エンジンメーカー、予選フォーマットが新しくなった今年のMoto2クラス
昨年までのMoto2クラスでは、ホンダエンジンのワンメイクでしたが、今年からトライアンフのエンジンに変更されました。ホンダの4気筒600ccからトライアンフの3気筒765ccになった今シーズン、エンジン特性が大きく変わり、好みによってはこれまで上位争いが出来なかった選手が一気にトップ争いをする可能性もあります。
そしてMoto3クラス同様、Moto2クラスでも今年からMotoGPクラスの予選フォーマットを採用しました。これまで45分の予選から各15分で行われるQ1、Q2のノックアウト方式になります。フリープラクティス3までの総合順位が15位以下のライダーでQ1が行われ、Q1上位4名のライダーがQ2に進出、Q2でポールポジション争いを行います。MotoGP直下のクラスだけあり、MotoGPクラスを見越した変更となりました。
予選はM.シュロッターが初ポールポジション獲得!長島哲太はQ2進出も予選14位
今年もMoto2には日本から長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)が参戦します。IDEMITSU HONDAから移籍した長島はフリープラクティス3までの総合順位で15位とダイレクトでのQ2進出をギリギリ果たすことが出来ませんでした。
しかし長島はQ2進出をかけたQ1で、高いレベルでコンスタントにタイムを刻んでいきます。長島がトップタイムを記録すると、去年一気に才能が開花したルカ・マリーニ(SKY Racing Team VR46)がトップタイムをマークします。
マリーニが早々にタイムを出して早くもピットに戻る中、今年からMoto2にステップアップしたニコロ・ブレガ(SKY Racing Team VR46)とイケル・レクオーナー(American Racing KTM)がトップ4にくい込んできます。
最後のアタックでMoto2へのステップアップを果たした去年のMoto3ランキング2位のファビオ・ジ・ジャナントニオ(+Ego Speed Up)がタイムを上げ、レクオーナーのタイムを上回り4位に浮上。Q2進出かと思われましたが、15コーナーでコースからはみ出してしまうミスでコース外走行と判断されベストタイム抹消、Q1を5位で終えてしまいました。
Q1トップ通過はマリーニ、2位にはチームメイトのブレガ、3位には長島が入り、4位にレクオーナーとなりました。
ラストアタックを終えたレクオーナーでしたが、コース脇にマシンをストップするトラブルが発生。マシンがピットに戻され、Q2に向けて作業が行われることになりました。
Q1結果
Q2ではまずシャビ・ビエルへ(EG 0,0 Marc VDS)がトップタイムを記録します。一方チームメイトのアレックス・マルケス(EG 0,0 Marc VDS)はタイムをあげることができません。
残り7分で去年のMoto3チャンピオンで、今シーズンMoto2クラスにステップアップしたホルヘ・マルティン(Red Bull KTM Ajo)が2コーナーで転倒。
セッション残り3分50秒でマルセル・シュロッター(Dynavolt Intact GP)がトップに躍り出ます。シュロッターは単発でもコンスタントにタイムを出していたレミー・ガードナー(ONEXOX TKKR SAG Team)の後ろにつけタイムを上げてきました。
残り2分30秒でマルティン同様、マリーニが2コーナーで転倒。MotoGPでも2コーナーで転倒が相次ぎ、決勝でも注意が必要なコーナーかもしれません。
残り2分でシュロッターが自身のタイムをさらに更新し、ロレンソ・バルダッサーリ(Flexbox HP 40)が3番手に浮上。
ラストアタックでは各ライダータイム更新ならず、シュロッターが初のポールポジション獲得となりました。2位にはビエルへ、3位にバルダッサーリが入り、長島は14位で予選を終えました。
しかしトップから15位までのタイム差が0.9秒以内!決勝ではこれまで以上の接近戦が予想される結果となりました。
Q2結果
L.バルダッサーリが僅差のバトルを制して開幕戦優勝!
スタート直後の1コーナーでアクシデント発生。ブレガ、レクオーナー、ホルヘ・ナバッロ(+Ego Speed Up)が絡む多重クラッシュが発生し、波乱の幕開けに。
スタートではビエルへがトップに立つも、2周目にバルダッサーリが首位を奪います。翌周3周目の1コーナーで長島、4コーナーでジェイク・ディクソン(Sama Qatar Angel Nieto Team)が転倒し、波乱は続きます。
バルダッサーリが首位に立ち後続から逃げを打つ中、シュロッターとガードナー、マルケスが立て続けにビエルへをパス。ビエルへはペースが上がらず順位を下げていきます。
9周目、逃げていたバルダッサーリに2位のシュロッター、3位のガードナーが追いつきますが、その後方からファステストラップを更新しながら、トーマス・ルティ(Dynavolt Intact GP)が先頭集団に迫ってきます。
ルティは14周目にガードナーを、さらにはシュロッターをもパスし、トップのバルダッサーリの真後ろについていよいよファイナルラップへ。
ルティに真後ろにつつかれるも、なんとか耐え切ったバルダッサーリが開幕戦を制しました。2位には惜しくも届かなかったルティ、3位はチェッカーフラッグ直前の僅差でガードナーをパスしたシュロッターが獲得しました。
決勝結果
今年は例年に比べ接近戦が多い開幕戦となりました。開幕戦で優勝したライダーが近年はチャンピオンになっていますが、今年は本当に予想不可能です。次戦アルゼンチンGPでは誰が速さを見せてくれるのでしょうか。