ホンダ ヴェゼルに新しいパワートレーン、1.5Lターボが追加された。それにともない欧州仕様と同じボディを手に入れ、飛躍的に向上した剛性感ある走りが楽しめるようになった。

ヴェゼルの購入動機1位は外観のスタイル・デザイン・カラー

2013年12月、コンパクトSUV市場にホンダが投入したのがヴェゼルである。SUVの持つ力強さ、クーペの持つ流麗なスタイル、そしてミニバンのようなマルチな使い勝手を兼ね備えたクルマとして注目を浴び、このヴェゼルは、2018年12月までの5年間で累計約36万7000台が販売される大ヒットモデルとなった。ちなみにヴェゼルの購入動機として一番に挙げられるのがスタイル・デザイン・カラーだという。

画像: ヴェゼルツーリングは、全モデルがFFで、4WDシステム搭載車の設定はない。撮影車のボディカラーはプラチナホワイトパール。

ヴェゼルツーリングは、全モデルがFFで、4WDシステム搭載車の設定はない。撮影車のボディカラーはプラチナホワイトパール。

コンパクトSUV市場は、今とても旬だ。人気があるので自動車メーカーは、そこに魅力的なモデルを投入する→さらにユーザーが注目する→また盛り上がる、というとてもいいスパイラルだと言っていい。

ヴェゼルも、そんなマーケットにホンダが投入したコンパクトSUVである。国内外の競合車をみるとクロスオーバーSUVも含め、同じようなセグメントにトヨタC-HR、レクサスUX、マツダCX-3、スバルXVなどがあり、輸入車勢を見てもアウディQ2、ボルボXC40、ルノーカジャー、メルセデスベンツGLA、BMW X1、フォルクスワーゲンティグアンなどもそのブランドのエントリーモデルとしてなかなか魅力的なSUVが揃っている。

画像: 今回1.5Lターボ搭載のツーリングは内外装に専用アイテムも装備される。左右2本出しマフラーも専用品だ。

今回1.5Lターボ搭載のツーリングは内外装に専用アイテムも装備される。左右2本出しマフラーも専用品だ。

ヴェゼルは、そんな強豪ライバルたちがひしめく中にあってひと際、光を放つ存在だと言っていいだろう。都市型SUVをイメージしたスタイル、コンパクトなのにさまざまなことができるように考え抜かれたパッケージング、セダン+100mmという視点の高さやヒップポイントまでのこだわり、そして運転しやすいサイズと最小回転半径5.3mという小回り性能だ。

ラインナップに加わった新たなパワートレーン

パワートレーンは、ハイブリッド、ガソリン、そして新たに加わったガソリンターボの3種類が用意され、その中から自分にスタイルに合ったものが選べるようになっている。

画像: 1.5LVTECターボエンジン搭載。それに合わせて専用セッティングされたパフォーマンスダンパーを装備する。

1.5LVTECターボエンジン搭載。それに合わせて専用セッティングされたパフォーマンスダンパーを装備する。

ちなみに従来からあるハイブリッド車は、スポーティさと良好な燃費を兼ね備えたホンダ独創のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を搭載している。そしてガソリン車は、1.5L i-VTECエンジンを搭載し、パワーと低燃費を実現したモデルだ。

そして今回、さらなるパフォーマンスアップが実現されたガソリンターボエンジンの「ツーリング」が追加されたのだ。搭載されたのは、1.5L直4直噴VTECターボエンジンである。

専用セッティングとスタイリング。実はボディも違う

ヴェゼルツーリングは、専用セッティングのパフォーマンスダンパーに加え、カーブで安定感あるハンドリング性能をもたらすアジャイルハンドリングアシスト(ヴェゼル初)を採用している。

さらにエクステリアには、専用カラーが使われ、マフラーは左右2本出しを採用、インテリアにも専用ブラウンとなり上質かつ個性的なものとなっている。

画像: シート以外、インテリアにヴェゼル専用アイテムは少ない。RSに近い仕様と言えるだろう。

シート以外、インテリアにヴェゼル専用アイテムは少ない。RSに近い仕様と言えるだろう。

実は、このツーリングのボディは欧州仕様のヴェゼルと同じものが使われている。欧州では、ボディ剛性に対する要求が高く、日本仕様とは別スペックのボディが使われていたのだ。しかしヴェゼルツーリングには、その欧州仕様と同じスペックのボディが使われることになった。

高い走行パフォーマンスを見せる

運転席に座ると視界に飛び込んで来るのはクオリティの高そうなインテリアだ。上質さとスポーティさと融合させた雰囲気を持っている。

走りも軽快感があり満足のできる仕上がりだ。接地感も高くこれならワインディングロードに持ち込んで積極的に走りたいと思えるほどである。やはり、欧州仕様と同じスペックのボディを手に入れたことがかなり影響しているのだろう。

ちなみにヴェゼルは、全車「ホンダセンシング」が装備されている。この「ホンダセンシング」とは、先進の安全・運転支援システムのことで「衝突軽減ブレーキ」、「誤発進抑制機能」、「歩行者事故低減ステアリング」、「路外逸脱抑制機能」、「アダプティブクルーズコントロール」、「車線維持システム」、「先行車発進お知らせ機能」、「標識認識機能」などである。

この先進の安全・運転支援システムには、ミリ波レーダーと単眼カメラといった2つの異なるセンサーが使われている。そしてヴェゼルは、予防安全性能で高い評価を受け、予防安全評価の最高ランクASV++を獲得しているのだ。

今回の「ツーリング」の追加により、ヴェゼルはまたさらに魅力の幅を広げた。走りも楽しみたいならこのモデルはお勧めだ。ツーリングの価格は、290万3040円だがその価値は十分にあると言えるだろう。このヴェゼルツーリングは、ラインナップの中で主力モデルとなりうる実力の持ち主だということが感じられた。

ホンダ ヴェゼル ツーリング ホンダセンシング 主要諸元
●ディメンジョン&ウェイト:全長×全幅×全高 4340×1790×1606mm、ホイールベース 2610mm、車両重量 1360kg ●パワートレーン:種類 直列4気筒DOHCターボ、総排気量 1496cc、最高出力 127kW(172ps)/5500rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1700-5500rpm、燃料・タンク容量 レギュラー・50L、JC08モード燃費 17.6)km/L ●シャシ:駆動方式 FF、トランスミッション CVT ●価格 2,903,040円

ヴェゼルに関する過去記事もぜひご覧ください。

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