話題豊富のドライバーラインナップ
今年は去年のランキング上位3名がF1にステップアップし、誰がシリーズを引っ張っていくかに注目が集まります。チャンピオン候補にあげられるのは去年ランキング4位のニック・デ・フリース(ART GRAND PRIX)。マクラーレン育成ドライバーのデ・フリースはF2だけではなく、WECのLMP2クラスでも活躍する若手有望株。去年同じマクラーレン育成のランド・ノリスに先を越されたデ・フリース、今年こそはF2でチャンピオンを獲得しF1にステップアップしたいところです。
しかし、F2に最も長く参戦しているルカ・ギオット(UNI-VIRTUOSI RACING)、去年印象的な走りをみせたセルジオ・セッテ・カマラ(DAMS)など実力者達もチャンピオンを虎視眈々と狙っています。
今年のF2にはルーキーが8名参戦します。注目は7度のF1王者ミハエル・シューマッハの息子で、去年のFIA F3チャンピオンでもあるミック・シューマッハ(PREMA RACING)。去年のF3では中盤戦から後半戦にかけて他を圧倒し見事チャンピオンに輝きました。今年もマシンに慣れてきた頃に速さをみせるのか、または序盤戦からいきなり速さをみせてくれるのかに注目です。
GP3からステップアップしたルーキー達にも注目!去年のGP3王者でもあるアンソニー・ユベール(BWT ARDEN)をはじめ、GP3参戦初年度ながらランキング2位に入ったニキータ・マゼピン(ART GRAND PRIX)、GP3で活躍し、女性初のF2ドライバーとなったタチアナ・カルデロン(BWT ARDEN)、GP3で父親譲りの速さをみせたジュリアーノ・アレジ(TRIDENT)など将来が楽しみなメンツが揃いました。
そして我らが日本人ドライバー、松下信治(Carlin)も1年ぶりにF2に復帰します。F2で3年間戦った後、日本に戻りスーパーフォーミュラに参戦した松下。一度日本に戻り、再びこのF2の世界に戻ってくることはかなり難しいものでした。しかしホンダのサポートだけではなく、松下自らスポンサーを募り、見事今年F2に復帰を果たしました。F1ドライバーになる夢を諦めなかった松下は、このF2でどのような走りをみせてくれるのでしょうか。大注目です!
開幕戦レース1の予選はL.ギオットがポールポジションを獲得!
30分で行われたレース1の予選。ニコラス・ラティフィ(DAMS)、セッテ・カマラのDAMS勢が序盤に1-2を形成する中、カラム・アイロット(SAUBER JUNIOR TEAM BY CHAROUZ)がクラッシュし赤旗が出てセッションが一時中断に。
再開後にラティフィが自身のタイムを更新しピットイン、マシンを降ります。しかし、残り5分を切り、各車アタックを開始!まずはデ・フリースがトップタイムを記録するも、直後にルイ・デレトラス(Carlin)がトップタイムを更新します。
デレトラスのチームメイトである松下は5番手タイムをマーク。残り2分となったところでギオットがデレトラスのタイムを更新しトップに浮上!ラストアタックでポールポジションを狙っていたデ・フリースとシューマッハは共にブレーキング時にタイヤをロックしてしまうミスを犯しタイム更新とはなりませんでした。
ポールポジションはF2最多46戦目を迎えたギオット、2位にはデレトラ、3位にデ・フリースが入りました。注目の松下は6番手からレース1の決勝に臨みます。
予選結果
N.ラティフィが初のレース1優勝!松下はタイヤに苦しみ9位でフィニッシュ
32周で行われるレース1は6周目以降にピット作業が義務づけられています。フォーメーションラップではポールポジションのギオットが少し出遅れてしまいます。これは去年多発したクラッチトラブルが原因で、フォーメーションは出来たもののスタートに不安が残るトラブルとなりました。
レーススタートではやはりギオットが出遅れ、デレトラスが先頭で1コーナーへ。2位にはデ・フリーズ、3位にラティフィ、松下は5位に上がり、ギオットは6位まで後退します。
レース序盤はデレトラスがリードするも、3位のラティフィのペースが良く、ファステストラップを更新していきます。
5周目の1コーナーでショーン・ゲラエル(PREMA RACING)がスピンしながらコースオフ。これはブレーキング時に閉まるはずのDRSが開いたままになってしまった事が原因ですが、他車を巻き込むことはなく、幸運にもクラッシュは起こりませんでした。
ルーキーのユベールがマゼピンをパスし7位に浮上、その後ろではスタートで出遅れてしまったセッテ・カマラがポジションを回復していきます。
トップ3から約5秒離された4位のジャック・エイトキン(CAMPOS RACING)を松下、ギオットが立て続けにパスし、トップ3に迫ります。
9周目の1コーナーでラティフィがトップのデレトラスをアウトからパスし首位浮上。差を広げていきます。
10周目にはスタートで出遅れたギオットが松下をパスし4位に浮上します。松下はその後もエイトキン、ユベール、セッテ・カマラにもパスされてしまいます。
序盤にタイヤを使いすぎてしまった松下は12周目終了時にいち早くピットイン。
ギオットが2位に上がり、セッテ・カマラも5位まで浮上、スタートで出遅れた2台がポジションを上げていきます。
14周目にデレトラスがピットイン、コースに戻ると松下の後ろとなり、松下のアンダーカットが成功します。
15周目にはセッテ・カマラをはじめ続々とピットインするも、アンダーカット組が前にでる結果となりました。
トップのラティフィは16周目にピットイン、しかし右リアタイヤの交換に手間取り、松下の後ろでコースに復帰。
ピットインを遅らせたカルデロンを除く全車がピットインを終了し、1位はデ・フリース、2位に松下、3位にデレトラス、4位にラティフィ、5位にセッテ・カマラとなりました。
21周目に好調のラティフィが3位のデレトラスをパス、さらに22周目には松下、23周目にデ・フリースを立て続けにパスしトップに浮上。後続に差を広げていき盤石の状態に。
25周目ホームストレートでギオットがなんとデレトラス、セッテ・カマラをまとめてパス、さらに順位を上げていき2位までポジションを回復します。
ギオットに抜かれてしまったセッテ・カマラでしたが、それでもデ・フリースをかわし3位に浮上、見事なリカバリーを見せました。
残り2周で7位の松下をエイトキンがパスし松下は8位に。このままの順位であればレース2のポールポジションとなりますが、タイヤの使い切ってしまった松下より5秒も速いペースでシューマッハが迫ってきます。
優勝は後続に差を広げたラティフィが優勝し、自身初のF2レース1での優勝を達成。2位にはクラッチトラブルにも関わらず見事な追い上げをみせたギオット、3位にセッテ・カマラが入り、DAMS勢が1-3を達成しました。
ファイナルラップで松下はシューマッハにパスされ惜しくも9位に。2ポイント獲得もレース序盤にタイヤを使いすぎてしまった事が悔やまれる結果をなりました。
レース1決勝結果
今年もF2ならではのバチバチのレースが開幕戦から見ることが出来ました。レース2ではミック・シューマッハがポールポジションからのスタートとなります。一体どのようなレースを見せてくれるのでしょうか。そして松下信治のオーバーテイクショーにも期待しましょう!