタル編集:A Little Honda編集部)

発売当時から注目していたN-ONEを手に入れた

N-ONEオーナーになって3カ月になる。4月末、輸入車のAセグメントとBセグメントの2台を下取りにして輸入車Cセグメント1台に統合。夏場はアクティトラックを近場の足としていた。エアコンの効きが良く重宝していたが、どうしても自分の美意識として軽トラを足とすることが許せなかった。「やっぱ、コンパクトカーでしょう」と。

8月下旬、ネットで近場の中古コンパクトカーを漁る。ホンダ党ゆえN-ONEもターゲットに。すると近くのホンダオートテラスの「27年式ツアラー、車検2年付き、1.6万km、イエロー」が目に留まる。「クルマは赤か黄」と決めつけている私にとってはピッタンコ。

「NAよりターボでしょう」もピッタンコ。価格は相場より10万円は安い。「売れていたら諦めよう」と翌日出向くとあったんです、それが。程度は良好で即決。訊けば「決算間近で10万円引きしたばかりです」とのこと。納車時には油脂類交換は言うに及ばず、気になっていたバッテリーやワイパーブレードも新品に交換してくれたのが嬉しかった。さらに無料で1ヵ月&12カ月点検付きと言うのもオートテラスならでは、だった。

N-ONEは2012年11月の登場時から注目していた。N360をモチーフにしたデザインは良かったが背の高さがちょっと気に入らず。でも業界関係者から「6速MTを開発してます」との報を受け“待ち”を決め込む。が、いつまでたっても出てこない。そのうち頓挫したとの報。そんなこんなでN-ONEは縁がなかったと半分諦めかけていた。

ホンダマニア的、N-ONEのいいトコロ

N-ONEはさまざまなタイプがあるが個人的に素が好き。プレミアム系はモールが付いたりして華美に感じられる。スタンダードなN-ONEが最も“Nコロ”に近い気がするのだ。ツアラーはターボ付きで低回転からトルクフルで運転が楽。高速走行でも余裕ありありである。それもECONオンで、だ。で、燃費もいい。街中メインで16km/L、遠出をすれば20km/Lに迫る勢い。個人的にCVTはフィールが好きじゃないけど“足”として使う分には言うことなしだ。

サスペンションはストロークが確保されていてコーナリングも得意。それだけにタイヤはプレミアムの15インチにサイズアップしたくなる。素のツアラーで唯一気になっていた滑りやすいウレタンのハンドルはオプションの革巻きをセット。パーツ代1万円、工賃1万円だったが手触りは言うことなし。お薦めです。

インテリアの作りも軽自動車としてはグッドの部類。ダッシュボードは凹凸が多く、もうちょっとすっきりして欲しいとは思うが操作系は問題なし。とくに足踏みサイドブレーキは解除後フットレストとして活用できる点は大いに気に入っている。左足の置き場があるって本当に楽。ただシートはイマイチ。2時間ぐらいは許容できるけど3時間を過ぎると尻が沈み込んで疲れる。Aセグメントの輸入車はこんなことがなかったから要改良点だろう。

N-ONEは好きなイエローとあってともかく可愛い。コンパクトカーには明るいカラーは必須だ。「どう、可愛いでしょう!」と媚びたところがないのもいい。N-ONEにはオジサンが乗っても恥ずかしさを覚えない可愛いさがある。そこが大いに気に入っているのだ。

「ホンダ偏愛主義」前回の記事を読むならこちらから!

120センチバイクと呼ばれたモトコンポのお話

連載「ホンダ偏愛主義」を1から読むならこちらから。

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