2019年4月7日に行われたWTCR(世界ツーリングカー選手権)開幕戦。去年から新たに始まったWTCRは初年度から見応えのあるバトルを展開し、最終戦まで目が離せないカテゴリーのひとつでした。今年はさらに豪華なドライバーラインナップで、新しいマシンも加わります。いったいどのような結末が待っているのでしょうか?

ビッグネームが続々と参戦!今年のWTCRは超豪華なラインナップに

ディフェンディングチャンピオンのガブリエル・タルキーニ(BRC Hyundai N Squadra Corse)を筆頭にチャンピオン防衛に挑むヒュンダイ勢。ノルベルト・ミケリス(BRC Hyundai N Squadra Corse)はそのままに、今年からアウグスト・ファーファス(BRC Hyundai N LUKOIL Racing Team)とニッキー・キャッツバーグ(BRC Hyundai N LUKOIL Racing Team)が加入。ファーファスはBMWからDTMに参戦しており今年からツーリングカー選手権に復帰。WTCC時代もBMWで活躍しました。キャッツバーグもWTCC時代に活躍した選手で、現在はWECにも参戦しているオランダ人ドライバー。昨年以上に強力になったヒュンダイ勢、今年もWTCRを席巻するのでしょうか?

今年から新たに参入したのが中国のLynk&Co。Lynk&Coは中国の吉利汽車グループとボルボの合弁会社によるブランドで、WTCC時代にボルボと手を組んでいたシアンレーシングと再びタッグを組みます。ドライバーはテッド・ビョーク(Cyan Racing Lynk&Co)とイヴァン・ミューラー(Cyan Racing Lynk&Co)という昨年と同じコンビがそのままLynk&Coに移籍。さらに去年優勝も達成した若手注目株のヤン・エクラッシェ(100-0-0-0 Lynk&Co)とWTCC初年度から3年連続でチャンピオンを獲得した アンディ・プリオール(100-0-0-0 Lynk&Co)が加入。3人のチャンピオン経験者に期待の若手というこれ以上ない体制で初年度からチャンピオンを狙います。

ホンダ勢は去年大いにシリーズを盛り上げたエステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)にWTCC以来の参戦となるネスター・ジロラミ(ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)、ルーキーのアッティラ・タッシ(KCMG)、そして去年鈴鹿で復活したティアゴ・モンテイロ(KCMG)という布陣で戦います。

そのほかにも、ラリークロスで2年連続チャンピオンのヨハン・クリストファーソン(SLR Volkswagen)の参戦やおなじみのトム・コロネル(Comtoyou DHL Team Cupra Racing)、ロブ・ハフ(SLR VW Motorsport)などツーリングカーの名手たちが集結しました。

画像: 開幕戦モロッコに集結したツーリングカーのスペシャリスト達 twitter.com

開幕戦モロッコに集結したツーリングカーのスペシャリスト達

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レース1はE.グエリエリがポールトゥウィンを達成!

開幕戦レース1でポールポジションを獲得したのはグエリエリ。スタートでは2番手スタートのビョークに並ばれるもののポジションをキープします。

3位につけるのはWTCCで3度のチャンピオンに輝いたプリオール。そのプリオールの真後ろに迫るのはジャン・カール・ベルネ(Leopard Racing Team Audi Sport)。5周目の1コーナーでベルネがプリオールのインをこじ開け3位に浮上、プリオールはベルネの激しいアタックで6位に順位を落とします。

3位に上がったベルネでしたが、プリオールとの接触で5秒のタイムペナルティが課させてしまいます。

スタートでポジションを落としそうになったグエリエリですが、1周目からレースを支配しトップチェッカー!今シーズン最初の優勝者となりました。2位にはビョークが入りLynk&Coにデビューレースでの表彰台をプレゼント、3位にジロラミが入り、ALL-INKL.COM Munnich Motorsportが1-3フィニッシュを獲得しました。

ベルネとプリオールの接触はあったものの、開幕戦のレース1というだけあり各車慎重なレース運びとなりました。

画像: 今シーズン最初のウィナーとなったE.グエリエリ twitter.com

今シーズン最初のウィナーとなったE.グエリエリ

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レース1結果

画像1: www.fiawtcr.com
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レース2は運を味方につけたG.タルキーニが制す!

レース2のポールポジションは今年復帰したキャッツバーグが獲得、2位にはタルキーニとヒュンダイ勢がフロントローを獲得。3位にレース1でペナルティを受けてしまったベルネ、4位にはレース1優勝のグエリエリが入りました。

トップ3が順調にスタートをきる中、4位スタートのグエリエリをエクラッシェがパスし4位に浮上します。

トップ3は後続に差をつけていき、特に3位のベルネは2位のタルキーニにぴったりとマーク。周回が進むにつれ隊列が等間隔になっていく中、これまで完璧なレースでトップを走っていたキャッツバーグが10周目にまさかのクラッシュ。ブレーキング時にリアタイヤがロックし止まりきれずそのままウォールに激突してしまったのです。トップ走行中にまさかのブレーキトラブルでリタイアとなってしまったキャッツバーグは無念のノーポイントに終わってしまいました。

キャッツバーグのクラッシュでコース上にSC(セーフティーカー)が入り、周回数が2周増え20周レースとなります。

15周目にレースは再開し、トップのタルキーニはリスタートを決めそのままトップチェッカー。ヒュンダイ勢とすればキャッツバーグのリタイアは痛いものの、ディフェンディングチャンピオンがしっかりと優勝を獲得しました。2位にはベルネ、3位にエクラッシェが入り、レース1優勝のグエリエリは4位でレースを終えました。

画像: 運も味方にしっかりと今季初優勝を獲得したG.タルキーニ twitter.com

運も味方にしっかりと今季初優勝を獲得したG.タルキーニ

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レース2結果

画像2: www.fiawtcr.com
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レース3はT.ビョークが制し、3メーカーが優勝を分けあうことに

開幕戦の最終レースとなるレース3のポールポジションを獲得したのはフレデリック・バービッシュ(Comtoyou Team Audi Sport)。2位にはミューラー、3位にビョークとLynk&Co勢は週末を通して高いポテンシャルを発揮しました。4位には怪我を乗り越えて帰ってきたモンテイロが入りました。

ポールポジションスタートのバービッシュがスタートに失敗し、ミューラーとビョークが1-2で1コーナーに進入。ルーキーのマイケル・アスコナ(PWR Racing)にパスされたモンテイロはグエリエリとエクラッシェに並ばれ3ワイドでコーナーに進入。イン側のグエリエリに押し出される形でモンテイロとエクラッシェがクラッシュしSCが入ります。

2周増え23周レースとなったレース3は6周目に再開。レースを引っ張っていた先頭のミューラーのペースが落ち始め、13周目の1コーナーで一気にパスされスローダウン。またしてもトラブルに泣いたミューラーはピットに戻りリタイアとなりました。

代わりにトップにたったビョークは2位のベルネをうまく抑えながらトップをキープ。ベルネはビョークとの差を詰めるも残り2周で単独のクラッシュをしてしまいリタイア。

再びSCが入り、レースはSC先導のままフィニッシュ。ビョークがLynk&Coに初優勝をもたらしました。2位にはスタートのミスが響いてしまったバービッシュ、3位にアスコナが入り初表彰台を獲得しました。

画像: T.ビョークが優勝しランキングトップに浮上。Lynk&CoにとってWTCR初優勝となった。 twitter.com

T.ビョークが優勝しランキングトップに浮上。Lynk&CoにとってWTCR初優勝となった。

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レース3結果

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昨年のヒュンダイ勢の優勢はなくなり、3メーカーが優勝を分け合った開幕戦。ポイントシステムも変わり3レースとも上位でフィニッシュしなければいけなくなたことから、去年以上に激しいレースが繰り広げられるのではないでしょうか。次戦はハンガリーで4月27、28日に第2戦が行われます。

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